Serena*Mのあたまのなかみ。
TENET/主ニル
『主ニルちゃんの話。
セックスするとき、たくさんキスマークや噛んだりして主人公さんに所有印付けようとするんだけど、
肌の色の関係で全然目立たなくてむくれるニールちゃんの回。
なお、アイヴスは気付いているので(言わないだけ)
「ま~~~~た目立つ場所に…」って思って見てるし、コイツ意外と激しいんだな。って思ってる』
と言う戯言から。
ギャグが書けない。分かっていたことだけど。
そこはかとなく漂うシリアス感は私に力が無いからです、合掌。
*
アルニラム…オリオン座の恒星で2等星。三つ星の中央に位置する(wikiより)
『主ニルちゃんの話。
セックスするとき、たくさんキスマークや噛んだりして主人公さんに所有印付けようとするんだけど、
肌の色の関係で全然目立たなくてむくれるニールちゃんの回。
なお、アイヴスは気付いているので(言わないだけ)
「ま~~~~た目立つ場所に…」って思って見てるし、コイツ意外と激しいんだな。って思ってる』
と言う戯言から。
ギャグが書けない。分かっていたことだけど。
そこはかとなく漂うシリアス感は私に力が無いからです、合掌。
*
アルニラム…オリオン座の恒星で2等星。三つ星の中央に位置する(wikiより)
“彼”と付き合いだして、男は1つ気付いたことがある。
其れは年若い恋人は独占欲が強いと言うことだ。
男だって、人との付き合いは初めてではない(まぁ、数で言えば多くはないが。具体的な数字については黙秘しておこう)。
初めて彼の独占欲の証に気付いたのは、肌を重ねた夜のこと。
まだ寝息を立てる恋人を起こさないようにそっと浴びたシャワーの水飛沫、刺すような痛みに驚いて背中を鏡に映すと、くっきりとした爪痕がその背中に走っていた。
濃いチョコレート色の肌に、薄くその部分だけ蚯蚓のように腫れている。
それから、よく目を凝らすと鎖骨と首筋にも噛み跡があった。
痕が残るくらい――強く。
行為の最中はずっと啼くばかりの彼に、そんな余裕があったのか。
それとも、“自分”を受け入れる恐怖に同じ痛みを与えたかったのか。
それだけの痛みに、何故自分は気付けなかったのか。
ほんの5分前に抜け出したベッド、暖かなシーツに包まる金髪の恋人を思い出して男は首を振る。
考えるだけ野暮だ。
従順な犬のように思っていた彼が、夜は手負いの雌豹に豹変する――ただそれだけの事。
そのギャップは男が初めて与えたものかもしれないし、彼の生来の特性だったのかもしれない。
その真実を知るには、まだ男と彼の付き合いは浅く、これから少しずつ時間をかけて融け合って行けば良いと男は思う。
シャワーの水滴に、男の上機嫌な声が混じった。
「…消毒液を買い置いておかなければな」
*
訓練演習後のシャワールーム、隣のブースを覗いたアイヴスは小さく口笛を吹いた。
「隣、使うぜ」
シャンプーを泡立てていた男が「あぁ」小さく頷いてカランを捻る。
飛び散る水飛沫と湯気に相手が見えてないのを良い事に、じっと男を観察したアイヴスはあることに気が付いた。
もともと何かスポーツを嗜んでいたようで、背丈こそ大きくなかったものの、しっかりと筋肉の付いた体躯。腕についた筋繊維は品良く盛り上がり、すっきりと背中まで無駄のない筋肉が付いている。それから――肩甲骨の下から伸びるような3本の爪痕に気が付いた。
所謂、男の勲章と言われる名誉な傷だ。真っ直ぐと対象に伸びたその痕はまるで翼を捥がれた天使のようだなと柄にもなく思う。つい先日、休憩時間にチョコレートを齧りながら漏らした同僚の愚痴を思い出した。
「やぁニール。新しい恋人が出来たんだって?」
「耳が早いなぁ、アイヴスは」
「情報戦だって得意なんだ。俺も新しい彼女が欲しいなぁ」
「やだ、そう言って前に紹介した女の子とは2週間で終わったじゃない。あの後フォローが大変だったんだから。
恋愛に向いてないのよ、貴方」
「ははは、僕らの仕事は機密事項が多いしね。難しいのかも」
そう言ってニールは声のトーンを落とす。
「だからさ、なかなか時間を取ってデートも出来ないし。
少し顔を見るだけでも精いっぱいだしさ。あんまりにも仕事が忙しい人だから、僕の事忘れちゃったのかなって心配になる…」
「あら、早速の惚気?」
「俺はパスだな。ホイーラー、聞いてやってくれ」
「やだ、私もちょっと彼と喧嘩してるから聞きたくないわよ」
「え~~~惚気じゃないから聞いてよぉ…」
珍しく気弱な彼が面白くって、ホイーラーと話半分に“恋人”の惚気を聞いてやったのだ。
――知らぬ振りをするのはアイヴスだって苦手だ。
けれど余計な詮索をする年齢でもないし、何より本人が言わないならその話題に触れない方が良いとさえ思っている。
同僚の新しい恋人が、隣の男なこと。
彼の背中の傷や、腰回りに落とされたキスマークを付けたのは全て彼の仕業であること。
『キスマーク、付けようと頑張ってみるんだけど、なかなか上手に出来なくて』
そう、あの日愚痴った言葉。
肌の色が濃い男ではあったが、近くで見ると意外と分かるものだった。
――随分と目立つ場所に。アイツって思ったより激しいんだな。
掴み所のない性格の同僚の、ほんの少し意外な面を知って。
生真面目な男の何処に彼を引き付ける魅力があるのだろう。人間的に尊敬も出来るし良い人物だとは思うが、アイヴス自身にはその感情は湧かなかった。
「先に失礼するよ」
律義に声を掛ける男に、アイヴスは片手を上げて返事する。
滴り落ちる水滴を、頭を振って飛ばしながら彼はぼんやりと思うのだった。
「あー…今度アイツにどんな顔して会って良いか分かんねぇな」
*おしまい*
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