忍者ブログ
Serena*Mのあたまのなかみ。
NARUTO/マダ柱

ギャグ話ですので、寛大な心でご覧ください。

平和時空。
木ノ葉の警備隊長をして火影を支えている(多分)マダラ。
全然本編に活かせてない設定なんですが、この話のマダラは花街に通っています。
黒髪サラサラストレートロングの、ちょっと不器用な子(主に新人/素人)ばかりを指名するので「素人食い」の異名を持っています。誰かを重ねていますね!!(クソ重感情。うちはは愛が重い)

――やってしまった、と柱間は項垂れた。

花札で巻き上げられた金品をどうにか取り返そうと一発逆転を狙ったチンチロリン、最後に掛けるのはもうこの命しか無いと衣服ごと大勝負に出たものの、力んで投げたサイコロはションベン、全てを柱間は失ったのだ。

「…さ、じゃぁ約束通り身体で払って貰いましょうか」

両肩に厳つい龍の文様を彫った親の男がそう笑い「うぁぁぁぁぁ」肩を落とした伝説のカモ――こと柱間を引きずる。
初代火影・柱間の博打の弱さは筋金入りで、この裏の世界で知らないものは居ない、ある意味“伝説”の存在だった。

「大負けすることで経済を回してるんぞ!」

柱間はそう言うが、扉間に言わせれば「裏の世界に金をばらまいて何が“経済”だ」と鉄槌を下される。
大負けした柱間を賭博場は良い宣伝だと彼に大看板を与えて街を練り歩かせるのが“身体で払う”方法だった。一刻もしない内に火影の補佐である扉間が現れ、きっちりと負けた分の金を払っていくのだから別に悪い話でもないし、店にも箔が付く。そのまま部屋に幽閉するより(と、言うか部屋の隅でジメジメされていると困る)宣伝係をさせる方が都合も良かった。

「さ、今日もお願いしますよ」

両手を広げたほどの大きさになる看板を差し出して手伝いの男は笑う。
何度かこうして負けて通ううちにすっかりと顔なじみになってしまった不思議な関係だ。

「うう…今日は勝てると思ったんぞ」

遠目にも目立つ、真っ赤な法被を着せられた柱間は大きく溜め息を吐く。
見上げた大きな看板を読むと、其れはいつも渡されるものと違うものだった。

「新装開店…ばにーはうす…?」

桃色と黄色で書かれたポップな文字に柱間は首を傾げる。

「お頭が新しいお店をオープンさせましてね。
 バニーガールの格好をした女の子を集めたお店ですよ」

両手を頭の上に掲げてウサギの耳を表現した男に「ほ~ぉ」柱間は頷く。

「いろんな商売があるんじゃの~」

感心したように呟く火影に、男は「ま、あんまり詮索しないで下さいな」そう苦笑して柱間を裏通りに案内したのだった。



看板を背負った柱間が5歩も歩かないうちに「は~~~し~~~ら~~~ま~~~ァァァァァァ」遠くから見知った幼馴染の声が通りに響く。
砂煙を撒き散らせて登場したうちはの長に、「ぉ?」柱間は長い髪をなびかせて振り向いた。

「貴ッ様!こんな所で何やってる!」
「マダラこそびっくりな登場ぞ」
「俺ァこの辺の警備してたんだよ」
「マダラは偉いのぅ…」

木ノ葉の警備隊の長も兼ねている彼は柱間にとって神出鬼没の存在だったが、いつもマダラは「警備していた」と仕事を強調する。

「また負けたのか」

火影の掲げた看板にマダラはニヤニヤと人の悪い笑みを浮かべると彼を揶揄った。

「負けたのではない、お金を使ってるんぞ!」

唇を尖らせた柱間に「ほ~ぉ?」マダラは目を細めると看板を見上げる。

「バニーハウス…?」

ほんの少し前の柱間と同じように眉を寄せたマダラに、柱間は胸を反らせて答えた。

「ウサギ姿の女の子と集めた店ぞ!」

――其れは、手伝いの男の受け売りだ。
柱間はこれ以上の“何か”を知らない。

『完全個室でハッピーな時間』『ウサギと一緒に遊ぼう♡』『親切なお店』

看板に並んだ文字に、店の意図をマダラは察する。

――里の長に風俗の宣伝とは、随分と“平和”な世になったもんだ。

「……ウサギは精力盛んだって言うしなぁ…
 どれ、貴様に接客してもらおうか柱間!!!」

ニィと口角を上げたマダラに「は!? オレはバニーさんではないぞ!?」柱間は抗議したが、そのまま抱え上げられて“店”に赴くのだった。



「うぅ…どうしてこんな事になってるぞ…」

ウサ耳のカチューシャとバニーガールのコスプレをさせられた柱間がマダラと共に『バニーハウス』の小さな部屋を占領する。
淡い桃色に塗られた壁にガラス張で丸見えの浴室、置かれたビニールのマットレスに其処が“何”を提供する場所なのかは一目瞭然だった。

木ノ葉の警備部隊に属するマダラの耳は早い。
少し前に『融通して欲しい』ずしりと重い鞄を持った男が訪れていたからマダラもその内容については把握していた。本来であれば取り締まるべき警備隊が、裏の世界と繋がっているのは問題になるだろう。――事実、問題になった。
けれど、締め付けてばかりでは戦忍のストレスの発散場所はない。逆に、悪い輩が集まって質の悪い花街を作られても困る。それなら、細い糸で繋がってやれ――と、管理もするようになったのだ。お陰で治安の悪い花街ではあるが、不思議とガラの悪いヤクザ者は闊歩しない。そして、この街から流れる金も里の財源にもなっていたから、扉間も強く出れなかった(ので、ある意味柱間の言う“経済を回している”は正解なのである)。

「ほら、ちゃんと相手してくれよウサギさん」

受付に札束を置いて「一部屋貰うぞ!」そう柱間を押し込めたマダラは満足そうに笑う。

「うぅ…」

溌溂としたマダラの表情と対応するように、柱間の表情は優れない。彼は“ウサギさん”と形容されるに相応しい、バニーガールの格好をさせられていた。幾重にも重ねた着物姿に慣れてしまっているから、こうして太腿を晒すのに抵抗があるし、胸元も大きく開いているのも照れ臭い。

「…何を…どうすればいいんぞ……」

萎れた顔で肩を落とす柱間の前には洗面器になみなみと告がれたローションが置かれていて、ぬるりとした感触に更に柱間は微妙な表情を作る。

「…お前、女郎屋に行ったことはないのか」

柱間の言葉にマダラは身体を起こすと、柱間の後ろから手を伸ばしてぬるりとした其れをゆっくりと掻き回した。

「………」

押し黙った幼馴染に「別に俺に見栄を張ったって仕方ないだろう」マダラは諭す。

――恋愛事に興味の薄い男だ。
愛しているのは、里のことだけ。

「…こうしてな、人肌に温めて使うんだ。
 冷たいままだとびっくりするだろう」

柱間の肩に顔を置き、脇の下から両手を通したマダラは柱間の手を掴むとローションの中を泳がせる。暫く、ぐるぐると混ぜるだけだったが、ローションを掬って手に摺りこませるようにして温めると、「ほぉ…?」柱間は顔を上げた。

「…ほら、こうしてな……」

マダラは言うとたらりと指先から柱間の胸元にローションを垂らす。

「…っ!」

人肌に温まった液体に、柱間が驚く。
彼の反応を気にせず、マダラは続けた。

「マッサージしてやるんだ」

開けた胸を撫でてマダラはローションを擦り付ける。。
安い生地の隙間に指を這わせ、その奥に隠された柱間の乳首に触れると「…ひィン!」彼は小さく啼いた。柱間の背中が反り、「くすぐったいぞ!」振り向いて抗議する。

「マッサージだと言ったろ?」

マダラはもう一度言うと柔らかな胸筋を揉んでぴんと張った乳首を捏ねた。

「……ぅん、や…何処を…触って…」

もぞもぞと身をくねらせる柱間にマダラの心拍数が上がる。
普段はもっとあられもない姿を晒しているのに、初々しい反応をするのが柱間の良い所だった。

「…っは……ふ…ひ……ン……」

両手で胸を弄られ、柱間の口から甘い吐息が漏れる。
ぬるりとしたローションが外気に冷えて冷たいのに、触られた箇所は熱くなる。恋人に触られて気持ちが良いのはかの火影でも同じだった。

「いいか、柱間。
 こうして…」

マダラは柱間の耳元で囁くと、そっと耳たぶを食む。舌も伸ばして舐めた――刹那、

「兄者!!!!」

薄い鉄のドアが蹴飛ばされ、扉間の怒号が響き渡った。

「とっ、扉間!」
「扉間ァ!!!」

マダラと柱間はぴったりとくっ付いたまま、破壊されたドアに顔を向ける。

其処は鬼の形相をした柱間の姿があった。

「お客様~困ります~~」

半泣きの黒服を腰にぶら下げた彼は眼光も鋭くマダラを睨みつけ、その視線は里の最高権力者も怯えさせた。

「兄者ッ!!!
 いつもいつもいつも……!!!!」

銀色の髪を逆毛立て、赤い瞳で睨むその様は白髪鬼に相応しい出で立ちで、肩の毛皮すらも怒気を含んで逆毛だって見える。

「マダラ、また貴様か!」

バニーガールの格好をさせられた兄の胸を揉む警備隊長の姿に扉間は思い切り眉を寄せると

「兄者、帰るぞ! 何という格好だ!!」
「こ、これには理由があってのぅ…」

柱間の腕を掴んで得意の飛雷神の術を使って即座にその場から身を消した。
腰に抱き着いた黒服が「ふぇっ!?」床に肩を打ち付けて素っ頓狂な声を上げると、今度はコトを理解したマダラの絶叫が響き渡るのだった。

「柱間ァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!」



――扉間、許すまじ。

何故か壊したドアの弁償をさせられたマダラが、扉間に一層の憎しみを抱くのだった。

その後、マダラが柱間にバニーガールの衣装を送ったのはまた別の話。

*おしまい*

拍手

PR
 HOME | 483  482  481  479  480  478  477  476  475  474  473 
Admin / Write
What's NEW
PASSについては『はじめに』をご覧ください。
2025.07.09
 えすこーと UP
2025.06.27
 しかえし UP
2025.06.26
 ろてんぶろ UP
2025.06.23
 しーつ UP
2025.06.20
 ねっちゅうしょう UP
2025.06.17
 あくじき UP
2025.06.15
 しゃしん UP
2025.06.14
 ヒーロー情景者がヒーローの卵を手伝う話
 大人になったヒーロー情景者が現役ヒーローを手伝う話 UP
2025.06.12
 ていれ② UP
2025.06.10
 せきにん UP
2025.06.09
 よっぱらい UP
2025.05.28
 まんぞく UP
2025.05.27
 きすあんどくらい UP
2025.05.26
 もーにんぐるーてぃん UP
2025.05.23
 みせたくない UP
2025.05.21
 あい UP
2025.05.15
 サイズ UP
2025.05.13
 すいぞくかん UP
2025.05.12
 intentional gentleman UP
2025.05.09
 てんしのあかし
 considerate gentleman UP
2025.05.06
 新米ヒーローと仕事の話
 そんな男は止めておけ! UP
2025.04.27
 なつのあそび UP
2025.04.19
 はちみつ UP
2025.04.18
 ようつう UP
2025.04.16
 しつけ UP
2025.04.10
 へいねつ
 鮫イタSSまとめ UP
2025.04.08
 ヒーロー2人と買い物の話
 かいもの UP
2025.04.05
 こんいんかんけい UP
2025.04.04
 角飛SSまとめ⑦ UP
2025.04.03
 ゆうれい UP
2025.04.02
 汝 我らに安寧を与えん UP
2025.03.31
 どりょく UP
2025.03.29
 とれーにんぐ UP
2025.03.28
 しらこ UP
2025.03.26
 ティム・ドレイクの幸せで不幸せな1日
 あいのけもの 陸 UP
2025.03.25
 さんぱつ UP
2025.03.23
 けんこうきぐ UP
2025.03.21
 へんか UP
2025.03.20
 はな UP
2025.03.18
 こえ UP
2025.03.17
 こくはく UP
2025.03.15
 ぎもん UP
2025.03.14
 あめ UP
2025.03.12
 よだつか/オメガバ UP
2025.03.10
 あこがれ UP
2025.03.08
 おていれ UP
2025.03.07
 くちづけ UP
2025.03.06
 どきどき UP
2025.03.04
 たいかん② UP
2025.03.03
 たいかん UP
2025.03.01
 かおり UP
2025.02.28
 なまえ UP
2025.02.27
 さいふ UP
2025.02.26
 しらない UP
2025.02.24
 くちうつし UP
2025.02.21
 うそ UP
2025.02.20
 たばこ UP
2025.02.19
 よだつか R18習作 UP
2025.02.17
 きのこ UP
2025.02.15
 汝 指のわざなる天を見よ UP
2025.02.04
 角飛 24の日まとめ UP
since…2013.02.02
忍者ブログ [PR]