Serena*Mのあたまのなかみ。
ポッキー/プリッツの日詰め合わせ
好きなCPでポッキー(棒状のチョコレート菓子)いろいろ!
ポッキー/プリッツなんてない時間軸の人たちにはご都合主義でポッキー/プリッツ風が出てきちゃった感じでヨロシクね!
【PotC/ヘクター×ジャック】
【DCEU/クラーク×ブルース】
【MCU/バッキー×スティーブ】
【SW/アナキン×オビワン】
【HP/ジェームズ×セブルス】
【HP/シリウス×リーマス】
【おそ松さん/カラ松×トド松】
【ピンポン/スマイル×ペコ】
【ワンピース/シャンクス×バギー】
怒涛の9本立て。
好きなCPでポッキー(棒状のチョコレート菓子)いろいろ!
ポッキー/プリッツなんてない時間軸の人たちにはご都合主義でポッキー/プリッツ風が出てきちゃった感じでヨロシクね!
【PotC/ヘクター×ジャック】
【DCEU/クラーク×ブルース】
【MCU/バッキー×スティーブ】
【SW/アナキン×オビワン】
【HP/ジェームズ×セブルス】
【HP/シリウス×リーマス】
【おそ松さん/カラ松×トド松】
【ピンポン/スマイル×ペコ】
【ワンピース/シャンクス×バギー】
怒涛の9本立て。
【PotC/ヘクター×ジャック】
その日は運が悪かったのか、ジャックとヘクターの懇意の女たちは彼らが館に着いた時、ちょうど港町に出かけた後だった。
勿論、短い休息で直ぐに戻ってくるからと女将には言われ、また港町に戻るのも面倒だったから二人はそのまま館の2階の広間で待つことにしたのだった。
金払いの良い客を女将が逃す筈がない。
ラムの入った紅茶と、茶請けの焼き菓子を出されてヘクターとジャックはぽつんと広間に残されてしまった。
豪華な刺繍の入った大きなソファと煌びやかに装飾の施されたテーブル、キラキラと輝くシャンデリア。
きっと女たちなら喜ぶような代物なのだろうが、海の男である彼らにとってはちょっと腰掛け程度ならまだしも、此処で待つのは気疲れてしまった。
すっかりぬるくなった紅茶を一口啜って、茶請けに出された焼き菓子をヘクターは手に取る。
細いスティック状の其れはどうやら薄く焼かれたクッキーのようで、一口齧るとほんのりと塩気があり、後を引く味だった。
「なんだ、それ」
隣でぼんやりと虚空を見つめていたジャックが座り直してヘクターに身を寄せる。
「…クッキー…のようなもの?」
彼は少しだけ短くなった其れをジャックの口へと放り込む。
ジャックは素直に口を動かすと「うん、美味い」呟いてもう一本を強請った。
薄い上質な硝子のグラスに生けるように置かれたクッキーに手を伸ばす。
よく見るとクッキーには大粒の岩塩が振りかけられてあり、これがどうやら塩気の原因らしかった。生地はお馴染みのクッキーで甘いから、余計にその塩気が引き立つのだろう。
「ほら」
口を開けて待っているジャックに、ヘクターは細いクッキーを突っ込む。
すぐさま食べるのかと思ったら、ニヤニヤと彼は其れを咥えたままヘクターに迫った。
「…なんのつもりだ?」
珍しくジャックから押し倒されて、ヘクターの肩眉が上がる。
「いっひょにたべれば、もっとおいふぃとおもって」
ジャックはクッキーを咥えたままゆっくりと続ける。
彼の意図を察したヘクターはやれやれと小さく溜息を吐いて、彼の誘いに乗ってゆらゆらとするクッキーの端を前歯で抑えた。
「まんふぉふか?」
尋ねると
「そのままたべて」
ジャックは答える。
ヘクターは頷くと繊細な其れを折らないよう、落とさないようにと少しずつ食べ始めた。
それはジャックも同じだったようでゆっくりと齧る音が聞こえる。
普段ならそのままぐいっと頭を引き寄せてしまうような距離だったが、今は生憎真ん中のクッキーに夢中でソレどころではない。
もうすぐ二人の唇が触れ合ってしまう…!そんなギリギリの距離になった刹那、勢いよく広間の扉が開いた。
「待たせたね、二人とも帰ってきた……」
ソファの上でまるで睦んでいるような二人に、女将が言葉を呑む。
けれど其処は海千山千の女将であり、直ぐに違う言葉を続けたのだった。
「…女たちじゃなくて、別の部屋を用意するかい?」
彼女の言葉に慌てて身を起こしたジャックが大きく首を振る。
それは寝転がったままのヘクターも同じだった。
「…そうかい。
階下で待ってるよ」
女将はそう告げて扉を閉める。
残されたヘクターとジャックはお互いの顔を見つめ、そして同時に吹き出した。
「…そりゃ、男同士でやるもんじゃないよな」
「とんだとばっちりだぞ、俺は」
服に落ちた食べかすを払って、途中で投げ出した口付けを短く交わす。
今食べたばかりのクッキーの味が後を引いて、唇を離してすぐに今度はジャックから唇を合わせた。
「…する相手を間違えてるぞ」
ヘクターがニヤリと笑ったので、
「クッキーゲームの相手はお前だけだよ、ヘクター」
ジャックも返してニヤリと笑った。
『それじゃぁ、また、船で』
二人は目配せすると広間の扉を開ける。
今、女たちの間でこのクッキーを使った接吻が流行っているのを聞かされるのはまだ少し先の話。
【DCEU/クラーク×ブルース】
それは“日本のお土産”だと言って取材を兼ねた社員が配っていたものなのだとクラークは教えてくれた。ついでに、「君が甘い物を食べるのって想像できなくて」とも添えて。
「【PRETZ】…?」
黄色い箱に書かれた文字をブルースはゆっくりと読み上げる。
場所は、ブルースの寝室。
真夜中の見回りから帰ってきた所へ、狙ったようにクラークが飛んできたのだった。
「それで、このPRETZをどうしろと?」
黒いカウルと同じの、眉間に深い皺を刻み込ませてブルースはクラークを見遣る。
真っ白なバスローブを着た彼はまさしく大富豪ブルース・ウェインで、先刻までバットマンとしてこの街を疾走していたとは想像もつかない姿だった。
「面白い遊びも一緒に教えて貰ったからさ、君と試そうと思って」
ベットサイドの簡素な一人掛けのソファに座ったクラークは、ベッドに腰掛けたブルースからPRETZの箱を受け取る。
「GAME?」
彼は説明する。
「“PRETZ GAME”って言うらしんだけど。
こっちと、こっちでお互いに食べ始めて、口を先に離した方が負けなんだって」
クラークは黄色い箱を開けて中のPRETZ(細いプレッツェルに甘い味の付いた焼き菓子)を取り出す。
両側から食べるジェスチャーをすると、ブルースは質問した。
「お互い離さなかったらどうなるんだ?」
「ん、まぁ、結局キスするだけだよね」
事も無げにクラークは続ける。
キスもセックスも、今更恥らうような仲ではなかったから其れだけ聞くとつまらないように思えてしまう。が、それでもやっぱり恋人だからたまにはドキドキした遊びがしたかった。
「…寄越せ」
ブルースはPRETZを所望する。
「はい」
クラークが一本差し出すと、彼は教えられた通りにプレッツェルの先を咥えて、じっとクラークを見つめた。
ゲームの開始を感じたから、クラークが立ち上がってブルースの前に跪く。
「… … …」
肌蹴たバスローブから、ほんの少しだけ恋人の胸の飾りが見えてしまって、彼の鼓動が急に早くなってしまった。
いつまで経ってもゲームを始めないクラークに、ブルースはとうとう痺れを切らしてPRETZをその胃へと砕いて流し込む。
「…そんなに悪い味でもないな」
彼は考え込むように顎に手を遣って呟く。――箱に書いてある文字は【シュガーバター味】。ほんのりした甘さは、子供の頃に食べた手作りのクッキーを髣髴とさせた。それから「しないのか?」そう、微動だにしないクラークに語りかける。
「う~~ん…それより…」
悩ましげな恋人の姿に、クラークが思わず目を覆った。
「…どうした?」
「コレって、“スエゼン”ってやつ?」
クラークはぽつぽつと続ける。
目の前にはシャワーを浴びたばかりの恋人の姿。
未だ髪の毛は乾ききらずに水滴を滴らせ、バスローブ故にこれ以外には何も纏ってないのだろう。
――力に頼らなくとも、それくらいは分かる。
「据え膳?」
バスローブに落ちたPRETZの欠片を振り払いながらブルースは聞き返す。
「It's a poor sort of man who runs away when a woman offers herself to him.(据え膳食わぬは男の恥)って、日本の諺」
「…なんだ、今日の私はお前のPRETZって事か」
察しの良いクラークの恋人は日本の諺にも堪能なようで、彼の言葉に不敵に笑った。
「しっかり僕に味あわせてよ…」
バスローブの合わせを捲り上げて隠された秘部を露わにすると、するりとブルースが腰の紐を解く。見せ付けるように脚を広げたから、小さくクラークは口笛を吹いた。
「積極的じゃない?」
「…恋人に恥をかかせる訳にはいかないからな」
含みのある言い方に、クラークは己の中心に力を集まることを感じながら、ブルースをキングサイズのベッドへと沈めた。
2人のPRETZ GAMEは始まったばかり――
【MCU/バッキー×スティーブ】
「ぽっきー?」
午前中、隣町の大きなスーパーに買出しに行っていたサムとスティーブの買い物袋をごそごそと漁っていたバッキーが赤い箱の見慣れないお菓子を取り出す。
「前にトニーが『美味しいぞ』って勧めてくれたんだ」
後ろのキッチンでランチの支度をしていたスティーブがそう言って振り向く。
「トニー…」
あまり彼に良い思い出のなかったバッキーは眉を寄せるとその箱を戻そうとしたが、サムが
「日本の菓子らしいから美味いぞ」
言ったのでその手を止めた。
ソファの前のローテーブルに置いてじっと睨みつけるだけのバッキーだったが、暫くしてサムとスティーブがコーヒー片手にリビングへと戻ってくる。
今日のランチはバッキーも好きなサラミとピーマンを載せたカラフルなピザで、オーブンから美味しそうな匂いが漂っていた。
彼の前にミルクも追加した優しいコーヒーを置くとサムは「まだ空けてなかったのか」とバリバリとその外装を壊す。
中から現れたのは細くて繊細なプレッツェルにチョコレートがコーティングされたもので、パッケージの写真そのままのお菓子だ。バッキーは甘いものに弱かったから【日本の美味しいお菓子】だと言うソレに一瞬で心を奪われた。
「ほら」
サムから渡されてチョコの掛かっていないプレッツェルの部分を掴む。
手が汚れないように計算されたその菓子は「日本」らしい一品だなとバッキーは思い、恐る恐るそれを口に含んだ。
カリカリとしたプレッツェルは甘いチョコレートが相性よく、そしてまた1つ食べたいと思わせる美味さがあった。
「美味しいだろ?」
彼が無言で食べ進めたのが嬉しくなったのか、隣に座るスティーブが顔を覗きこむ。
バッキーはこくんと頷くとスティーブも嬉しそうに目を細めた。
「これって、もっとエキセントリックは食べ方があるんだ」
彼は言うとポッキーの持ち手部分を咥えて、
「ほら、バッキーも」
と顎を上げてバッキーの口元にポッキーを寄せる。
首を傾げたバッキーに隣のサムが背中を押した。
「ポッキーゲームと言うそうだ。お互いポッキーを食べあうんだと」
「……」
遠慮がちに反対側のポッキーを口に含んだバッキーを見て、スティーブがカリカリとポッキーを食べ始める。
彼の行動に驚いたバッキーに、更にサムは揶揄った。
「別に今更オレの前でのキスなんて気にすることじゃないだろ?」
腹を決めてバッキーもポッキーを食べ始めたから、ひゅぅっとサムは口笛を吹く。
二人がいちゃいちゃするのはいつもの事。
今日はそれにお菓子が加わっただけの話なのだ。
ポッキーからの濃厚なキスにサムはやれやれと肩を大げさに竦めて、焼きあがりそうなピザを見にキッチンへ消えていった。
【SW/アナキン×オビワン】
ジェダイ・テンプル近くのマーケットで買い物をしていたオビ=ワンは珍しくアナキンがお菓子の箱を持ってやって来た事に驚いていた。
普段なら0の数が1つ間違っているような聞いたことにない金属のプレート素材や、小さすぎるネジと言った機械類ばかり持ってくるパダワンだ。勿論、ジェダイの教えの1つとして『買わない』と断れる選択もあったオビ=ワンだったけれど、珍しく年相応の少年のような行動のアナキンについ「今回だけだよ」とそのお菓子を買い与えてしまったのだった。
居住区の居間に帰って、買い物の片付けをしていたオビ=ワンは自室で妙な機械の修繕を行っていたアナキンの部屋のドアを軽くノックした。
拡大機能の付いた透明ゴーグルを掛けたアナキンが顔を上げる。
「少しお茶にしようか、アナキン。
たまにはマスターの言う事を聞くものだぞ?」
買ったばかりのお菓子の箱を見せたら跳ねるようにアナキンが飛びついてきたので、オビ=ワンは目を細めてまだ小さなパダワンの頭を撫でてやった。
最近はなかなかゆっくりとアナキンと過ごす時間が取れなかったので、彼もこの時間を楽しもうとしていた。
自分には良い香りのする紅茶を、アナキンにはビタミンが添加されたアップルジュースを置いて、アナキンが早速買って来た緑色のお菓子の箱を開ける。
銀色の湿気防止なのだろう中袋を開けると、細いプレッツェルが顔を出した。
「テンプルで流行っているのか?」
アナキンから差し出された其れを一本手に取ってオビ=ワンが尋ねる。
あまりこう言った嗜好品に頓着しないオビ=ワンだったからコルサントで流行っているお菓子や、今ブームになっているレストランとかには全く明るくなかった。それに、彼自身もあまり甘いものは得意ではなかったから甘い物=果物と言っても過言ではなかったのだ。
見た目からは甘さを感じさせないお菓子だったので、自分の事に気を遣ったのだろうかとオビ=ワンは思う。食べ物については好き嫌いもなく素直な感性のアナキンだったが、そこはやはり年相応の少年と云った風で甘い物には少しだけ顔を綻ばせるのだ。
「うーん」
アナキンはお菓子を食べながら首を傾げる。
勝手に触ったデータパッドのゴシップニュースサイトでこのお菓子を使った簡単なゲームを見たから欲しくなっただなんて、絶対悟られてはいけない事だ。けれど、まだ上手にフォースを操れない彼の不穏なフォースは、マスターにはバレバレのようだった。
「…なんだ、また勝手にデータパッドを見たのか」
小さく溜息を吐いてお菓子を食べ始めたオビ=ワンにアナキンは素直に謝る。
「本当にお前は機械に強いな」
苦笑して顔を上げたマスターに、もう一度ごめんなさいとアナキンは謝った。
オビ=ワンとて何のセキュリティも掛けずにデータパッドを置いておくわけではない。簡単な暗証コードの設定はしているが、いつもアナキンに解かれてしまうのだった。
勿論、データベースにアクセスするにはジェダイの個人コードや別のセキュリティアクセスが必要だったから機密事項が小さなパダワンに漏れる事はない。アナキンがデータパッドを開いたって見られるのはニュースサイトやスケジュール帳くらいが関の山だった。
「…じゃぁ、このお菓子はそこで?」
1つ、また1つと黙々とお菓子を食べるアナキンに、ゆっくりとまだ一本目を食べているオビ=ワンは尋ねる。
「甘くないから、オビ…マスターも食べれるかなって」
もぐもぐと口を動かしながらアナキンは答える。
彼のフォースの全てはマスターに読み解かれなかったようで、アナキンは少しだけ嘘を吐いた。
「…そうか、ありがとう」
オビ=ワンは一本を食べ終えて、ゆっくりと紅茶を啜る。
アナキンも真似してジュースをごくごくと飲んだ。
「…あまり食べ過ぎると晩ご飯が食べられなくなるから、半分で止めるんだぞ」
薄いトマトの味がするプレッツェルを振ってオビ=ワンが言うので、アナキンは食べかけの銀の袋を箱の中に仕舞った。
「もういいのか?」
「うん、また明日もマスターと一緒に食べたいから」
アナキンは言って、お菓子の箱をマスターに押しやる。
珍しく良い子のアナキンをオビ=ワンは少し不審に思ったけれど、『明日もまた一緒に食べたい』と言うパダワンの健気な願いに嬉しさを覚えた。
「明日も早く帰れるように都合してみるよ」
オビ=ワンの言葉にアナキンが笑顔で頷く。
明日は宇宙標準日時で11月11日。ゴシップニュースでゲームをする日だと記されていた日だ。
アナキンの思惑に、まだオビ=ワンは気付いていないようだった。
まさに計画通りだと上機嫌のフォースを、パダワンが喜んでいるのだと勘違いしているのも今のうち――
【HP/ジェームズ×セブルス】
「それ、何のお菓子?」
ホグズミード帰りのリーマスを捕まえて、口に咥えた細い“何か”を指差してジェームズが尋ねる。
今日は土曜日で殆どの生徒がホグズミードに出かけた日だったが、先日課題が厳しくて有名な魔法生物飼育学のレポートをド忘れしてしまった為に、彼は追加レポートの提出と魔法生物の飼育室の掃除を言いつけられていたのだった。
「ハニーデュークスで今週出たお菓子みたい。プレッツェルにチョコレートがかかってて美味しいよ」
甘いものに目がない彼は週末のハニーデュークスでの買い物を楽しみの一つとしている。
「食べる?」
ローブの中から小袋を取り出すと彼は其れを一本取り出してジェームズの手に握らせる。
傍らのシリウスも無言で口を開けたのでリーマスは少しだけ笑うと彼の口にも其れを運んでやった。
リーマスからのお菓子をジェームスはゆっくりと口に含む。
確かに彼の言うとおり甘いチョコレートとプレッツェルの相性は抜群で、しかも手が汚れないように根本部分はプレッツェルのみになっていたから手も汚れないし、女の子たちにも人気が出そうなお菓子だった。
「どうもね、マグルのお菓子を参考に作られたみたいで“ポッキー”って言うんだって」
「ポッキー…」
食べかけの“ポッキー”を見つめてジェームズ。
「ねぇ、少し分けてもらってもいい?
レポートに疲れちゃったから、甘いものが欲しいんだ」
彼はリーマスにお願いすると、優しいリーマスは残った小袋ごとジェームズにポッキーを手渡した。
「いいよ、ジェームズ。勉強お疲れさま」
「お前はジェームズに甘過ぎじゃないか?」
頭上から響くシリウスの抗議も、リーマスには届かないようだった。
「だって休みの日なのに課題で出かけられないんだよ。
可哀相でしょ。本当はみんなで行きたかったのに…」
本当に悲しそうにリーマスが俯いたから、慌ててシリウスが彼の機嫌を取ろうとする。
「来週は3人でバタービールで乾杯しよう、な?」
ジェームズに思い切り睨みを利かせて言うものだから、ジェームズも素直に頷くしかなかった。
「そうだよ、ごめんねリーマス。来週は居残らないようにちゃんと勉強するからさ!」
二人からの言葉に、リーマスがぱっと笑顔を作る。
彼の笑顔にシリウスとジェームズはほっと安堵し、
「これから図書館で最後の仕上げをしてくるから、また夜に!」
そう言ってひらひらと手を振った。
図書室で仕上げをするのは嘘じゃない。
けど、実はもう最後の仕上げなんてとっくに終わっていて、ただ逢いたい人がいるからジェームズは図書室に向かうのだった。
*
「セブルス、み~~っけ!」
開架の書庫の一番端の薄ら寒いテーブルで、めいっぱいに辞典や歴史書を広げて何かを熱心に調べているセブルスにジェームズは向かい側から声を掛けた。
「…貴様とかくれんぼならしていない筈だが?」
透き通るように青白いその顔を更に青白くさせながら射るような視線を彼に向けてセブルスは言い放つ。
「いいの、僕が勝手に君を探してるだけだから」
彼の冷徹な視線に負けずにジェームズはにっこりと笑う。
そして「ねぇ、見てこれ」とさっきリーマスから貰ったポッキーを取り出した。
「図書館は飲食禁止だ」
其れが食べ物なのがセブルスにも分かったから、彼はそう呟く。
「いいじゃん、こんな端っこに誰も来ないだろうし。
これね、ハニーデュークスの新作のお菓子なんだって」
セブルスの隣に座って、ジェームズはポッキーを彼の口元へ差し出す。
少しの間無言で見つめていたセブルスだったが、羽ペンを置くのも面倒だったのでそのまま其れに齧りついた。
ぽきっと半分に折れてしまった残りを自分の口へ運んでからジェームズは尋ねる。
「どう?美味しい?」
「…悪くない」
セブルスは相変わらずのしかめっ面で羽ペンを走らせている。
「これね、マグルのお菓子なんだって」
彼はセブルスの残した半分を食べながら続ける。
「ねぇ、セブルス」
ジェームズは背中を隣のセブルスに預け、小動物のようにカリカリとポッキーと齧りながら呟く。
対するセブルスは迷惑そうに顔を顰めながらも決してその顔を上げず、ずっと分厚い辞典とにらめっこだ。
「キスして」
ジェームズが半分になったポッキーを咥えてセブルスに振り向く。
「…は?」
セブルスの視線が鋭く動き、顔が一層不機嫌な色に染まる。
「勉強には甘いものが必要でしょ?」
全く悪びれもせず飲食すると思ったら今度は愛を囁き始めたジェームズに、セブルスは溜息を押し殺してその要望を無視することに決めた。
「貴様一人で食べていろ。
我輩に甘いものは必要ない」
「セブルスが良くっても~僕がセブルス不足なんですぅ~~」
咥えたポッキーを揺らしながらジェームズは口を尖らせる。
押しても引いても、彼の顰めっ面の恋人のガードはいつも固かった。
「…さっさとレポートを提出したらどうだ。日没までが期限なのだろう?」
ノートを捲りながら言ったセブルスに、ジェームズが窓の外を見遣る。
もうすっかりオレンジ色に染まった空は、一刻一刻と日没までのカウントを刻んでいるようだった。
「あぁぁぁぁぁぁそうだった!!また来週も居残りになっちゃう!」
ジェームズは慌てて立ち上がる。
机の上に“ポッキー”がそのままだったのでセブルスは急ぐ彼を引き止めた。
「忘れ物だぞ、ポッター」
言って、そのポッキーの1本にちゅっと音を立てて口付ける。
「!!!!!!!!」
――ねぇ、それって今夜のお誘い?
驚きに目を瞬かせたジェームズに、セブルスは冷徹な微笑を向けた。
「これで満足だろう?」
続けて、残りのポッキーをまとめてその手に握らせる。
もう、絶対、絶対誰にも食べさせるもんか!
セブルスがキスしたポッキーは僕だけのもの!!
満面の笑みを浮かべたジェームズに、セブルスはさっさと行けとばかりに顎を遣った。
「今夜君の部屋まで行くよ!」
そう言って疾風のように駆けだした彼に、セブルスはやっと静かに勉強できるなと別の辞典を引き始める。
ジェームズに甘いエサを与えてしまったのは、きっと自分も少し疲れていたんだな…と隠した1本のポッキーをそっと口に含んだ。
――そう、ジェームズが嬉しそうに持って行ったのはただのなんの変哲もないポッキー。
彼が口付けたポッキーは彼の手の中にあった。
子供だましな手品のトリックに引っかかった恋人に今夜はどう種明かししようかと、セブルスはノートの下に隠した『はじめての手品 』のページをそっと捲った。
【HP/シリウス×リーマス】
今日のホグズミード行きは、レポート課題のあるジェームズを残して行くことになって「デートみたいだね」なんてリーマスが言ったものだからずっと変にシリウスの心臓は高鳴りっぱなしだった。
陽の光に反射する綺麗なダークブロンド、寒いから赤くなってしまった鼻と、擦り合わせた掌の先の赤い部分。
ぐるぐる巻きにしたマフラーは1年の頃からの愛用品でもうすっかりくたびれてしまったけれど、彼にとっては宝物らしく決して処分しようとしなかった一品だった。
「さっきからおかしいよ、シリウス」
ティータイムも終えた最後、居残りのジェームズにお土産でも買おうかとハニーデュークスの店へと寄った二人で、なんだか1日ぼーっとしてる事が多かったシリウスにとうとうリーマスは尋ねたのだ。
「…ん?いつもと変わらないが…?」
そうおどけて返したつもりだったが、やっぱり最初の声が裏返ってしまってたからリーマスは更に首を傾げたのだった。
「何か僕、悪い事しちゃった…?」
小さな買い物カゴいっぱいに詰め込んだお菓子を見て、それだけで胸焼けしそうだとシリウスは思う。
彼の恋人は甘い物に目がなく、此処に来るとこうして大量の甘い物を買うのがお決まりになっていた。
「い、いや…リーマスは何も…」
シリウスは言って、話題を逸らせる為に『新発売』と書いてある棚のお菓子を1つ持ってくる。
「これ、新発売らしいけど?」
「わぁ、初めて見た!」
嬉しそうにリーマスはそれを受け取って満杯の買い物カゴへと放り込む。
“買い物はカゴ1つまで”と決めていたから、彼は「買ってくるね」と傍らの恋人へ満面の笑顔を向けた。
「出口で待ってる」
シリウスは頷き、ぬくぬくと暖房の効いた店内を後にする。
外はまだ雪の季節には早かったけれど、雪が降るのは時間の問題なような、そんな寒さだった。
――来週からは手袋かな。
来た時の恋人を真似るように、両手を合わせて息を吹きかけるとぽっと其処だけが温かくなる。
何度かすり合わせている内に「お待たせ!」と恋人弾んだ声に現実に引き戻された。
「さっき買ったの、早速食べてみよう?」
ぱんぱんに詰め込まれた紙袋からリーマスが新商品のお菓子を取り出そうとする。
いつも荷物を持つのは“彼氏”のシリウスだったから、取っ手を広げて見やすく持ってやった。
「ありがとう、シリウス」
彼の優しさにリーマスは笑顔を綻ばせる。
そして
「あ、これこれ!」
そう言って見慣れない赤いパッケージを取り出した。
箱に書いてあるのは細いプレッツェルにコーティングされたチョコレートの絵で、覗く度にチョコレートが垂れるように見える、綺麗なデザインのものだった。
「これね、マグルのお菓子を参考に作ったんだって」
彼は“POCKY”と書かれた箱をシリウスに見せる。
普段は朗らかで優しい口調の彼が、好きな物を目の前にすると少しだけ饒舌になって、それがとても可愛らしいとシリウスは思っていた。
「はい、どうぞ」
差し出された細いそのお菓子をそのまま口で齧りつく。
満遍なくチョコでコーティングされてると思っていたが、持ち手部分だけは素地のプレッツェルそのままで、こうして携帯して食べるのには便利な作りになっていた。
「うん、うまい」
純血の家に生まれ、あまりマグルに対してポジティブな感情を持ち合わせていないシリウスだったがこの学校に入学して親友を得てからは随分とマグルに対する感情も軟化してきた。今だってこんな風にマグルのお菓子だと言われても全然嫌な気分にはならないし、こんな風に美味い物を作るのは凄いなとも思っていた。
「それでね、その…ちょっと付き合って欲しい事があるんだけど…」
リーマスが珍しくもじもじとつま先を合わせる。
村の外れにある、人通りの少ない裏道に着いたとき、やっとリーマスは続きの言葉を吐いた。
「『ポッキーゲーム』って教えて貰ったんだ…」
ずっと帰り道で二人で食べていたポッキーをリーマスは端っこだけ口に咥える。
上目遣いに差し出すと、それはまるでキスの直前のような距離感だった。
「…?!?!?!」
珍しく恋人からの積極的なお誘いにシリウスは息を呑む。
「…えっと、これは…その…」
思わず頭を掻いた彼に、リーマスはとび色の瞳をぐっと強く向けて咥えたポッキーを離す。
「先に口を離した方が負けなんだって。
…シリウスは、そんな事しないよね?」
言って、もう一度ゲームの主役のお菓子に口付けた。
――これでキスしたら、本当にただの休日デートになって…
思ったシリウスだったが、そこでふと諒解する。
あぁ、どうしてこんなに緊張していたのだろう。休日デートなんじゃないか。
そう気付くと、今日一日嬉しそうにホグズミードの村の散策をしたリーマスがいつもより上機嫌だったのも合点がいく。
妙に神経質になって気にしてたのは自分自身だったのだ。
「…あぁ、分かったよ…」
シリウスは言ってリーマスの細い腰を引き寄せる。
顔を斜めにして何度か大きくパクつくと、すぐにリーマスの唇へと辿り着いた。
柔らかい唇を甘噛みして、ポッキーの甘い味も、リーマスのも存分に楽しむ。
ゆっくりと唇を離すととろんとした瞳のリーマスが彼を迎えた。
「…機嫌、直った…?」
「ん、今日一日、変に意識しちまって。ごめんな」
それは素直な気持ちだったから、その想いを恋人へ伝える。
「ううん」
リーマスは首を振ると嬉しそうに抱きついた。
学校では見せる事のない、素直なリーマスの姿は人気の無い此処でしか見られない。
「良かった。シリウスが僕と居てつまんないのかなって思って…不安になっちゃって…」
彼は恋人の胸に頭を預ける。
そんなリーマスの髪を、そっとシリウスは梳いてやった。
「リーマスは悪くないよ。俺がいけなかったんだ。
…あ、でも」
「でも?」
「こんな風にリーマスが積極的になってくれるんなら、それも悪くないかな?」
「もうっ」
ぷくと頬を膨らませて抗議したリーマスを、シリウスはぎゅっと抱きしめる。
「ごめんな、リーマス。来週しっかり穴埋めさせてくれ」
「…うん。楽しみにしてる。来週はジェームズと3人で来ようね」
腕の中から見上げた恋人に最大級の『可愛い』を感じて、シリウスはしっかりと頷いた。
「さて、居残りのアイツにもポッキー分けてやるか~」
「ふふ、そうだね」
歩き出した大股のシリウスに、小走りでリーマスが付いてゆく。
相変わらず外の風は冷たかったが、繋いだ掌は温かかった。
【おそ松さん/カラ松×トド松】
『エビバデ☆ポッキー!』
寂れたラブホテルの一室で、ぼんやりとテレビのザッピングをしていたらもうすぐ迎えるであろう11月11日のお菓子のCMが目に止まった。
「ねぇ」
彼は隣の兄を揺り起こす。
「ん…?どうしたマイブラザー…」
派手に装飾されたアイマスクを上げて彼は寝起きのぼんやりとした視線を弟に合わせる。
「もうすぐ11月11日なんだって」
別にトド松はポッキーが好きなワケでもなかったし、かと言ってプリッツを好んでいるワケでもなかった。
でも、急に其れを使って兄を釣りたいと思ってしまったのだ。
「…11月11日…?」
彼はまだ半分夢の中なのだろう、弟の言葉の意味をまだ理解していなかった。
「ばか兄さん」
ぷくっと頬を膨らませると、そのまま兄の腕の中へと身体を潜らせる。
既に寝ていたカラ松の体温は高く、薄い上掛けもほんのりと温かかった。
「分かってるよ、トド松。
今度は11日ポッキー買おうな」
彼は弟を抱きしめてそっと伝える。
――分かってんじゃん。
思ったトド松はまた小さく呟いた。
「ばか。僕が好きなのはプリッツだよ」
【ピンポン/スマイル×ペコ】
その日はちょうど部活の日で、珍しくコーチが県大会に出場するとある運動部の手伝いとして出張してしまっていたから、3年が取り仕切るのんびりとした時間だった。
生憎新人戦では1年の調子が悪く、良くて3回戦進出、そして敗退で誰一人として県大会に駒を進めた部員は居なかった。
3年になったペコとスマイルだったが、ペコは相変わらずの卓球漬け、スマイルは彼に付き合って後輩に指導する立場だった(彼はすっぱりと卓球を辞めてしまったのだ!)。
すっかり日も暮れた夕方、やっと今日の部活を終えてキィキィ鳴る自転車を押しながらの帰り道、スマイルがふと足を止める。
「…そういえば」
「何スか、旦那」
隣のペコがお気に入りの『いちごつみチョコ』の棒を咥えたまま振り向く。
「今日ってポッキーの日じゃなかった?」
スマイルは続ける。
「…コンビニ、寄ってこうか」
「ん~オイラ、コレもあるし」
スマイルの提案にペコは首を振って残りの『いちごつみチョコ』を見せる。
3つで1パックになっているそれは、学校を出て1つ食べて、そして今2つ目を食べ終えたところだった。
ペコは器用に棒にくっついたチョコレートを齧り取る。
少しだけ歪になったいちごチョコを咥えて、彼は瞳を閉じた。
「???」
スマイルが首を傾げる。
「これは、一体…」
ペコが目を開けて「ふぁっふぁとふぃす!!」柔らかい唇にチョコレートを溶かせながら囁く。
それはどう考えてもキスのおねだりだったから、軽くいちごチョコ伝いに唇を合わせた。
口の中に甘いいちご味が広がって、3つ目の半分のいちごチョコは彼の胃に納まる。
口の周りに付いたチョコレートを、ペロリと舐め取ってペコは満足げに笑った。
「結局スマイルがポッキーを買うのってキスの口実だろ?
んなもん、なくたっていつだってオイラはキスしてやんよ」
その言葉に、どきりとスマイルの胸が高鳴る。
――あぁ、もう。
彼の心の内は幼馴染で恋人のペコには全てお見通しだった。
「…うん、そう。僕はいつだってペコとキスしたいよ」
素直に口にしたその欲望に、ペコは「おうよ!」と胸を叩く。
「オイラもスマイルん事好きだかんね」
彼はニィッと笑顔を作る。
「でも、ポッキー食べたくなったから買ってけろ♪」
「…喜んで」
スマイルは瞳を伏せて呟くと、またキィキィ鳴る自転車を押し始めた。
坂道を登れば、行きつけのコンビニ。
基本の赤いポッキーと、期間限定のかぼちゃ味のポッキーでも買って今夜は何度、君とキスしようか。
【ワンピース/シャンクス×バギー】
とある島に寄港した夜のこと、船底の倉庫の掃除をしてたシャンクスは戸棚の奥から珍しい焼き菓子があるのを見つけたので、ちょっと其れをくすねて洗ったばかりの布の切れ端にそっと包んだ。
少しだけ繊細な焼き菓子を一緒に食べる相手はただ一人、反対側の倉庫整理をしているバギーだ。
「よ、バギー。掃除は進んでるか」
いつもの挨拶と云った風にホウキで掃き掃除をするバギーの臀部を鷲掴みにすると、飛び上がって振り向いた彼に耳元で怒鳴られる。
「ハデに何してくれンだ!」
――シャンクスのセクハラまがいはいつもの事。
けれど、突然に触られてしまうのには今でも慣れなかったし抵抗してしまった。きっと、その反応をシャンクスは楽しんでいるのだろうけど。
想像通りの初々しいバギーの反応に、「悪ィ悪ィ」シャンクスはひとしきり笑うと目の端の涙を拭った。
「さっきコレ見つけてさ。一緒に食おうと思って」
彼は片手に持ったその細長い形状の包みを見せる。
「なんだ、ソレ?」
ホウキを動かす手を止めたので、バギーは其れに興味を示したようだった。
赤い丸鼻を近づけて匂いを嗅ぐと、ちょっとだけ甘い匂いがしたから【美味い物】なのは彼にも想像できる。
急に近づいた仲間の、思ったより繊細な睫毛にどきりとしながらもシャンクスは平静を装って続けた。
「あ、あっちで食おうぜ…」
いつもの木箱を顎で指すと、分かったようにシャンクスも頷く。取りあえず持ったホウキだけ木箱の上に片付けて、二人は今日の分の掃除を切り上げて其処に腰掛けた。
シャンクスが布包みを開けると、出てきたのは木の枝のように細く焼き上げたクッキーにチョコレートがコーティングされたものだった。
あまり見かけない繊細な種類の菓子に、二人の目が輝く。
先ずは其々1つずつ取ると、無言でそのまま豪快に口に含んだ。
甘さ控えめなクッキーと、コーティングされたチョコレートの甘さが心地よい。さらに、手が汚れないようになっているのか根本部分だけはチョコレートが掛かっていないのも食べる人の事を考えた上質な菓子のようだった。
「「美味い!」」
ほぼ同時に食べ終わった二人が、もう一つと手を伸ばす。
食べる直前になって、その棒の形状が数字に見えたからバギーはポリポリと二本目を齧るシャンクスに気付いたことを漏らした。
「数字の1に見えねぇ?」
彼は半分になったソレを取り出し口をもごもごさせながら、じっと見つめる。
「おぉ、確かに」
「…だから何ってのじゃねぇけど…いいな」
【1】の文字は全ての始まりであり、物事の頂点であるとシャンクスは考えていたからバギーのその言葉に素直に賛同する。そして、彼は今日がそんな1か続く日であることにふと気付いた。
「今日って、11/11じゃないか?」
ばきっと小気味良い音を立てて菓子を半分にしたバギーが「そうかも」と彼の言葉に頷く。
「悪くないな、今日は」
シャンクスが残りの菓子を放り込んで笑う。
最後の一つを取ろうと手を伸ばしたから、慌ててバギーも残りの菓子を口に詰め込んだ。
「てめぇ!」
バギーが口を尖らせると、隣のシャンクスが取られまいと菓子を遠くに持ったままニヤリと笑う。
「どっちが多く食えるか勝負!」
「望むところだ!!」
両端から食べ始めるそれが、最終的に甘い口付けになってしまう事にまだバギーは気付かず、上手い具合に挑発に乗ってくれたなとシャンクスは心の中で派手にガッツポーズをキメた。
バギーがシャンクスの想いに気付くのはまだまだ先の話。
今は友達同士のふざけたキスで済ませてやろう――
*END*
色々ネタが被ってたり話の落とし方が同じだったりで本人的にも問題点が薄っすらと見える詰め合わせでした(反省)
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