Serena*Mのあたまのなかみ。
メダリスト/夜鷹×司
「ん」
恋人を組み敷いた夜鷹がスプリングを撓ませると、司は小さく喉を鳴らす。
シャワーを浴びたばかりのまだ湿った肌に誘われるように首筋に夜鷹が顔を寄せると、石鹸の香りとも違うえも言えぬ甘い芳香が鼻孔を擽った。
夜鷹にはよく使う香水はあるが、司がそう言ったものを使っている記憶はない。肌をさっぱりさせるような制汗剤やボディシートを持ち歩いているのは知っているが、その類の香りとも違うように感じる。隠して何か持ってきた? 彼は其処まで秘めるのが上手いか?
夜鷹は恋人の芳香を嗅ぎながら考える。
「…良い、においがする。
香水…変えたの?」
うなじを一舐めして夜鷹が顔を離すと潤んだ瞳の司は首を振る。
「何も、してないです」
――だって貴方がこうして舐めるから、ボディクリームだって塗らないのに。
言いたい言葉をぐっと飲み込んで司は続ける。
「…柔軟剤、とか…?」
「……僕たち、裸だよ」
恋人からの返しは全うで、うぐ、司は言葉を詰まらせた。
「…本で、見たことがあるんだけど」
今度は鎖骨に舌を這わせた夜鷹がゆっくりと話す。
空いたを恋人手のひらに指先に絡めると「ん」司は鼻を鳴らした。
「遺伝子的に、”近い”人間の匂いって嫌なものに感じるんだって。
娘が父親を嫌うの理由の一つなんだとか」
そのまま柔らかな胸板を飾る乳首に噛り付いて夜鷹は想像する。
いつか慎一郎くんも汐恩に『パパの洗濯物と一緒にしないで!』なんて文句を言うのだろうか。想像した姿に「クソジジイのと洗うなよ!」理凰の姿が重なって夜鷹は少しだけ頭を痛めた。
「…それ、聞いたことあります」
上擦りそうになる声を必死に隠して司は答える。
絡めた指を解くと、胸を舐める恋人の頭を撫でた。
夜鷹は顔を上げると続ける。
「きみは…凄く安心する匂い。
……きっと、僕たちの相性は最高なんだろうね…」
言って身体を起こすと、また司の首筋に顔を埋める。
かぷ。
独占欲を表すように襟首に歯を立てると「ぁん」司は啼いた。
また指を絡めて、今度は唇を塞いで。
熱く脈打った本能を恋人に押し付けると司も腰を摺り寄せた。
*
翌日のリンク演習。
いつもは半袖のインナー姿で氷上に立つ司が今日に限ってパーカーを手放さず、しかも鍵開けの時間にも少し遅れてきたことから相棒の高峰は事態を察していた。
――スポーツインナーがハイネックで命拾いしたわね。
相棒の四肢に刻まれたであろう恋人の証に、彼の背後に見える夜鷹の幻覚を高峰は睨むのだった。
*おしまい*
恋人を組み敷いた夜鷹がスプリングを撓ませると、司は小さく喉を鳴らす。
シャワーを浴びたばかりのまだ湿った肌に誘われるように首筋に夜鷹が顔を寄せると、石鹸の香りとも違うえも言えぬ甘い芳香が鼻孔を擽った。
夜鷹にはよく使う香水はあるが、司がそう言ったものを使っている記憶はない。肌をさっぱりさせるような制汗剤やボディシートを持ち歩いているのは知っているが、その類の香りとも違うように感じる。隠して何か持ってきた? 彼は其処まで秘めるのが上手いか?
夜鷹は恋人の芳香を嗅ぎながら考える。
「…良い、においがする。
香水…変えたの?」
うなじを一舐めして夜鷹が顔を離すと潤んだ瞳の司は首を振る。
「何も、してないです」
――だって貴方がこうして舐めるから、ボディクリームだって塗らないのに。
言いたい言葉をぐっと飲み込んで司は続ける。
「…柔軟剤、とか…?」
「……僕たち、裸だよ」
恋人からの返しは全うで、うぐ、司は言葉を詰まらせた。
「…本で、見たことがあるんだけど」
今度は鎖骨に舌を這わせた夜鷹がゆっくりと話す。
空いたを恋人手のひらに指先に絡めると「ん」司は鼻を鳴らした。
「遺伝子的に、”近い”人間の匂いって嫌なものに感じるんだって。
娘が父親を嫌うの理由の一つなんだとか」
そのまま柔らかな胸板を飾る乳首に噛り付いて夜鷹は想像する。
いつか慎一郎くんも汐恩に『パパの洗濯物と一緒にしないで!』なんて文句を言うのだろうか。想像した姿に「クソジジイのと洗うなよ!」理凰の姿が重なって夜鷹は少しだけ頭を痛めた。
「…それ、聞いたことあります」
上擦りそうになる声を必死に隠して司は答える。
絡めた指を解くと、胸を舐める恋人の頭を撫でた。
夜鷹は顔を上げると続ける。
「きみは…凄く安心する匂い。
……きっと、僕たちの相性は最高なんだろうね…」
言って身体を起こすと、また司の首筋に顔を埋める。
かぷ。
独占欲を表すように襟首に歯を立てると「ぁん」司は啼いた。
また指を絡めて、今度は唇を塞いで。
熱く脈打った本能を恋人に押し付けると司も腰を摺り寄せた。
*
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