I hope for …

スマイルが笑うとき。

僕の望み。

格好良いペコを眺めること。
卓球の大会でペコが優勝すること。

ただ、それだけ。







笑わないから、スマイル。
そうペコが僕にあだ名した。
ペコがどうしてペコなのかは知らない。
不二家のミルキーの箱を見ながら、ペコと比べたことはあったけど。
ミルキーのペコちゃんは女の子だし、ペコは男だ。

どうしてペコがペコなのか。
それは僕の永遠の謎。







【楽しかったら笑いますよ】

ペコと居る時は楽しい。
だけど、僕は笑わない。

コーチに小さな嘘を、僕は吐いてしまったらしい。

僕はいつ、笑うんだろう？







僕とは対照的に、ペコはよく笑う。

よく笑い、よく怒り、その表情は見ていて飽きない。



いつか、僕が笑う日が来たら、
ペコの隣で笑いたい。


小さな望みがひとつ、増えた。











オイラの望み。

この星のてっぺんになること。
卓球でてっぺんとること。

そんだけ。







笑わない友人に、あだ名をつけた。
笑わないから、スマイル。
1度だけ笑ったのは、
こども卓球大会でオイラが優勝して
スマイルが準優勝した時。
可愛いカオ、すんのよ。

スマイルが笑顔を作ったのは、
オイラだけの、秘密。







【会話も弾むしね】

言った気持ちは嘘じゃない。
会話らしい会話なんてした記憶無いけど。

一方的なオイラの言葉に耳を傾けるスマイルの表情は、
なんだか面白い。

一言一句、漏らさないように、
じっと聞き耳を立ててる。





表情を隠すのは苦手だ。

楽しかったら笑うし、悔しかったら泣く。



いつか、スマイルが笑う日が来るのなら、
オイラの隣だと嬉しい。


そうしたら、オババに自慢出来るしね。




おしまい