忍者ブログ
Serena*Mのあたまのなかみ。
NARUTO/カカイル

ペットシーツとカカイルの話。
6代目火影×教頭


イルカが長風呂を早めに切り上げて居間を覗くと、そこに恋人の姿はなく、襖の先の寝室で彼はベッドを整えていたようだった。

「あ、おかーえり、せんせ」

イルカの気配に口布を外した無防備な顔でイルカの恋人・カカシは振り向く。
足元に置かれた袋は“超大判”書かれたペットシーツで、2人の営みには必須のものだった。

「また入ると思ってお湯そのままですけど良かったです?」

居間の電灯を消しながらイルカは尋ねる。

「うん。
 追い炊きの出来るお風呂にして良かったよね」

カカシも目を細めると頷き、そして風呂上りでもきっちりと寝間着を着込んだ恋人をじろりと観察した。

「先生、別にそのままでも良かったのに」

そう、パンツ一丁のカカシは言い放つ。

「湯冷めしたら困るでしょう。
 髪の毛だって乾かすのに時間が掛かるんですよ」

カカシに手招きされ、そのままベッドに沈められたイルカは口を尖らせる。

「…バンザイして」

上衣のボタンを2つほどするりと外したカカシは恋人に指示する。
両手を上げたイルカにカカシは下着ごと上衣を剥ぎ取ると、そのまま柔らかな唇に顔を押し付けた。啄むように短く吸い付いて何度もその柔らかさを堪能する。イルカの方も大人しくカカシに食まれるままに、彼の後頭部を優しく撫でていた。

撓んだスプリングにペットシーツが不躾な音を出す。
必要不可欠な存在ではあったが、あまりカカシはこの品物が好きでは無かった。

ゆっくりと上体を起こして、彼も寝間着を脱ぎ捨てる。
脱ぎ捨てた先に置いたままのシーツのパッケージがあって、小さくカカシは呟いた。

「いいね、超大判」

笑った声にイルカも目尻を下げる。

「こんな時、カカシさんが忍犬使いで良かったなぁって思います」
「ま、あとでパックンたちにドヤされるんだけど」
「…それは良いご飯で手を打ってもらいましょう」
「ははっ、そうだ~ね」

少しだけ脂肪の層の厚みが増した恋人の腹筋にカカシは舌を這わせる。
濡れた部分からじわりと広がる快感に身を委ねながら、イルカは続けた。

「そう言えば、これを買ってる時にキバと出くわしまして」
「キバ? 相変わらずブリーダーとしても人気だよね」

――現に、イルカの買ってきたシーツのパッケージにもキバが印刷されている。犬塚の名はペット界ではブランドになるのだ。

「ペットシーツなんて持ってるからか、『カカシ先生の忍犬たち、どっか具合悪いんですか』なんて訊かれちまって」

6代目火影・カカシとアカデミーの教頭であるイルカが特別な関係であることは公然の秘密だった。
とは言え、一緒に暮らしているワケでもないし、仲の良い師同士、として皆が思っている(紅やいのなんかの聡い女子たちにはバレているようだが。彼女たちも“大人”だし、同僚や恩師の嗜好に口を出す事はない)。
――嘘の吐けない性格のイルカだ。素直に“自分が使う”なんて口が裂けても言えないだろうから、上手くその話題を躱せたのだろうか。

「へぇ…せんせ、何て答えたの」
「…大きい犬も多いから、便利そうだと思って、なんて適当に」

眼下で蠢く恋人の銀髪を見遣ってイルカは短く言葉を紡ぐ。

「それで?」
「いや、それ以上は特に。
 老犬にはこのフードが良いとか、散歩の仕方も変えないと駄目だ…とかそんなレクチャーを30分くらい受けちまいました」

恋人の答えに、玄関に置かれたフードにカカシは納得する。
カカシの忍犬の調子が悪いのだろうと(勝手に)察したキバが、色々と見繕って選んでくれたようだ。

「……恩師が、こんな使い方の為に買ってるって知ったらどんな顔するでしょーね…」

少しだけ意地悪く言って、カカシはイルカの下着をずり下げる。
出てきたのは半勃ちの状態の彼の雄で、零れ落ちる蜜を救い取りながらカカシは其処に口付けた。

「…ぁ、っ、ひ…」

直接与えられた刺激にイルカは喉を鳴らすが、負けじとカカシを睨み返す。

「……飼ってる犬の躾がなってなくて……手を焼いてるんです。
 大型犬でカカシ、って名前なんですけど」

――眼光の鋭さは、流石、現役の教師と言ったところか。
普段は柔和な表情のイルカから出されるこの表情に、どれだけの生徒が震えあがったのだろう。きっと、その中にはキバやナルトだって居たはずだ。

けれど――今日の相手は里の頂点・火影。

カカシはちろりと赤い舌を出すと、肯定も否定もなく、ただ一言発したのだった。

「わん」

――その宵、敷かれたペットシーツが存分に力を発揮したのは、言うまでもない。

*了*

拍手

PR
 HOME | 461  460  459  458  457  456  453  452  451  450  449 
Admin / Write
What's NEW
PASSについては『はじめに』をご覧ください。
2025.07.09
 えすこーと UP
2025.06.27
 しかえし UP
2025.06.26
 ろてんぶろ UP
2025.06.23
 しーつ UP
2025.06.20
 ねっちゅうしょう UP
2025.06.17
 あくじき UP
2025.06.15
 しゃしん UP
2025.06.14
 ヒーロー情景者がヒーローの卵を手伝う話
 大人になったヒーロー情景者が現役ヒーローを手伝う話 UP
2025.06.12
 ていれ② UP
2025.06.10
 せきにん UP
2025.06.09
 よっぱらい UP
2025.05.28
 まんぞく UP
2025.05.27
 きすあんどくらい UP
2025.05.26
 もーにんぐるーてぃん UP
2025.05.23
 みせたくない UP
2025.05.21
 あい UP
2025.05.15
 サイズ UP
2025.05.13
 すいぞくかん UP
2025.05.12
 intentional gentleman UP
2025.05.09
 てんしのあかし
 considerate gentleman UP
2025.05.06
 新米ヒーローと仕事の話
 そんな男は止めておけ! UP
2025.04.27
 なつのあそび UP
2025.04.19
 はちみつ UP
2025.04.18
 ようつう UP
2025.04.16
 しつけ UP
2025.04.10
 へいねつ
 鮫イタSSまとめ UP
2025.04.08
 ヒーロー2人と買い物の話
 かいもの UP
2025.04.05
 こんいんかんけい UP
2025.04.04
 角飛SSまとめ⑦ UP
2025.04.03
 ゆうれい UP
2025.04.02
 汝 我らに安寧を与えん UP
2025.03.31
 どりょく UP
2025.03.29
 とれーにんぐ UP
2025.03.28
 しらこ UP
2025.03.26
 ティム・ドレイクの幸せで不幸せな1日
 あいのけもの 陸 UP
2025.03.25
 さんぱつ UP
2025.03.23
 けんこうきぐ UP
2025.03.21
 へんか UP
2025.03.20
 はな UP
2025.03.18
 こえ UP
2025.03.17
 こくはく UP
2025.03.15
 ぎもん UP
2025.03.14
 あめ UP
2025.03.12
 よだつか/オメガバ UP
2025.03.10
 あこがれ UP
2025.03.08
 おていれ UP
2025.03.07
 くちづけ UP
2025.03.06
 どきどき UP
2025.03.04
 たいかん② UP
2025.03.03
 たいかん UP
2025.03.01
 かおり UP
2025.02.28
 なまえ UP
2025.02.27
 さいふ UP
2025.02.26
 しらない UP
2025.02.24
 くちうつし UP
2025.02.21
 うそ UP
2025.02.20
 たばこ UP
2025.02.19
 よだつか R18習作 UP
2025.02.17
 きのこ UP
2025.02.15
 汝 指のわざなる天を見よ UP
2025.02.04
 角飛 24の日まとめ UP
since…2013.02.02
忍者ブログ [PR]