今度こそおかんスマイル。
脳内では気持ちの悪いストーカー通い妻スマイルなんだけど、書き起こすと爽やかなのは何故なんだ。
フィルターか、ARATAフィルターがそうさせるか。
(ARATAスマイルはめっちゃ好みです。メガネで細身で鬼畜。3拍子揃ってる!!)
スマイルは、かぁちゃん以上にかぁちゃん臭い。
ご飯の前にお菓子を食べれば
「ご飯の前にお菓子はダメだよ、ペコ」
「ご飯、残しちゃうでしょう」
ご飯を食べて冷凍庫を漁れば
「急に冷たいもの食べたらお腹壊すよ」
「1つだけね」
お風呂が沸けば
「ほら、早く入って」
「耳の裏もちゃんと洗ってよ」
お前はおいらのかぁちゃんか!!!!!!!
ってほど、ほんともう、細々と…うるさい。
高校は、二期生。
秋休みに、ちょっとスマイルの家に遊びに来たらこの調子だ。
午前中は無理矢理勉強させられるし、午後はタムラで卓球できるけど…帰りのコンビニはお菓子3つまでだし。
まぁ、それでも一緒に居るのは云うほど嫌ってないってことだよな?
「答え、くれろ」
「だーめ、ヒントはさっき云ったでしょう」
キッチンで、手際良くスマイルは何かを作っている。
小さい頃からかあちゃんが不在がちだったスマイルは、料理が上手い。
おいらのかあちゃんより豪華なご飯を作ってくれる。
「えー。
昨日、鶏肉、ごはん、しか教えてくれないじゃんか。スマイルなんてあっちょんぶりけだ!」
怒って、がさごそと冷凍庫を漁ると、それでまた怒られる。
「ペコ、ご飯前なんだからアイス食べるのは止めて」
「あっちょんぶりけ!!!!!!!!!」
おいらも言って、キッチンのスマイルを邪魔してやる。
「あー…!」
スマイルが料理してたのは、きれいなきれいなオムライスだった。
「オ・ム・ラ・イ・ス!」
踊りだしたおいらに、スマイルは心底迷惑そうな顔だ。
「うん、ペコが食べたいって昨日言ってたからね。
だから、ほら、用意して」
「おうっ!」
おいらは基本、良い子なのだ。
だから、ちゃんとスプーンを並べてテーブルに座る。
「およ?」
テーブルには、アクマ。
「いつからいたっけ?」
「ずっとだ!!!!
ずっと!!!」
今度はアクマがかっちぶーだ。
「ペコ、お前が赤点でやばいってスマイルから連絡受けたから手伝いに来たんだろーがっ」
「ぉ?」
「ったくよぉ…」
「おいら、ドイツに飛ぶかんね。ガッコーなんでぽんぽこぴーよ!」
「そしたら、ドイツ語の練習も明日から始めようか?」
オムライスを運んで、スマイル。
「はい、どうぞ」
「スマイル…お前、見かけによらねぇなぁ」
アクマは云いながら、今度ムー子にも教えてやってくれと続けた。
「…普通じゃないの?これくらい。
はい、ペコ」
おいらの前には、大きく★の書かれたケチャップのオムライスだ。
「おぉぉぉ~~~おいらのオムライス、かっちょいい~~」
「はいはい」
手際良く、3つのスープも並べて、三人で両手を合わせた。
『いただきます』
その後、どんな話をしたのかはよく覚えていない。
スマイルとアクマと一緒なんだ、きっとどーでもいい話とか、卓球の話とか。
ただ、おいらの好物がかぁちゃんのオムライスからスマイルのオムライスに変わったって、それだけだ。
*FIN*