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Serena*Mのあたまのなかみ。
T&Bのジョン。
ジョンの平和な一日ドキュメンタリー。n番煎じなのは100も承知さっ
てか初めて書いたぞタイバニ…





ぼくの名前はジョン。
ぼくは自分の名前を言えないけれど、ご主人さまが『ジョン』ってぼくを呼ぶからきっとぼくの名前は『ジョン』なんだと思う。
ぼくはご主人さまからなんて呼ばれたって気にしないけれど、ジョンって笑顔でぼくを呼んでくれるから好きだ。
それから、大きな手でわしわし頭を撫でてくれるのも好き。

ご主人さまの朝は早い。
早い、と言うかぼくが起こしに行くから。カーテンからお日様がきらきらしているのを見ると、嬉しくなってご主人さまのところへ走ってしまう。顔をペロリと舐めると、1回はぼくの頭をゆっくりと撫でてくれて、もう1回舐めるとむっくりと起き上がる。

「おはよう、ジョン」

名前を呼ばれるから、ぼくは大きく返事をする。

「わん!!!」

それからご主人さまは毛皮を着て(ご主人さまはぼくと違って毛が生えてないからあぁやって毎日色違いの毛皮を着ている)お出掛けの準備だ。
ぼくの使うお水のボウルに新しい水をいっぱい入れて、ぼくはそれを飲み干す。そうしているうちに、僕の身体にご主人さまはロープを着ける。小さい頃はコレが大嫌いだったけど、大きくなってからは嫌いじゃない。このロープをしていると小さい男の子や女の子がぼくの周りで遊んでも大丈夫みたいで、ぼくは子供たちと遊ぶのが大好きだからだ。
ご主人さまが大きな【冷蔵庫】の扉を閉めると、いよいよお出掛けだ。

大通りを3つ渡り、大きな公園をぼくとご主人さまはぐるりと1周する。朝の空気はとっても綺麗で、変な臭いもしないし緑のいい匂いでいっぱいだ。ぼくは嬉しくなって駆け出すとご主人さまが着いてくる。
途中のベンチで休んでいると、ご主人さまの隣に誰かが座った。この匂いは…

「おはようございます、キース先輩」

バーナビーだ!
いつもの匂いと少し違うのは、あんまりあの匂い(香水?って言うの?人間は色々な匂いがするね)がしないからかな。

「やぁ!おはよう、バーナビーくん!!」

ご主人さまが言うから、ぼくもしっぽを振ってご挨拶をする。

「おはよう、ジョン」

この人もご主人さまと同じようにぼくの頭を撫でて、そして何かご主人さまと話している。

ぼくはちょっと暇になってしまったから、あっちの木の方を見たり、走っている人に尻尾を振って応援したり、芝生をちょっと引っかいたりしていた。

ご主人さまが立ち上がったから、ぼくも立ち上がる。

「それじゃぁ、先輩」

バーナビーが立ち上がって、手を振り、ぼくもご主人さまと走り出す。
今度はご主人さまのペースに合わせて、少しだけゆっくりと。

また大通りを3つ渡って、ぼくの家へと帰る。
ご主人さまはぼくの足を丁寧に拭いてから、シャワールームへ。

喉がとっても渇いたから、もう一度ボウルの水を飲んで、それからシャワールームの前でご主人さまの帰りを待つ。
此処はご主人さまの匂いより別の匂いの方が強くてちょっと苦手だけど、ぼくはご主人さまが好きだからこうして待っているんだ。

ドアの開く音がするから、ぼくは急いでふかふかのタオルを咥える。
こうしてご主人さまに渡すと、ぼくの頭を撫でてくれるからぼくはこの行動を忘れない。

「いい子だな、ジョン!」

顔までぐりぐりに撫でられて、安心してぼくはソファの下で目を閉じる。

キッチンからお肉の良い匂いがして、もうすぐ朝ごはんだ!
ぼくはお腹がぺこぺこだから、急いでキッチンのご主人さまの足に頬ずりする。

「ははは、気が早いぞ!もうすぐ!そしてもうずぐだ!」

ご主人さまは言って、ご飯のボウルにご飯を入れてくれる。
ぼくの目の前に置いて、じっとぼくを見て言うんだ。

「ジョン、待て」

こう言われると、ぼくは美味しそうなご飯を目の前にじっと我慢しなければならない。
うぅ、こんなに美味しそうな匂いがするのに
本当に目の前にあるのに食べられないなんて!

と、

「ジョン、いいぞ!!!」

ご主人さまが言って、ぼくはご飯にかぶりつく。
走ってお腹がぺこぺこだったから、本当に美味しい。
ご主人さまがぼくの身体を撫でて、向こうの部屋に行ってしまう。
コーヒー(とっても良い匂いでぼくは好き)の匂いがするから、ご主人さまもご飯を食べているのだ。

ご飯の入ったボウルを綺麗に舐めてピカピカにしてから、ぼくはご主人さまの足元に丸くなる。
よく食べたしなんだかとっても眠いよ。
……少しだけ、おやすみなさい。





がさがさと音がして目が覚めると、ご主人さまが玄関に行ったところだった。

「わん!!」

ねぇ、ぼくを置いて出かけちゃうの?
何処かに行っちゃうの?

「トレーニングだよ、ジョン。
 行っても暇だろう?」

ご主人さまは言うけど、ぼくはなんども言い返す。

「わん!!わん!!!!わんっ!!!!!!!」

「…分かったよ、そして分かったよ。一緒に行こう」

ご主人さまは朝と同じようにぼくにロープを着けて、そうして一緒にお出掛けだ!


大きなビルの前で、ご主人さまは誰かと話して、ぴかぴかの玄関を抜けた裏の小さな駐輪場にぼくを連れてくる。

「いいかいジョン。
 良い子にしているんだよ」

入り口の大きな棒にぼくのロープが結ばれて、ぼくは此処でご主人さまを待たなきゃならない。
寂しかったけど、着いてきたのはぼくの方だったからぼくは静かにしっぽを振った。

ご主人さまはまた入り口の誰かと話をして僕を指差す。
帽子を被った人は頷いてご主人さまを見送ったあと、ぼくの前にやってきた。

「ジョン、おて」

差し出された手にぼくは右手をぽんと乗せる。

「おぉー!
 じゃぁ…伏せ!」

ぼくはぺたっと地面にお腹をくっつける。

「偉いな~ジョン」

その人はぼくの頭を撫でくれた。
だって、ぼくはご主人さまからきちんと教わったからね。
こうしてご主人さま以外にも良い子にしてると、ご主人さまはこうしてぼくとお出掛けしやすくなるからぼくだって頑張ってるのだ。

「何か困ったら呼ぶんだぞ~~」

その人は行って建物の中に入ってしまう。
やっぱりぼくは暇になって、ぼんやりと葉っぱが動くのを眺めていた。






この匂いは…!

「ジョン~~!」

向こうから走ってくる青くてきらきらしたお嬢さん。

「スカイハイがトレーニング中なの?
 お留守番偉いね」

彼女はふんわりと甘い匂いを漂わせながら、ぼくの顔をぐりぐりとしてくる。
くすぐったくて顔を舐めたら、もっとぐりぐりされてしまったから、どうやら逆効果だったみたいだ。

「ジョンが寂しそうだから早く戻りなさいって伝えるからね」

背中を撫でてから、彼女は行ってしまう。
何を話してくれたのか分からないけれど、遊んで貰ってぼくはご機嫌になった。
これで、早くご主人さまに会えたら良いのになぁ…





「ジョン!」

これは、ご主人さまの声だ!!
トレーニング、終わったんだね!!

ぼくは嬉しくなってジャンプする。

「ブルーローズくんに『ジョンが寂しそうだったから早く帰ってあげて』なんて言われてね。
 少し早めに切り上げてきたよ」

ご主人さまはぼくのロープを解いてくれたから、ぼくは一緒に歩き出す。

「少しだけ遠回りして帰ろうか。
 帰ったら君を洗うぞ、ジョン!!」

…なにか、最後の言葉が怖い気がしたけど。
美味しいコーヒーの匂いのする公園に行ってから、僕らは家へ帰った。






「わんっ!!わん!わんわんっっ!!!!!!!!」

いやだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
シャワールームは嫌いだって!嫌いだって言ってるよねご主人さま!?
なんでそこにぼくを連れ込もうとするの???
やだよーーー放してーーー!!!放してーーーーー!!!!

あっボール…!!!


「はっはっは、罠に掛かったなジョン!
 甘いぞ!そして甘いぞ!!!!」

ぱたんとドアが閉められて、あったかいシャワーが足元を濡らしてぼくは小さく縮こまる。

うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!





「ほーら、気持ちよくなったろう?」

…気持ちよくなんか、ない。
体中へんな匂いがするし、ゴーゴーとうるさい音で乾かされて頭もヘンだ。

うー…

ぼくはへとへとになってソファの下で丸くなる。
ご主人さまが『ルンバくん』と呼んでる黒いへんなのが来たけど(こいつはうるさい音を出すから嫌いだ)ぼくに何度かぶつかって、あっちに行ってしまった。
いつもの僕なら怒って吼えるだろうけど、生憎今日はそんな元気は無い。
本当に、本当に疲れたから目を閉じた。

今日はもう、本当になにもしたく…ないや…





目を開けたとき、そこにご主人さまの姿が無かったからぼくは匂いをたどった。
行き着いた先は寝る部屋で、どうやらぼくは本当に深く眠り込んでいたらしい。

キッチンへ行くと、ごはんが山盛りにあってお腹が空いていたから少し齧ったけど、
なんだかあんまり美味しくなくて、お水だけ飲んでぼくはご主人様のベッドの下にうずくまった。
ほら、ここならご主人さまの匂いがいっぱいして、安心できる。


おやすみなさい、ご主人さま。
明日もいっぱい、遊んでね。



*おしまい*

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