Serena*Mのあたまのなかみ。
AVG4で今のMCUシリーズが終わって
誰かが死ぬって記事を読んだ後にIWの予告編みたらどうしようもなく涙が流れてきて。
そこから妄想した一遍。
捏造しまくりなAVG4以降の妄想。
仄暗い。
誰かが死ぬって記事を読んだ後にIWの予告編みたらどうしようもなく涙が流れてきて。
そこから妄想した一遍。
捏造しまくりなAVG4以降の妄想。
仄暗い。
異星人・サノスからの侵略をアベンジャーズは退けたものの、その代償はあまりにも大きかった。
地球の半分は焦土と化し、失われた命は数知れず。国も国家としての機能を成さず“勝利”にしては余りに悲惨な光景だった。
そんな戦いを目の当たりにした今、残された人類から『アベンジャーズは必要ない』と声が上がったのもごく自然の流れだった。人の形をした者、人ならざる者が超越した力を持ってしても惑星の半分が失われたのだ。
国を失くし、家を失くし、家族を亡くし全てを失ったと言うのに“地球を守った”と宣言する意味とは。何から守ったのか、誰を守れたのか。
悲痛な声は瓦礫の中から上がる。この先もまた、宇宙からの侵略を怯えながら、この地に血の雨を降らし、焦土を増やそうと言うのか。
生き残った人らは、青く澄んだ空を見上げる。
澄んだのは空の色だけで、人の顔には疲弊の色が増し、空気は未だに焦げ臭かった。
残された人類は考える。この先、人類はどんな道を辿るのか。
破壊されたこの世界をまた1から作りあげるのか。それとも――ほの暗い想像が口に上がる。戯言だと思えた小さな幻想はやがて大きな渦となり、その事実はアベンジャーズらヒーローの面々へと突きつけられた。
“ヒーローはこの世に必要ない”
疲弊した人々の答えは簡単だった。
悪が居るからこそ善が立ち上がる。逆に考えれば善が居るからこそ、悪が引き寄せられるのだ。善であるヒーローさえ居なければ、この地球は外部の“悪”からは狙われない。銀河系の小さな惑星の1つ。だから――
『バニシング・ヒーロー法が可決されました!
法案成立から48時間以内にこの世界からヒーローを全て消し去ることが可能です!!』
『バニシング・ヒーロー法可決!』
天井に吊るされたTVからは最高裁を背景に熱を帯びた声でキャスターが叫んでいる。当たりはフラッシュが焚かれ、それはまるで真昼のような熱狂さだった。
TVに映る、集まった人々の声は歓喜であるのか落胆であるのか。
それは集音機を通した音では判断が出来なかった。
じっとTVを睨みつけていたトニー・スタークが盛大に舌打ちをする。
隣のペッパーが顔を覆ってその場に泣き崩れるとナターシャがそっとその背中を擦った。
「消えろ、ってか」
コンクリートの冷たい壁に凭れかかったバッキーが履き捨てる。
傍らで腕組みをしたままのスティーブは凍った表情のまま微動だにしなかった。
――場所はワカンダのとある研究施設。
ヒーローへの悪意ある攻撃から身を守る為 “安全上の理由”からこの地へ隔離されていた。表向きの理由はそうだったが、その実は唯の“幽閉”である。
ワンダはその力を使えないようにと睡眠薬を打たれ昏々と別室で眠り続けていた。施設内の移動は自由だったから、皆が彼女の顔を見にその個室へと足を運んだが、誰一人瞳を開けた彼女と出会うことはなかった。最初こそ『眠り姫』だなんて笑っていた彼らだが、いよいよ笑えない状況に、集まった部屋には沈黙しか残されていなかった。
【英雄追放法】
読んで字のままの如くの法案である。
この世の英雄を追放する。それがこの法であり、全てだった。
英雄と呼ばれる人物の中にはトニーやナターシャたちのような“普通”の人間も多い。彼らを『追放』することは人道に反する行為とは言え難しいことでは無いだろう。けれど、キャプテン・アメリカやハルクのように“超人”の力を持った者たちの『追放』とは――?
答えは1つだった。
どの世界だって“時間を逆行すること”“歴史を変えること”は重大な罪でありご法度とされていた。勿論この世界でも、だ。
多少の歴史が人工的に変えられたとしても【運命】と言う大きな流れに沿ってその歴史はまた修正される。
けれど、その歴史を【運命】が変えられないくらいに大きく歪めてしまったら――?
戦いに弱りきった人々はそのご法度を己の正義の為に使うことを善しとしたのだ。
英雄一人一人がこの世に生まれでなかれば、世界が変わる。この埃と瓦礫にまみれた世界に緑が戻るかもしれない。笑顔を忘れた子供たちに家族がまた、戻ってくるかもしれない。
疲れきった人類は以前の地球を理想郷とし、今の世界を作り変えようと英雄たちに牙を向けた。
――それが、英雄追放法。
言ってしまえばインサイト計画のもっと大きな酷いモノなのだろう。
消去されるのは英雄だけではない。
英雄を作り上げるシールドの礎を築いた者、長年敵対していたヒドラ…その全ての人が対象とされていた。
勿論、“追放”出来ない人物も居る。
アスガルド人であり神でもあるソーは地球に関わることを一切禁止とされ、また宇宙船に乗り銀河を漂うことを約束させられた。
彼は酷く動揺したものの地球の守り神でもあったから、人類のその決断をただ静かに受け入れたのだった。宇宙船に乗り込んで行く背中があんなにも小さく弱く見えて、見ている者にとっても非常に辛いものであり、今生の別れでもあった
勿論、それは宇宙に居を構えるピーター・クイルらも同様であり、あの皮肉屋のロケットですら小さく手を振ったのだった。
「あばよ、地球人」
“追放”にはドクター・ストレンジの開発した次元加速装置を使う。
それは彼にしか扱えない代物であり、今後彼はただひたすら将来地球に【悪】を呼ぶであろう人物をただひたすら時空を遡って追放(消去)する役割を与えられた。医者として人を殺めるのを最も苦手としていた彼が人の命を左右させる使者となるとは、なんとも“運命”は皮肉なものである。
外部から施錠されているこの部屋で唯一の外界との接点でもある電子扉が静かに開く。
埋め込み式の扉から現れたのはこの施設の施設長でもあり、この国の国王でもあるティ・チャラ――ブラックパンサーだった。
ただ、いつもの彼と違うのは王族としての服装ではなく、他のアベンジャーズメンバーと同じクリーム色の簡素な病衣で、その腕にはバーコードの付いた腕輪がはめられている。
「…やっと私も皆と同じ場所に来ることができた」
彼は以前会った時よりも随分とやつれて見え、そして乾いた笑いを浮かべた。
ティ・チャラがアベンジャーズメンバーの保護と隔離を提案してくれ、制限付きだとは言えそれなりの自由を与えてくれたこと、英雄消去法の否決を求めて活動していたこと、忙しい合間を縫ってこの施設へ足を運んでくれていたこと、全てを知っていたトニーたちは優しく彼を迎え入れる。
「本当は君とこんな所で会いたくなかったな」
肩を叩いたスティーブに
「そうだな、俺の仕事の斡旋をお願いしたかったんだけど」
おどけたスコットの言葉に、メンバーが笑い声を漏らす。それは、本当に久しぶりに声を出して笑った瞬間だった。
「なんだかこんなコトでクサクサしてたって仕方ないわね。
もう法案は可決されたんだし、私たち制限付きの命ってワケでしょ?」
真ん中の大きなテーブルで読書をしていたマリア・ヒルが顔を上げる。
「好きな物を飲んで、好きな物を食べて。
沢山笑って過ごしましょう。私、生まれてきたことに後悔はしてないし、今の仕事にだって誇りを持ってるわ。最期が決められてたって、そこまでの道は私たち自身で決めて良い筈よ」
かつてヘルャリアで凛とした声を響かせていた彼女は、今でもしっかりとその声を響かせた。
「…えぇ、そうね。そうだわ。貴方と一生会えないワケじゃない…」
真っ赤に泣きはらした目を傍らのトニーへ捧げて、ペッパーはトニーを抱きしめる。人前にも関わらず熱い抱擁に皆は体の奥に熱い力が蘇るのを感じていた。
そうだ。
人類全てがその“勝利”と勝利を認めていなくたって、立派に私たちは地球を守ったじゃないか。多くの人類の命を守ったではないか。
「以前のパーティよりは随分と静かな物になると思うが、一席設けようか」
ティ・チャラの提案に、またスコットがおどけて笑った。
「デザートにバスキンロビンスのアイスは忘れないでくれよ!」
*
ささやかな宴会だとティ・チャラは言ったが、それでもこの幽閉された施設では随分と豪華な宴席が設けられた。余命いくばくかとは言え、一国の王を邪険に扱うことは出来ないのだろう。
どんちゃん騒ぎをするメンバーらを尻目に、バッキーとスティーブはそっと宴席を抜け出す。
良いのか悪いのか超人血清の副作用で酔えない二人はアルコールで語り合うよりも静かに親友との時間を過ごしたいと考えたのだった。
「昔みたいにさ、床に寝ようぜ」
質素な自室に設えられたマットレスを引っ張ってバッキーが笑う。
「いいな、それ」
スティーブも優しく微笑むと糊の利いたシーツを引っ張り上げた。
脱走の防止なのだろうか、窓は高い位置に小さくしか開いていない。それでも夜半を過ぎたこの時間はその薄い隙間からでもほっそりした三日月を見ることが出来た。
2人は床に寝転がったままぼんやりと夜空を見上げる。
「…ずっと、独りで死ぬんだと思ってた」
ぽつりとスティーブが話す。
「体が弱かったし、熱もしょっちゅう出すし…母さんが居ない時の発作は怖くて怖くて仕方なかったんだ」
初めて聞く幼馴染に話に、バッキーがそっと肩を抱き寄せる。
「でもね、バック。僕は君と言う親友が出来て本当に嬉しかったんだ。
君は身長も高いしモテるし…僕の欲しい物は何でも持ってた」
「…ははは、買いかぶりすぎだよ」
「だからね、こうして“キャプテン・アメリカ”になれて君と肩を並べて国の為に戦うことが出来て…本当に嬉しかった…」
「…俺もだよ、スティーブ」
バッキーがスティーブの柔らかい金髪に口付ける。
「そして君をあの戦いで失って…けれどまたこうして会えて…運命ってあるんだ、って…」
――バッキーは死んだものだと。70年も冷凍されて生きている筈がないと。
けれども彼はヒドラの実験体になりウィンター・ソルジャーとして彼と同じように長い時間を生きながらえていたのだった。
「君がまた眠りについて…僕はきっとまた独りで生きていかなくちゃならない、独りなんだって――」
スティーブが呟く。少しずつ、その声には嗚咽が混じり始めた。
「…死ぬのは怖くないんだ。だって軍に入って栄誉の死を迎えるのは憧れだったからね」
「スティーブ…?」
月明かりに、バッキーの目にもスティーブの瞳に涙が溜まっているのが分かったから、彼はそっと指で拭った。
「…怖いんだ、バッキー。君とまた離れてしまうのが。僕という存在が、君を知らずに過ごしてしまうなんて…」
彼はそこまで言うと逞しいバッキーの胸に顔を埋める。
薄い病衣がどんどん彼の涙で冷たくなっていくのが分かった。
「…スティーブ」
バッキーは嗚咽を漏らす彼の頭を撫でてそっと呼びかける。
「…スティーブ、スティーブ…」
細い三日月を見ながら、彼は呟く。
――遠い遠い昔、ヒドラの施設で『僕だよ!スティーブだ!!』そう言って助けられたことを彼は思い出していた。あの時も、こうして親友の名前を呼び続けたっけ。
「…お前、俺のこと見つけてくれたじゃないか。
だから今度は俺がお前を見つけてやるよ」
顔を上げたスティーブの、涙に濡れた青い瞳がバッキーを見つめる。
「…くそ野郎」
思わず漏らした言葉に、親友はウインクして答えた。
「もやし野郎。…最後まで一緒だ」
バッキーが優しくスティーブを組み敷く。
「バッキー…」
甘くスティーブの吐息が漏れる。
その先の出来事は――空に浮かぶ三日月すら知らない。
*
“人が消える”のは不思議な光景だった。
先ずは、ドクター・ストレンジが時元加速装置を使い時空の彼方に消える。
暫くして彼が戻ると、目の前にいた筈の人物がまるで空気に溶けるように消えるのだ。
最初にその【法】が適用されたのは眠り姫ことワンダで、彼女は結局一度もこの施設に来てから目を覚ますことなく新たな次元に旅立ったのだった。
きっと今度はピエトロと仲良く暮らせる世界になっているだろう。誰もがそう願っていた。
「…さて、次は誰が新しい旅路へと行く?」
見回したドクターに昨日の宴の発起人でもあるマリアが手を挙げる。
「“さよなら”って泣くのは苦手だから、先に行かせて貰うわ」
ドクターが頷き、次元加速装置を作動させる。
彼がこの世界に戻ってくるのと、マリアが透明になるのはほぼ同時だった。
『ありがと――』
振った手の白い指が空中に溶ける。
これでまた一人、この世界を救うために尽力した人物が姿を消した。
「これってさぁ、オレが消えたらピーナッツちゃんも消えちゃうってこと?」
ドクターにそっと尋ねたのはムードーメーカーのスコットで、ドクターは静かに頷いただけだった。
「だが、お前と言う“父親”が変わるだけで彼女の存在は無くならないと思う」
――慰めにもならないだろうが、思ったけれどドクターは付け加える。
運命と言う大きな波は多少のエラーはそうして修正していくものだ。だから、きっと…
「そうか。それなら心残りはないな。
ありがと、みんな。ヒーローらしくないオレともこうして付き合ってくれて」
いつも破顔する彼の優しい瞳から大粒の涙が零れ落ちる。
彼の最後は大きく手を振った彼らしい消え方だった。
ドクターは次元加速装置のコツを掴んできたのだろう。
人が消える度にその帰還するスピードはどんどん早くなってゆく。
衛星から受信するモニターからは瓦礫だらけだった街が少しずつ以前の姿を取り戻しているのが見て分かる。崩れたビルが建ち直り、それはまるで魔法のようだと誰もが思った事だろう。
うら若いスパイダーマンであるピーターパーカーは静かに呟く。
「大いなる力には、大いなる責任が伴う。…僕はその責任を負うよ」
――世が世なら、きっと彼は“隣の隣人”として愛されていただろうに。
ファルコンことサム・ウィルソンの番が来て、スティーブは彼にハグをする。隣のバッキーは片手を差し出した。
「あんたらと暮らせて楽しかったよ」
ぎゅっとバッキーの手を握り返し、サムは白い歯を見せて笑う。
「僕もだ、サム。君は素晴らしい友人だったよ。また会おう」
スティーブも握手しようとしてサムの手を掴もうとするが、虚しくもそれは空を切る。
もう随分と部屋は広くなり、残っているのはトニーらアベンジャーズの付き合いの長い奴らばかりになってしまっていたから、少しだけバッキーは大胆に行動を起こし、俯いたスティーブの頭をぐっと引き寄せた。
「スティーブ。」
耳元で囁くと、スティーブは寂しそうに笑う。
目を細める仕草はブルックリンのあの頃と変わらず、堪らなく懐かしい気持ちにバッキーをさせた。
「…知ってる、最期まで一緒、だろ?」
「どっちから行く?」
ドクターの声にスティーブが顔を上げる。
「僕が」
彼は頷くと、次元加速装置を起動させた。独特の起動音がして、ぽっかりと空いた次元の狭間に赤いマントが消える。少しの間を置いて、スティーブの向こう側が透けて見え始めた。
「バッキー、バッキー。待ってるよ。僕を見つけ――」
親友に伸ばした手は、彼に触れる前に空に溶けた。
「…スティーブ…」
下唇を強く噛んだバッキーの姿もみるみる薄くなる。どうやらドクターは2人同時に“消去”することに成功したらしい。
同じ時代を生きた2人だから、探す場所も一緒だったのだろう。
バッキーの姿が完全に消えると、次元の歪みからまたドクターが現れた。
部屋に置かれたモニターにはかつての“町”が完全に蘇っていた。
残されたのはトニー・スタークとかつてシールドを束ねていたニック・フューリーに、この国を統治していたティ・チャラの3人となる。
誰もが最後にこの世界から消えたいと願ったが、均衡を破ったのはティ・チャラだった。
「私はアベンジャーズではまだ新参だ。此処は古くからの創立者である貴方たちに譲ろう」
彼は語り、ドクターへ強い瞳で頷く。
ストレンジも頷き返すとまた次元の隙間へと身を隠した。
程なくして、ティ・チャラの身体の色がそっと抜けてゆく。不思議そうに自身の手を透かして、彼は少しだけ微笑んでこの世界から溶けてしまった。
残されたのは、トニーとフューリー。
「長官。アンタには煮え湯を飲まされたよ。もう二度とアンタの下で働くのは御免だね」
彼は相変わらずの減らず口を叩く。
それを聞いて、フューリーは豪快に笑った。
彼はひとしきり笑うと、真面目な顔を作って頭を垂れた。
「…こんな結果を招いてしまったことは私の不徳のいたすところだ。
責められて恨まれたって良いと思っていた。だが、誰も私を責めない…それが辛かった。
ドクター・ストレンジ。特に貴方には深い業を背負って貰う事になる。どうせ居なくなる人間だ。怨むなら、この私を怨め」
彼はトニーとドクターの顔を交互に見遣る。
「次は、貴方か」
度重なる“作業”に彼も人の心に影を落とし始めたのだろうか。今朝現れた時とは別人のような冷たい響きを含んでいた。
――全てを諦め、傍観者としてしか生きる事の許されない罰。
「あぁ、よろしく頼む」
「最後は君だな」
ドクターはトニーを見つめる。
「あぁ。私は父の代から消去してくれ。父と母が出会うのもダメだ。父そのものから、私の存在を消してくれ」
彼は片手を振る。その声は鉛のように重かった。
「…承知した」
短くドクターは返すと異次元へと消える。
フューリーの輪郭がうっすらとなり、彼は瞳を閉じる。次の生では両眼が開いた人物になれるだろうか――深呼吸をすると、その姿は虚空へと消えていった。
トニーはそれを見届けると、自身の胸の青い輝きへと視線をずらした。
それは、この壮大な叙事詩の始まりだったのかもしれない。あの時アフガニスタンに行かなければ、地雷を踏まなければ、スーツの開発をしなければ――
思考の渦に呑まれた時、彼の姿はこの世界から消え失せていた。
広い部屋に残されたのは世界を映し出すモニターと、そして次元加速装置だけ。
乱雑に置かれたダンボールはシールドから持ち出したヒドラやその他の組織についてのパーソナルデータで、これからドクター・ストレンジが1つ1つ片付けてゆく人の命の手配書だった。
次元加速装置の音を響かせて、ドクターがこの世界に戻ってくる。
その黒い瞳には冷たい色しか浮かんでいなかった。
つけっぱなしのTVモニターからは各国の言葉でキャスターが興奮した言葉を全世界に伝えていた。
『戻ってきました!私たちの町が!』
『見て下さい、あの塔を!シンボルが返ってきました!!』
『私たちの町!町が戻ってきたのよ』
興奮した人類の声に彼は嫌気が差し、モニターのコードを力任せに引き抜いた。
途端に戻ってくる沈黙。いや、人が居ないのだからそれは“静寂”だ。
――こうして、新しい世界が始まろうとしていた……
*FIN*
こうして新しい世界で新しいMCUが始まるのかなァ…みたいな。
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