書簡

【春よ、来い】を聴いてるとどうしようもなく泣けてきちゃうので書き殴った、妄想ラブレター。
スティーブから、バッキーへ。

CW後捏造。

バッキー・バーンズ　様

君が人口睡眠をしてから季節が一巡りしました。
今日は冬明けを告げる雨が降っていて、これから少しずつまた暖かくなっているのだろうと思うと嬉しくなってきます。春を告げる木々の蕾もきっとすぐに花開くでしょう。君と一緒に“SAKURA”を見ることが出来なくて残念だけど替わりにスケッチをして残そうと思います。上手だ、って褒めてもらえるといいな。

女々しい野郎だって笑われると思うけれど、未だに瞼を閉じれば君の顔が浮かびます。ただ、悲しいのは君の瞳も閉じられていて決して開くことがないという事。けれど君の声だけはあの頃のままだから、ずっとその声を頼りに君が目を覚ますのを待とうと思います。

君へ最後へ伝えた言葉、まだ覚えているかな（もしかしたら君にとっては“昨日”の話なのかもしれないけど）。
答えなんて要らない、なんて見栄を張らずに君からの返答を聞けばよかった。でも聞かなかったからこそ、こうして待ち続けようと思うのだから不思議なものです。

僕は決して一人じゃない、大勢の力を貸してくれる仲間がいる。友人がいる。
ぽっかりと空いてしまった穴をどうにか埋めようと足掻いているのに、最後に浮かぶのは君のことばかりなのはきっとこの季節がいけないんだろうね。

急にこんな手紙なんか書いてしまって、御免なさい。
ただ、この雨を見たら君を思い出して、君と言葉が交わしたかったんだ。
決して答えを聞くことは無いんだろうけど。

それじゃぁ、また。

愛を込めて

スティーブ・ロジャース