夢見る僕じゃ、いられない

ある夏の、スマイルの一日。

早朝：
ペコが迎えに来るのを2階の自室からじっと玄関を見ながら待つ。
角を曲がって来たのが見えると大急ぎで階下に降り、さも今支度が終わったかのようにして、ペコが呼ぶのを待つ。自分からは行かない、決して。
でも、お菓子は用意する。

1時間目：古文
案の定ペコが現代訳をしていないので今日の分を予想して書き写す。ついでに次の数学の課題もチェックする。
古文の先生は出席番号順に当てる人だったから、ペコは当てられずに済んだ。一安心。
源氏物語だったので、自分を源氏に、ペコを若紫にして妄想に浸るうちに時間は過ぎてしまった。

2時間目：数学Ⅱ
小テストから入る。内容は先週までやっていた恒等式。ペコが頭を抱えていたけれどテスト中だからどうすることも出来なくて苛々。
新しい単元【点と直線】については以前よりも理解しやすい内容で安心した。
計算式を解いているうちにチャイムが鳴る。

休憩時間
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ（暫くお待ちください）

な　ん　で　！

ペコは何故シャツを着ないのか！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！
どうして、この学校には更衣室が無いのか！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！
女子だけ更衣室があるって不公平だ！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！
ペコの！！！！！！
乳首が！！！！！
大衆に！！！！

なんで！！！！！
無防備なのか！！！！！！！！！！！！！！！

あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…


ペコの乳首…可愛い…（再起不能）


3,4時間目：体育
バスケットボール。
ペコがまた「左手は添えるだけ…」とかバカなことやってる。でもカッコイイ。
因みに僕はメガネ君が好きだ。内助の功で赤木を支える所に凄く好感が持てる。
ペコに見とれていたら顔面にパスボールを食らってしまった。情けない。ペコに嫌われたらどうしよう…

昼休み
絶叫、再び。

殺せ！！！！！
僕を殺してくれ！！！！！！！！
お弁当を食べながら今夜のオカズを見るなんて殺生な！！！！！！！！！！！

胸がいっぱいになって食欲がふっとんだのでお弁当をペコにあげたら、何故か舐めかけのチュッパチャップスを手渡された。

神よ…！！！！！！！！！！！！！

もちろん、目の前で食べるフリはしたけどジップロックに保存した。
家に帰ってからゆっくり…ふふふふふふふふふふふふふふふふ…

5時間目：英語
どうしてペコ窓の外を見ているの？僕を見てよ。
もうすぐ翻訳当てられちゃうよ？？ほら昨日完璧に訳したの見せるから！
ねぇこっち向いてよ。僕を見てよ。僕だけを見てよ、ねぇペコ外なんか見たって何も無いからあぁもう！！！！！！！！

6時間目：歴史
ペコがお殿様だったら僕は平民になるのか仕える立場に居るのかそれとももっと上の殿様になるのか妄想しているうちにペコがノブナガに手篭めにされそうになったので斬った。後の月本幕府の始まりである。
歴史は嫌いなのであんまり聞いていない。
ペコに浴衣を着せて「あ～～れ～～～」ってやりたい。本気で。

放課後：部活
部室で着替えるペコのために一切の部室の侵入を禁止にする。ペコの半裸を見てもいいのは僕だけで眼福。生きてて良かった。本当にこの一瞬の為に生きてる。神様ありがとう。
気持ち半分にサーブ練習をしていたら小泉先生に叱られたけど知らない。
僕はもうペコの為に生きるんだ。卓球なんてただのお遊びだよオ・ア・ソ・ビ！
ペコと一緒に帰るためだ、仕方ない。

夜：
部活後小泉先生に個人指導を受けているペコを待って一緒に帰宅。
ガリガリ君が美味しい。ペコの笑顔が美味しい。

あぁ、今日も良い一日だった。


＊終われ＊