Serena*Mのあたまのなかみ。
DCコミック/クラーク(スーパーマン)×ブルース(バットマン)
何故かクラブルにはダサいタイトルを付けたい欲がある。
別になんてことはない、感謝祭を過ごすだけの話。
何故かクラブルにはダサいタイトルを付けたい欲がある。
別になんてことはない、感謝祭を過ごすだけの話。
「そうだ、母さんがね、君とアルフレッドを今度の感謝のディナーに招待したいって」
深夜二時の気だるさとまどろみのひと時、ナイトテーブルの薄明かりで子供向けのペーパーバックを読んでいたクラークが不意に視線を上げる。
「…感謝祭のディナー…?」
背中を向けて寝こけていたブルースがそっと寝返りを打って小さく欠伸を噛み殺す。
「あ、明るかった?」
ブルースが目を細めたので慌ててクラークがランプを消そうとすると、静かにブルースは其れを止めた。
「別に、いい…」
言って、ふわふわの羽毛の枕に顔を埋める。
――場所は、ゴッサムで一番良いと云われる五つ星ホテルのペントハウス(勿論、ウェイン産業の傘下だ)。
とある議員の私的なパーティーの会場が此処であり、来賓として招かれたブルースと報道としてやってきたクラークは帰るのも面倒だとそのままこのホテルに留まったのだった。
…どうせ、会えばいつだってやることは同じ。
「ん、でもこんな時間だもの、寝ようかブルース」
クラークは云い、灯りを落とすとそっと恋人の額に口付ける。
そのままするりとシーツに素肌を滑り込ませると逞しい恋人をぎゅっと抱きしめた。
左側のあばら骨のあたりは昨日の見回りの小競り合いでちょっとだけ腫らせていたから細心の注意を払って触れないように心がける。
行為の最中ですら、彼が意識的にその場所に触れてこないのでブルースもいい加減に気付いたようだった。
「…知っていたのか」
――彼は、生身の人間だ。いつだって生傷が絶えない。
「分かりすぎるってのも不便だよね」
クラークはブルースの首筋に顔を埋める。
「ね、忘れないでね。感謝祭…」
恋人の芳香に安心したのか、言うや否や彼はすぅすぅと寝息を立てる。
人の事だけ起こしてさっさと寝てしまった彼に、ブルースは少しだけ呆れてその豊かな黒髪をそっと撫でた。
「おやすみ、クラーク」
*
小さく深呼吸して、ブルースはケント家の木製のドアを叩く。
「はぁい!今開けるよ!!」
クラークの声が響いたが、ドアを開けたのはその人物の母だった。
「ようこそ、ケント家へ。
一緒に感謝祭を過ごすことが出来て嬉しいわ。どうぞ、寛いでちょうだいね」
感謝祭の昼過ぎ、アルフレッドを伴って現れた彼にマーサは太陽のような笑顔を向ける。
「こちらこそお招き有難う。
口に合うと良いのだが…」
ブルースが云うと侍したアルフレッドが豪華にラッピングされた包みを渡す。
それはマーサもよく見ているフーディーズchのパティシエが経営するスイーツショップのもので、カンザスには出店していない真新しいお店だった。
少し前にデイリー・プラネットの誰かから情報を仕入れたのであろうクラークがゴッサムに新店舗が出来たのだと話してくれたのを思い出す。
「あら…まぁ…」
彼女は嬉しそう顔を綻ばせ、にその大きな箱を受け取る。
更にクラークは続けた。
「こちらはお茶請けに…と思って。
アルフレッドのクッキーを食べてみたいと聞いていたから…」
と、小さな茶色の紙袋を箱の上に乗せる。ラッピングされていない其れはホームメイドそのもので、温かみを感じたマーサは「嬉しい!」とさらに笑顔を輝かせるのだった。
「さ、どうぞお入りになって。
さっきターキーをオーブンに入れたところなの、お茶にしましょう」
クラーク!手伝って頂戴!
そう続けたマーサとごく自然に母を手伝うクラークに、自分には失われてしまった“親子”を感じてしまったブルースは羨ましくもあり、少しだけ寂しさを覚えた。
「……」
そんな様子の彼に気付いたアルフレッドが、そっとブルースの背中を擦る。
「あぁ、悪い。私の家族はお前だったな」
薄く微笑んだ彼に、アルフレッドは小さく頷き返すのだった。
*
感謝祭の食事も終わり、マーサとアルフレッドが手際良く片付けをしている。
居場所が無くなった二人は「上に居るよ」と告げてクラークの自室でのんびりと食後のコーヒーを楽しもうとするところだった。
「君が普段飲んでるコーヒーには劣るだろうけど…」
白い来客用のマグを渡してクラークは苦笑する。
「淹れてくれた人の真心がある。美味しいよ」
堅いベッドに腰掛けてブルースは答える。
高級なコーヒーショップで有名なバリスタが淹れてくれたコーヒーだってとびっきりに美味しい。
けれど、アルフレッドやマーサ、そしてクラークが淹れてくれたコーヒーだって【心】があったから高級店のコーヒーよりずっと美味しいと彼は感じていた。――其れが例え、粉を溶かしただけの代物であっても。
「そう?それなら嬉しいけど」
きっとティーンの頃から使っているのであろう、少しだけ塗装の剥げたカートゥーン模様のマグでコーヒーを飲んでいたクラークが向かいの椅子に座る。
出窓から見える景色は一面の畑で、夜空には無数の星がキラキラと瞬いていた。
ゴッサムの高いビルと明るい夜が“普通”のブルースにとって、恋人の住む町の景色は物珍しく映る。
「…今日は、ありがとう」
階下から響くのは、マーサとアルフレッドのお喋りと、片付ける食器の音。
「母の味、と言うのは無条件に温かくて美味しいものだな」
彼は静かに続ける。
丸ごとのターキー、其々の家庭の味がするスタッフィング。
グレービーソースとクランベリーのソースにローストした芽キャベツ…
いつだって食べられる料理だし、何処だって、誰とでも食べることの出来るメニューだったが今日この日のは特別に美味しく、格別のディナーだった。
「美味しいでしょ、母さんの料理」
母を褒められて嬉しいのだろう、クラークは上機嫌に続ける。
「『いつでも食べにおいで』って言ってんだから、また来てよ」
彼は母を真似て言う。
それは、先刻のディナーの席でマーサの言った言葉だった。
地球上でのカル=エルを育てたその人は大いなる愛に満たされた人で『息子の恋人なら家族じゃない』そう言って驚きに固まったブルースを抱きしめてくれたのだ。
――あぁ、やはり彼は太陽の人なのだな。とブルースは思う。
「今夜はこのまま泊まってくよね?」
彼は意味深に微笑を浮かべると、黒縁眼鏡をそっと外す。
そして、そのままベッドサイドに腰掛けたブルースの上に跨った。
「…下に誰が居るのか分かっているのか」
彼の意図を察したブルースが短く言い放つ。
「恋人だもん、いつだってやることは一緒だし…」
って言うか君が声を出さなければいいだけの話だよね?
短く付け加えると思い切り鼻を摘まれてしまった。
「…お前が盛(さか)るからだ」
少しだけ恥ずかしそうに視線を逸らしたブルースの心拍数が上がったのを、クラークは見逃すわけがない。
「でも、好きなんでしょ」
いつでも最初こそ乗り気じゃないブルースだったが、最後はいつもクラークと共に情事を楽しむのだ。
図星を突かれたブルースが咄嗟にクラークを睨みつけるが、直後、不敵な微笑を浮かべた。
「誰が好きでこんな若造に抱かれてやってるんだ」
そう言って恋人に口付ける。
濃厚に舌を挿し入れてやるとクラークもそれに応じてしっかりと返される。
何度もお互いの口内を往復するうちに、クラークの中心が熱を持ち始めたのがブルースにも伝わってくるのが分かった。
ゆっくりと唇を離し、色を帯びた視線を合わせる。
「…君と惹き合わせてくれた神様に感謝するよ」
ゆっくりと恋人を押し倒してクラークが呟く。
ブルースの眼前には幼少期のクラークが毎晩見て過ごしたのであろう、木製の天井が迫っていた。
「“感謝祭”の意味が違うんじゃないか」
彼は人が悪そうに口の端を歪めたが、それは直ぐに恋人によって塞がれる。
「いいの、僕、人間じゃないから――」
――都合は悪くなると、すぐに宇宙人のフリをするのはクラークの常套手段で
でも、それすらも愛おしく感じていたブルースだったから直ぐに彼からの接吻に応じた。
「…お手柔らかに頼むよ、我が宇宙人君(スーパーマン)…」
「Do not be afraid of me(僕を怖がらないで)」
手荒くお互いの衣服を脱がせて、二人の感謝祭の夜が始まる――
*FIN*
私の中ではスーパーマンリターンズのクラークとBvsSのバッドマンが理想(顔カプと言われようとも!!!)
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