キミノヘヤ×ヒトミヲトジテ

このタイトルにするの久しぶりだな（タイトルにポリシーを持っていたあの頃…）
ママにゃんから【ヘタレスマイル】で。

其れを、不慮の事故と捉えるかラッキーハプニングと捉えるか。
スマイルの脳は前者として捉えていたけれど、心は後者として捉えていた。

スマイルの部屋で、転がって漫画を読んでいたペコに躓いて
そのまま上に覆い被さる。
その距離は5cmと空いてなくて、
お互いの呼吸を頬に感じるくらいだった。

ぶつかる視線、暫くの沈黙。

スマイルの頬が紅潮して、上擦った変な声が漏れる。

「あ、あっ、その…」

起き上がろうと腕に力を込めると、ぎゅっとペコが其れを掴んだ。
それから、耳元で甘く囁く。

「…キスしてくれるかな、って
　おいら、期待してたのよ？」

ちゅっ

耳元にペコの吐息が触れて
大慌ててで起き上がると、
ペコがお腹を抱えて爆笑していた。

――スマイルが、自分に特別な感情を抱いているのも知っていた。
だから、ちょっとだけ揶揄いたくなった。

「ペコ！！！！」

顔を真っ赤にしたスマイルが言って。


「…な、今度はちゃーんとキスしてくれろ？」


ペコが瞳を閉じた。


その後、スマイルが【如何】なったか。
それは、彼の沽券に関わることなので黙秘しておこうか。


＊おしまい＊