Enjoy bath timE

バットマンシリーズ/ジェイディク

TU（アメコミオンリー）の申込みが始まったみたいですね！
ジェイディクサークルさんいっぱいあるかなぁ！！（※参加しません）

ジェイディク増えろ～～～～の呪いにも似た心意気だけの一篇。
風呂ネタ。でもEROはなし。
ジェイソンには幸せになって欲しいんじゃよ…

“風呂が長い”と、ジェイソンは思う。
家族であり、兄でもあるディックと【そういう関係】になって暫く。
一緒に風呂に入ることも多かったが（勿論“普通に”風呂だけで終わる筈なんてなかった）時折さっさとジェイソンが上がってしまうと、ディックはまるで我が城のようにバスルームを占領するのだった。
お気に入りのバスバブルにボディソープ、アロマキャンドル。風呂上りのローションに肌をしっとりさせるためのボディミルク…

狭い一人用アパートのジェイソンのバスルームはそんなお姫様みたいな恋人の“お気に入り”で溢れかえっていた。

今日も長風呂に誘う恋人の視線を交わしてリビングに戻ったジェイソンが上半身裸のまま風呂上りの牛乳を飲み干して、
それからTVで適当なスポーツチャンネルを観戦しているうちに半渇きだった髪の毛はすっかりと乾いてしまっていた。

それでもバスルームからはディックの陽気な歌声が響く。
――いい加減、茹蛸になっちゃうんじゃないか。
そう心配してドアノブに手を掛けたら、内側からドアが開いた。

「わ★」

至近距離に洗い立てのディックのさらさらな髪が揺れる。
最近発売されたばかりらしい爽やかな花の香りの其れはジェイソンの好みではなかったが、ディックには良く合っていた。

「…どしたの？」

長風呂に桃色に染めた頬でディックがジェイソンを見上げる。

「…女みたいに長いなって思って」

本当は心配だったから覗きに来たのに。
口から出た言葉は真逆で、己の天邪鬼っぷりにジェイソンは心で舌打ちした。

てっきり不機嫌に頬を膨らませるかと思ったディックが目尻を下げてジェイソンに抱きつく。
彼のお気に入りのバニラのボディミルクの香りがジェイソンの鼻腔を擽った。

「？！」

想定外の恋人の行動にジェイソンが目を白黒させる。ぎゅっと彼の胸に頭を埋めてディックは柔らかく微笑んだ。

「ジェイは女の子も知ってるんだね」

「…怒らないのか、そこは」

ぶっきらぼうに視線を外したジェイソンにディックは首を傾げる。

「どうして？」

そして筋肉質な恋人の背中に手を回しながら彼は続けた。

「だってジェイは女の子も知ってるのに僕を選んでくれたんでしょう？
　それって、凄く嬉しいことじゃない？」

彼は小さく背伸びしてジェイソンの頬にキスをする。

――あぁ、全く。
コイツには敵わないなとジェイソンは少しだけ口の端を緩ませるとそのままディックの脚を抱え上げてお姫様抱っこをする。
彼が楽なように身体を密着させたディックが、甘えた声でうなじに擦り寄った。

「女の子みたいに、して」

その声に、ゾッとする程の魔性を含んで。

――仰せのままに、オレのお姫様。

言いたい言葉をぐっと飲み込んで、代わりにそのまま深く口付ける。

ほんのりといつもより体温の高い恋人と、その甘い香りを楽しみながら。
2人の夜はまだ始まったばかり――


＊FIN＊

風呂入ってたらネタが降りてきたネタ（真顔）