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Serena*Mのあたまのなかみ。
バットマンシリーズ/ウェイン一家とそのお相手

いつも通りな俺アースBANZAI!!
なんか気付いたらクリプトン人みんな左側だな?って気付いたので座談会をして頂きました。

※わたしの中でコンティムのティムは猟奇的な彼女



――誰か分かるのなら教えて欲しい。
どうしてこの俺が『地球人の恋人を持つクリプトン人の会』に招集されたのかを…



目の前に置かれたコーラを険しい表情で睨みつけながら微動だにしないジェイソンを尻目に、集まったクラーク、コナー、そしてジョンは気ままにクッキーを齧りながらお互いの恋人についての談義に花を咲かせる。

クッキーはコナーが差し入れしてくれたもので、恋人のティムの家の執事であるアルフレッドが作った特製のチョコチップクッキーだ。

「これ大好き!」

一番に飛びついたのは年若いジョンで、大きく口を開けて嬉しそうにクッキーを頬張る。

「美味しいよね、アルフレッドのクッキー。
 バレンタインのチョコレートもショコラティエ顔負けの出来だし」

小さく齧りながら頷いたクラークに、コナーが「わかる」と頷いた。

「今年は何のチョコレートなのかな?
 僕としてはやっぱりブルース本人に…」

甘い妄想を始めた父親の恋人に、ジェイソンが小さく溜息を吐く。

――どうしてこんな場所に俺は呼ばれたんだ?
彼はずっと自問自答していた。

「ふふふっ」

含み笑いを始めたブルースに、隣のコナーが質問する。

「急に笑い始めて、怖いよ?」

「ん?
 一回チョコレートを使ってシた事を思い出してね…」

――あの堅物な親父がチョコレートプレイだと?!
ジェイソンが顔を上げる。

「…でもさ、そーゆーの嫌がるんじゃない?
 僕も1回ティムに『NYOTAIMORI』って頼んだけど死ぬほど殴られたよ」

事も無げにコナーは続ける。

子供に聞かせるべき話じゃないよな、とジェイソンは隣でクッキーに夢中なジョン両耳をそっと塞ぐ。

「地球人ってさ、結構恥らうじゃん?」

コナーの問いにクラークは「あー…」呟きながら頷く。

「…まぁ、さ。その嫌がってるのも結構ソソられるんだけど」

「嫌よ嫌よも好きのうち、って有名な言葉もあるくらいだしね」

クラークが大きく頷く。
そして彼は嬉しそうに続けた。

「でもさ、その“恥じらい”がまた良いんじゃないかな?」

彼の問いにコナーが少しだけ唇を尖らせる。

「悪くないんだけどさ…
 たまには素直に甘えて欲しいなーっては思うよ」

――ジェイソンの知る限り、ティムとコナーは喧嘩友達のような仲で、
いつも「ティ~ムッ」と抱きしめようとするコナーをティムが殴り飛ばしてるのを見ていたから、その言葉には素直に同意してしまった。…と、言ってもジェイソンはディックから抱きつかれる側なのだが。

「『早くしろ』なんて素直に甘えられたらほんと力の加減が出来なくなりそうでそれはそれで困っちゃうよね」

テーブルに肘を突いてうっとりとクラークが呟く。

「時々名前とか呼んで貰えるとさ…もうご褒美じゃん?」

クラークの言葉に釣られるようにコナーも呟く。

――いやいやいやいやいや。
なんで俺は父親と弟の性生活を聞かせならなきゃならないんだ?
って言うかそんな話題をガキの前でするなよ!

色ボケする2人に、ジェイソンは心の中で激しく突っ込む。

「ねぇねぇ、地球人ってみんな“恥らう”もの?」

興味津々に身を乗り出したコナーに、ジェイソンは後ずさる。

「…それは黙秘としておこうか」

そう断った筈なのに何故か口を挟んできたのはジョンで

「知ってるよ。
 別にディックはあんまりそーゆーの嫌がらないよね」

ミルクを飲み干して彼は続ける。
――塞いでたはずだが!?
会話を聞かせまいとしていたジェイソンが己の両手を見ながら目を白黒させる。

「結構何処でもノリノリだよね」

ジョンは口の端に付いたクッキーの欠片を指で拭う。

「…は…!?おま、何処で…」

「ダミアンから聞いた。
 結構ダミアンに惚気てるらしいよ」

事も無げにジョンは言うと「それ、飲んでいい?」とジェイソンのコーラを指差す。

「…教育上良くないんじゃねぇの…」

肩を落としたジェイソンにクラークは笑う。

「地球人との愛を育んでこそのクリプトニアンだよ!」

その爽やかな笑顔に、父ではなくても強烈なストレートの一本でもお見舞いしてやりたいと心から思う。

「いいなぁ、ジェイソンは」

恋人が素直に抱きしめさせてくれないコナーは心底ジェイソンの事が羨ましいらしい。

「僕もディックみたいにティムの事ぎゅーーーっとしたい!」

彼は独りで肩を抱く。
コナーやダミアン、それにジェイソンにもガードが固いティムだったが彼の敬愛する『初代ダイナミックデュオ』であるバットマンとロビン…ディックにはめっぽう弱く、特にディックからのハグには嬉しさのあまり気を失うこともしばしばだった。

「…お前にとっちゃ、俺ら地球人の腕力なんて屁でもないんだろ?」

ジョンにコーラを差し出しながらジェイソンが言うとコナーと、クラークまでもが首を振る。

「「クリプトナイトのリングで殴ってくるからそれなりに痛い」」

「………」

閉口したジェイソンに2人は愚痴る。

「ほんっと、最近は何にでもクリプトナイト仕込んでくるからね。油断も隙もあったもんじゃない」

「デートの時は必ずクリプトナイトを持ち歩いてるからね…
 『お揃いだぞ』ってアクセサリーとかしなくていいから……着けるけど」

――着けるのかよ、ジェイソンは突っ込む。

「そう考えると僕たちって何?動くサンドバック???」

顔を見合わせて溜息を吐くクラークとコナーに、付き合ってられんなと席を立とうとしたら腰ポケットに入れたスマートフォンが震えた。

「…誰から?」

隣のジョンが短く訊く。

「…地球人」

ジェイソンは視線を上げずに返すと画面を開く。

『晩ご飯、何食べたい?』

可愛らしい絵文字と一緒に並んだのは、恋人のディックからのメールで、
眼前で盛大に溜息を吐き散らしているクリプトン人が妙に可哀相になってジェイソンは短く返事した。

『悪い。
 今日はクラークたちと飯食って帰る』

『いいなぁ。みんなによろしくね』

間髪入れずに返ってきた言葉に、恋人がスマートフォンを持って待っていたのだろうと予想する。

「羨ましいなぁ、ジェイソンは。ラブラブでさ」

テーブルの上にへばり付いてコナーが言うと

「僕もブルースの手料理とか食べてみたいなーーー」

真似るようにクラークもテーブルに突っ伏す。

「いや、なんでアイツの手料理って決め付けんだよ。
 違う用事かもしれないだろ」

「いーーや。この時間だからね。“晩ご飯どうする?”って内容だろ。
 はーーーーー僕もティムからそんな連絡欲しい~~」

コナーは言ってスマートフォンをテーブルに置くが、うんともすんとも言わない。

「…いいじゃないか、まだ連絡できるんだから。
 僕なんて普通に電話したくらいじゃブルース繋いで貰えないよ…?」

――そりゃ、記者がウェイン産業のCEOに直で繋がるわけなんてないだろう。誰だって取材の申込みだと思うだろうから。冷静にジェイソンはそう思う。勿論、口には出さずに。

「…や、別にお前らだったらそんなもの無くても名前とか呼べば飛んで来るんだろ?」

ふとジェイソンは当たり前の事に気付く。
此処に入る奴らは超人であり、地球人ではないのだ。
人々の助けを求めるどんな小さな声にも反応し、その人を助けに行く。

「当たり前でしょ」

「当たり前じゃん」

「当たり前だよ」

最後のクッキーに齧りつきながら、2人に続けたジョンに、ジェイソンは溜息を吐いた。

――あー、もう面倒臭い奴らばっかだな。

もう一度、ジェイソンは頭を抱える。



――誰か分かるのなら教えて欲しい。
どうしてこの俺が『地球人の恋人を持つクリプトン人の会』に招集されたのかを…


*おしまい*

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