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健全な高校生の冬。

「ぅ、んー…」

思わず伸びをして、すぐ横にスマイルの腕にぶつかってしまった。
狭いシングルベッドなのだから、仕方が無い。

「ぉ、ぃま、何時？」

言おうとして、酷く声が掠れているのに自分でも驚く。

当のスマイルはと言うと、暫く前に目覚めていたのかずっとオイラを見ていたようだ。
普段からは考えられない、びっくりするような優しい微笑を浮かべている。
――昨日のことを思い出して、なんだか恥ずかしい。

「ん？12時過ぎたところかな」

ベッドサイドの時計とくるりと回してスマイルは答える。

毛布を引っ張り上げようとして、全身がダルく、そして重いことに気付いた。
悪戯にスマイルに抱きつこうと寝返りを打ったら、信じられないくらいに腰が痛い。

「ぅぇ…」

変な声が出て、それも恥ずかしくってオイラはスマイルの腕に顔を埋めた。

「…そんな可愛い反応しないでよ」

頭上から降り注ぐスマイルの声。
ふわりと頭を撫でられて、風呂に入りたいのも思い出した。

「…風呂、入りたい」

クリスマスケーキ買ってあるんだ、なんてスマイルの甘い言葉に釣られて
結局のところ美味しく食べられてしまったのはオイラ自身で
母ちゃんのフライドチキンもクリスマスケーキもすっかり食べ損ねてしまったので
でも、全部、全部スマイルが悪い。
だから、今のオイラは最強にワガママにスマイルに振舞ってやる。

「身体拭いてあげたでしょ」

つっと背中を撫でられて、くすぐったくて反りあがったけど、また、あの妙な腰の痛みに襲われて震えた。
オイラはぶすくれて続ける。

「声も出ないし、」

「…そうだね、いつものペコじゃない」

「全身痛いし、」

「運動したからね」

スマイルの返答はいつもクールだ。
でも、最後だけは…知らないスマイルだった。

「腰も痛いし、」

「…ごめん」

そっと隙間から見上げると、本当に悲しそうな顔をしていたから
オイラはぎゅっとスマイルを抱きしめる。

「…責任、取れよな」

「ずっと傍にいるよ」

やりとりが永遠の愛を誓う恋人みたいで、
似合わないなと思ったけれど
まぁ、今日くらいはイイかなと思ったから

見上げて、オイラはおねだりした。

「ねぇダーリン
　キスして欲しいっちゃ☆」


――きっと、オイラが家に帰れるのは今日の夜だろうから。
それまで思いっきり甘やかして貰おう。


スマイルは、オイラのサンタさんだかんね☆


＊FIN＊

クリスマス企画、これにて終了！
お疲れ様でした！！！！