Everybody Pocky！

ポッキー＆プリッツの日！
そんだけっ！！

今日はポッキーの日だとネットのニュースサイトに書かれてあったから、朝、コンビニで君の好きそうなナッツの付いたポッキーを買って、お昼休みに渡してみた。

「おぉーっ！」

君は大袈裟に喜ぶ。

「ファミリーパックしか母ちゃん買ってくれないかんよ、憧れのポッキーなんスよぉ～」

言うな否や、手早く箱を空けて透明の封を切る。
姿を現したポッキーに一瞬目を細めて、それから嬉しそうにパクついた。

1本目。
3口であっという間に口の中。

2本目。
さっきよりはゆっくりと、4口でサヨナラ。

3本目。
何を思ったのか、逆からペロリと。
案の定チョコが手に付いたみたいで、最後にペロリと一舐め。

4本目。
至極ゆっくりと、先ずは外装のナッツを齧り取って、
それから今度はチョコレートを舐めとる。
プレッツェルだけになったポッキーは、3口で片付けられた。

5本目。
最後の1本。
君は意地悪く笑う。

「なぁ、スマイル。
　ポッキーゲームするか？」

クラスの教室の真ん中で、こんな日の高い内から！
僕の答えは【NO】だ。

「…馬鹿言ってないで」

本当は、喉から手が出るほど君とキスをしたい。
ポッキーゲームを理由を付けて、君と口付けを交わしたい。

でも、僕はその箱の中にもう一袋欲望を叶える夢が入ってるのを知っているから
そっと耳打ちする。


君の顔が赤くなって、少し拗ねたようにそっぽを向く。


「…スマイルの変態」

――そうさ、僕は君の為ならどんな変態にだってなれる。
だから、放課後のポッキーゲームを楽しみにしているよ。

ゲームだけで終わればいいけど、ね？


＊FIN＊