ふたりの夜と踊る体温

ハイキュー/黒大

映画「ハイキュー!!　ゴミ捨て場の決戦」公開おめでとうございます。
大画面でハイキューを浴びたら書きたくなりました。

体力ゲージは
大地さん>>>>>>>>>黒尾　です。
当たり前体操。

内容なんてない話です。
（本当はきじょ…の大地さんが書きたかったんだなぁ。せれを）

――限界ならとうの昔に突破している。

今なら、こめかみを伝う汗の音もこの研ぎ澄まされた耳は拾うだろう。

鉄郎は必要以上に脈打つ心臓に“煩い”思いながら生唾を呑み込む。

3セット先取のゲームの5セット目？——否。
地獄の駆け上り100本？——否。
木兎に付き合わされた1000回ブロック？——否。

レポート明けに久し振りに身体を重ねた恋人からのお願い――然り。

「…もう、終わり、か…？」

醸し出す雰囲気は年より上に見えるのに、童顔な黒目がちの瞳を潤ませて大地は鉄郎を見上げる。

組み敷いた鉄郎はもう一度唾を呑む。

はっきり言って、恋人は体力が在る。
当たり前だ、10センチ近く身長差はあるのに体重の差は5キロ程度、しかもチャーシュー麺大盛をペロリと平らげる恋人を前に鉄郎は「見てるだけでお腹いっぱい」自身の大盛ラーメンからもチャーシューを差し出すのだ。朝のロードワークだって先にバテるのは鉄郎の方、

『体力が資本でしょうが』

振り返る大地に『現役じゃないんですぅ』なんて言い訳をするのも当たり前になってしまった。

「…大地サンが上に乗ってくれたら万事解決な気がする」

短く切ったばかりの恋人の髪を撫でて鉄郎は口角を上げる。

自分は休めるし、下から眺める大地の胸筋は絶景だろう。
丸く肉付いた造形、掴むと柔らかく指が沈み、ツンと上を向く乳首を弾けばきっと良い声で啼く。自身の赤黒い欲が恋人に飲まれ、其れによって乱される恋人を見上げるのはさぞかし至福の時間だと思う。

――想像しただけで鉄郎の若い欲は疼く。

「ねぇ、大地さん…」

雄としての本能を擦り付けながら、耳たぶを舐めた鉄郎に

「あーーーーーー無理無理無理ッ！！！」

色気なく大地は顔を背け、じっと恋人を見つめた。
――鉄郎の弱い、潤んだ瞳で。

「……無理、か？」

恥じらうように枕を引き寄せた姿に、“ハイ、無理です”なんて言える黒尾鉄郎ではない。

「ヨロコンデー！！！！！」

鉄郎は覚悟を決めると枕を引っぺがして最初の口付けを捧げるのだった。

そんな彼の脳裏に浮かぶのは、今度の買い物メモ。

・コンドーム（XL）
・サロンパス

＊おしまい＊