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Serena*Mのあたまのなかみ。
Xにて書き散らかしたSSまとめ④(2023.10~12)
※各種パロ(転生・リーマン)、謎時空、モブ視点、ワードパレット 色々あります

ベッドのはしっこ
「軋む音」「背中越し」「冷静」
※現パロ

新しく越してきた住人は随分と“お盛ん”な人のようだった。
飛段の方も残業だったり恋人の家へ転がり込んだりでこの家にカンヅメしている事は滅多にないのだが、それでも平日夜の在宅率は高い。就職を機に引っ越しても良かったが、学生時代から慣れ親しんだ町を離れるのは名残惜しく(駅前の総菜屋のオバちゃんとも仲が良いし!)、通勤にも便利なのもあって離れられないでいた。

「…っアーーー疲れたぁ」

角都に言われて提出する書類を持ち帰りで作っていた飛段は大きく伸びをする。背を伸ばすと直ぐに壁にぶつかる狭い部屋は大学生向けのワンルームそのものの造りで、夜半も回ったその時間、薄い壁の背中越しに“ナニか”が軋む音が無音の部屋に響いた。

「ま~~た始まったよォ」

飛段はテーブルに広げた書類を片付けながら呟く。ついでに、半分まで空にした発泡酒の缶を飲み干して「元気だねぇ」そう続けた。

――確か、この音が聞こえたのは昨日。その前はその3日くらい前か。

壁に掛けたカレンダーを見ながら妙に冷静に分析した自分に「…っは」飛段は頭を抱えて笑うと、妙に恋人が恋しくなってメッセージを送る。

『やきにく!!』

飛段よりもずっと聡い恋人は書類を提出した褒美だと思うだろうか。褒美の対価に、その肉体を差し出せるのかと。
いつも食事の後は抱かれるのがお決まりだったから飛段も特に何も思わなかったし、美味い飯が食えた上に極上の時間を過ごせるのだ、“恋人”の存在は悪くないとさえ思う。

次第にギシギシと響く音が大きくなって、飛段も「俺も恋人を連れ込んでやろうか、あぁ゛?」なんて叶わない妄想をするのだった(何故って? 角都の部屋の方が広いし、トイレもユニットバスじゃないし、何より角都を呼ぶのにこの部屋を掃除するのが面倒だ!)。

= = = = =

1つだけ欲張りたい]
「下手」「見上げる瞳」「沈み込む」

太腿の間に沈み込んだ銀髪の動きが止まり「うぉ゙ぇ゙っ」嘔吐(えず)く声に角都は不死とて拒否反応は同じなんだな、当たり前のことを思った。
見上げる瞳は少し得意げで、仕方なしに頭を撫でてやる。乱した髪の毛を撫でつけて整えてやると「どうだ?」飛段の鼻息は荒い。
角都は目を細めて微笑を浮かべると、たっぷりの間を置いて恋人の自信を叩き潰してやった。

「……下手くそ」

= = = = =
夜に溶ける
「消え入りそうな」「触れている」「灯りを消して」

「暗くなるのは、嫌いだ」

茜色の空の下、崇拝する宗教の象徴印(シンボルマーク)の上で大の字になった飛段が口を尖らす。

「どうした、藪から棒に」

巾着の中に入れた小銭を数えて角都は返す。
こうして飛段が口を開くのは儀式が終わったからだろう。何もない場所で半刻、こうして待つ身にもなって欲しいと角都は常々思っていたが、帳面を書きつけたりビンゴブックを捲ったり、祈りを捧げる相棒の姿を眺めているうちに時間などあっという間に過ぎてしまう。

「なんかよぅ、楽しかった今日が終わるみて~でさ」

外套の土埃を払って起き上がった飛段に、角都は彼の得物を渡す。

「あんがとなぁ」

飛段は素直に礼を言うと、慣れた様子で鎌を担いだ。

「…お前は、1日が楽しいのか」

落ちる陽に向かってすたすたと歩き始めた角都を飛段は追い掛ける。
相棒の隣で同じ歩調で肩を揺らすと、飛段は続けた。

「ん? 楽しいぜぇ。角都と一緒だしよ~」

彼の答えに「そうか」角都は独り頷く。
今にも消え入りそうな赤い光に飛段は目を細めると、

「…今日が死んだ」

ぼそりと呟いた。
茜色を吸収した銀髪が赤く染まり、普段の彼とは別人にも見える。

――“死”に敏感な不死の男か。

口布の下で角都は嗤った。

「なぁ~今日の飯はなにぃ? 肉食う??」

そんな飛段は相棒の様子には気が付かないようで、普段と変わらずに好物を要求するのだった。



「……暗いのは、嫌いじゃなかったのか」

宿の一室、灯りを消して布団に潜り込んだ相棒に角都は皮肉る。
角都の毒を無視して飛段は腕の中に身体を捻り込んだ。触れた素肌が温かく、しっとりと角都に吸い付く。洗い立ての髪から揃いの石鹸の香りが立ち上り、無意識に角都も丸い後頭部に頬を寄せた。

「…角都ぅ、お前は死ぬなよぉ」

手のひらを絡めて飛段は小さく口付けを落とす。浅黒い肌に細やかな傷が多い角都の手のひらは、あらゆる戦場を生き延びた忍のものだ。

「…俺は死なん。お前は俺が殺す」

耳元で囁いてそのまま首筋に齧りついた角都に「ソレを俺に言う?」飛段も返すと、ぐるりと身体を返して相棒と向き合う。

闇に溶ける黒髪に、浮かぶ禍々しい緑の瞳。

――人の輪廻から外れた自分に似合うのは、同じく輪廻を外した相棒。
魂を4つ持ち、補充をすることで同じ“不死”になれる。

「……どうした、今日は妙に饒舌だな」

幼子を寝かしつけるように背中を擦った角都に「もう寝る」飛段は口を尖らせると腕に頭を押し付ける。十も数えないうちに規則的な寝息をたてた飛段に、角都も書物で読んだ話を思い出した。

――死の瞬間は“睡眠”に似ているのだと言う。
だから赤子は眠るのを嫌がり、抵抗して泣くのだと。

1日が死を迎えるように、人もこうして死を迎えるのなら。
不死のバケモノと形容される自分たちも、充分に人間(ヒト)なのだな、なんて睡魔に回らない頭でぼんやり考えるのだった。

= = = = =
お御籤

立ち寄った小さな村の神社で御籤を引いた。

角都は中吉、飛段は凶。

――御籤など、心掛け次第。
心の在り方を示しているだけだ、角都は思うから“金運”の項目だけ読むとくしゃりと薄紙を丸める。

「ん」

一緒に捨てて、云わんばかりに渡された御籤を素早く読んだ角都は自身の御籤と一緒に握り潰す。

「…凶か」

縁談・現状維持に努めること 健康・大怪我に気を付けよ 金運・賭博に注意

「お賽銭はいいのかぁ?」

ガランガランと本坪鈴 (ほんつずず)を鳴らした相棒に「御籤に金は払った。充分だろう」角都は言い放つ。飛段は相棒の言葉に肩を竦めると「今日もいっぱい贄を捧げます、ジャシン様!」元気に祈るので

――他所の神に祈る莫迦がいるか。瞼の裏で罵った。

また、ある時の御籤の結果は角都は吉で飛段は大凶。

「お前の結果はいつも悪いものばかりだな」

縁談・破談に注意 健康・内臓の病気は長引く 金運・よくない

あまり良さそうな文言の書かれていない御籤に角都は笑うと、見られた飛段はあっけらかんと笑った。

「ん? だって俺の信じるのはジャシン様だけだからよぅ。
 他の神さんからキツこと言われたって仕方なくねぇ?」

それに、神様は角都と出会わせてくれた。それで充分だし。

そう続けた飛段に「ん゛っ」思わず角都は心臓を掴む。

「…ぉ? どした角都ゥ」

突然に俯いた相棒を飛段は覗き込んだ。

「…飛段」

視線を合わせた角都の顔が思いの外険しくて、思わず飛段は息を呑む。

「……本当に、お前は…」

角都は言葉を濁すと、大きな手のひらで角都の頭を撫でた。

「!!!!」
「…俺の金運は悪くないらしい。賞金首を換金したら肉でも食いに行くぞ」

珍しく、相棒からの好物の提案に飛段の顔に笑顔が広がる。

「~~っしゃぁ!」

がしゃんと担いだ鎌を揺らしてガッツポーズした飛段に、愛い、改めて角都は感じるのだった。

= = = = =

くちづけ

飛段はよくキスを強請る。

ある時は宿の一室で

「なぁ角都ゥ。ちゅーしようぜぇ」

またある時は人通りの少ない街道で「ん」背を伸ばす。

唇を合わせるだけの子供染みた口付けに意味はあるのか、角都は口布を上げてふっくらとした唇に触れる。
舌も挿れない、唾液も押し付けない、そんな興奮しない接吻に角都は快楽を見出せない。けれどツンと唇を尖らせて瞳を閉じる相棒が可愛くて、仕方なく応えてやるのだ。

「ジャシン様——…」

朝の祈りの時間、首に下げたシンボルにキスした飛段に角都ははたと気が付いた。

「飛段」

相棒の声に飛段は振り向く。

「……わ~ってるよ、早く支度しろっつーんだろぉ」

外套を羽織り、得物を担いだ飛段は面倒そうに頭を振ると歩き出した角都を追い掛ける。
大股で歩く彼をぱたぱたと忍らしからぬ足音で追う相棒に、角都はぴたりと歩みを止めるとじっと飛段を見つめた。

「…な、なんだよぅ」

機嫌が良いとも不機嫌とも分からない、微妙な表情の相棒に飛段は顔を顰める。
理由も無く角都は怒る性格では無かったから、その“原因”が自分にあるのは明白だ。——だが、その理由が分からない。……いや、思い当たることが多すぎて分からないのが正しい言い方だった。

「角都ぅ…?」

不安げに見上げた瞳に

「……朝の口吸いは良いのか」

角都はずい、と口布を下げて呟く。相変わらず顔は険しいままだったが、彼の言葉に飛段の顔は輝いた。

「角都ぅ♡」

彼は背を伸ばすと、差し出された唇に己のを合わせる。相変わらずの子供じみた口付けだったが、敬愛する相手に捧いだ其れに角都は満足なようで「行くぞ」また頭巾を正して歩き出す。

――其の口付けの意味は、“敬愛”。

信仰を捧ぐ神に、尊敬する相棒に。

まだ“愛”の作法(キス)を知らない彼に、いつ大人の口付け(ディープキス)を教えてやろうかと算段する角都なのだった。

= = = = =

正反対

「犬が好き」と言えば「猫が可愛い」と言い、
「朝は米だろ」と言えば「パンで充分だ」と言われ、
「冷えたビールが最高」と言えば「通は常温で愉しむものだ」と返される。

いつだって飛段と角都の2人の意見は正反対で合った試しがない。
好物だって内臓を好む角都に対して飛段が好きなのは肉そのものだった。

だが、そんな2人の意見が一致する時がある。其れは――

「ほ~? コレは嫌いじゃねーのなァ??」

組み敷かれた飛段が軽口を叩くと、圧し掛かる角都は短く答える。

「種の繁栄、本能だ」

――繁栄になんて、1ミリも加担しない行為なのに。

相棒の答えに飛段は目を細めると、そのまま流れに身を任せた。

前に、角都が教えてくれたことがある。

『人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇である』

角都と飛段の此の行為、種の繁栄には全く意味を為さないが、其れでも種は続く。小さな川の流れは、大河の前には無力なのだ。

そうして過ごした夜中過ぎ、

「腹減ったぁ」「水飲みてェ」「な~明日は何すんだ?」

喋りたがる飛段とは反対に、角都は無言を貫くとさっさと布団に潜りこむ。

「なぁ、角都う。なぁなぁなぁなぁ」

揺さぶる相棒を無視して狸寝入りする角都に、やっぱり2人は正反対なのだった。

= = = = =

Halloween

「Happy Halloween!」
「お菓子をくれないと悪戯しちゃうぞ~!!」

商店街で仮装した子供たちとすれ違って、飛段は首を傾げる。

「今日は祭りかぁ?」

店頭に飾られたジャック・オー・ランタンに黒猫のオブジェ、揺れる魔女のガーラントを見ても彼は其れが“何か”が分からないらしい。
換金所から渡された金を懐に仕舞い込んだ角都は冷ややかな目線を相棒に向ける。

「ハロウィン。…ここ4、5年で随分と市民権を得た祭りだ」
「はろうぃん?」
「本来であれば死者を…」

言いかけた角都に飛段は目を輝かせる。

「死者ァ!? 俺の祭りかぁ!?」

そんな彼に角都は眉を顰めると面倒そうに手を振った。

「……そんな祭りの由来なんて別にいい。
 今はこうして仮装した子供たちが『菓子を寄越せ』と練り歩くだけだ」

随分と端折った角都の説明ではあったが、飛段には其れで充分だったらしい。ふうん、彼は言うと往来を走る子供たちに視線を投げる。

伝説の三忍の格好をした少年、影の傘を被った少女、猫の耳を付けただけの簡単な格好の者も居れば、凝った仮装を披露する子の姿もあった。

「じゃ~俺はぁ…」

素早く変化の印を結んだ飛段は、白煙を上げて愛くるしい女性に姿を変える。

銀色の髪は長く垂らしたツインテールに、くるりと上を向いた長い睫毛、ふっくらとした頬とさくらんぼ色の唇は艶やかに角都を誘う。
華奢な肩に零れ落ちそうな豊満な胸を申し訳程度に隠すような白と黒のブラウスに重ねたエプロン、短めのスカートから覗く脚はむっちりと健康的な太さ――その姿は、性的なサービスを重ねる店のメイドを彷彿とさせた。

「どうだぁ!?」

往来のど真ん中、仁王立ちして胸を反らせた相棒に角都は頭を垂れる。

「…お前には情緒と言うものがないのか」

険しい顔をして頭を叩いた相棒に「いってぇ~」女体になっても口の悪さは相変わらず、涙目の飛段が見上げる。

――いつかの酔っぱらった夜、角都と飛段の2人はメイド服に関する熱い議論を交わしたことがある。

目に見える“性”を求める飛段に対して、角都はロングスカートと重ね履きしたペチコートに隠される“性”が良いのだと語り、夜が明けても分かり合うことが出来なかった。

「情緒はね~けどお菓子をくれー!っては言えるぜ~?」

殴られて位置のズレたホワイトブリムを直しながら、Trick or Treat!手を差し出した飛段に角都は一層眉間の皺を深くすると外套のポケットから小さな菓子を取り出す。
渡された黒飴と酢こんぶに「もっと甘い菓子はねぇのかよ~!」飛段は抗議したが、それでも大人しく酢こんぶの箱を開けて中の昆布をしゃぶった。

「ハイカラな菓子は好かん」

角都は舌打ちしながら答えると、彼も素早く変化の印を組んで姿を変える。

現れたのは派手に姿を変えた角都――ではなく、黒いコートに赤の裏地、普段の姿とさして違いは無かったが、いつもは頭巾に隠された素顔が晒されている。縫い目の無い、浅黒い肌から覗く真っ白な牙――深夜に見た映画の“吸血鬼”だと飛段は気付く。

「俺はお前に菓子を渡したぞ。お前は渡せる菓子はあるのか…?」
「あっ、えっと~…そのぉ」

長いコートをはためかせながら、じりじりと迫る吸血鬼にメイド嬢は視線を逸らす。
いつもよりも身長差がある相棒から覗き込まれるのと、露出した顔に心臓の鼓動が早くなった。

「Trick or Treat?」

――菓子がないのなら、イタズラするぞ。

そうして、角都の悪戯が明け方まで続いたのはお察しの話。

= = = = =

魂の重さ

相棒に言われるまま、ずるずると賞金首を引きずって歩いていた飛段が「な~ァ?」先行する角都に声を掛ける。

「偶には運ぶの手伝えよぅ!」

死んだ賞金首は随分と恰幅の良い男で、忍にしては随分と異質に見える。よく見れば身に纏う服装も忍装束ではないし、額当ても見当たらなかった。——ビンゴブックに乗る高額の賞金首ではなく、個人的に探されている男なのだろうか。

「……ほんの50歩も歩いたところで音を上げるとは情けない」

角都は飛段を一瞥する。片手には相変わらず重そうなジェラルミンケースが握られており、彼が相棒を手伝う気など微塵も無いようだった。

「重ッめ~~~~んだよ!」

やっと角都の後ろまで辿り着いた飛段は吠える。
面倒だとばかりに掴んだ両手を飛段が離すと、どしんと音を立ててその死体は転がり、その音に驚いた野鳥が数羽飛び立った。

「…それは妙だな」

飛段の言葉に角都は首を傾げる。

「その男は死んだときよりも軽いはずだが?」

相棒の言葉に「ほぇ?」今度は飛段が首を捻る。

「死んだ時より軽い…って。
 死ぬと重くなるだろ、フツー」

相棒に差し出すように死体を蹴った飛段に「汚すな」角都は制する。

「21グラムだ」

彼は続ける。

「人は死ぬと21グラム軽くなる。……魂の重さだ」

角都は言うと、ジェラルミンケースを飛段に差し出した。

「お♪」

飛段が受け取って抱えると、角都は雑に死体を肩に担ぐ。

「なんだ~最初から自分で運べってのぉ」

ふくよかな賞金首を担いでも尚、速足な角都に小走りに飛段は着いて歩く。

「…なー角都ゥ。さっきの人の重さ? なんだけどよぅ…」
「……話したいことがあるならさっさと言え」
「それが21グラムっつーんなら、心臓が5つあるオメ~はどんだけ軽くなるんだぁ??」

――其れは単純な疑問だった。

人類に与えられた魂は1人に1つ。
4つの心臓を持ち、5つの魂を持つ相棒なら“どう”なるのか気になったのだ。

「…計算も出来ないのか、貴様は。
 ……理論だけで言えば100グラムと少し、だろうな」

角都の言葉に「ふうん」飛段は答えると抱いたケースを抱え直す。

「100グラムってぇ?」
「…札束1つ分くらいだ」
「へ~。意外とお前の魂って安いんだ――あ゛だっ!」

頭上から飛んできた肘鉄に思わず飛段は飛び上がる。跳ねた拍子に落としたジェラルミンケースが爪先に直撃して更に彼は叫んだ。

「……煩い、飛段」

相変わらず冷徹な言葉を角都は吐くと、相棒に気を払わずにそのまま歩き続ける。

「その理論で行くとお前の魂は二千両の価値しかないな」

くつくつと人の悪い笑い声を立てた角都に「俺ぁ死なねーーもん!」痺れた爪先を引きずりながら飛段は相棒を追い掛ける。

「そうだな、貴様は俺が殺す」

追い付いた飛段に角都は言うと、珍しくいつもとは違う言葉を飛段は返した。

「んじゃ~角都が死んだらその重さ、調べてやるからなァ!」

俺ぁ死なね~し!白い歯を見せた相棒に「勝手にしろ」角都は首を振るとまたすたすたと歩き始める。

担いだ死体は重い上に換金には全身が必要と面倒なものだったが、こうして面白い話を相棒と出来たので良いだろう、角都は思う。
コイツの重さがそのまま金になるのなら随分と高額だな、口布の裏で上げた口角に飛段は気付いていないようだった。

= = = = =



――油断した。

起爆札の付いた苦無が頬を掠め、振り向いた時には閃光とともに黒煙が上がっていた。
飛段の後ろには角都が控えている。

尾獣の情報を聞き出そうと、ある里の忍に奇襲を掛けたのはこちらの方だ。けれど今回は相手の方が一枚上手だっただけのこと。

「角都ゥ!!!!!!!!」

飛段の声が野に響き、その後の事は覚えていない。

“情報を聞き出せ”

任務を無視し、事切れた忍に槍を突き立てると飛段は木立に走る。

――どうか無事でいてくれ…!!

そうだ、アイツは死なないって言ってたじゃないか。
命のストックがあるからって。一昨日1つ失っちまったけど、まだ3つは残ってるから――

「角都!」

焦げた木の中に立つのは1人の男。
無事だったか、安心したのも束の間、彼の持った“[[rb:首 > こうべ]]”に飛段は言葉を失った。

忍の基本は[[rb:2人組 > ツーマンセル]]。追った忍も2人だったのだ。
飛段が見た物、其れは――



「ぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

殺風景な宿の一室で飛段は飛び起きる。
彼が寝入ってからあまり時間は経っていないようで、背中を向けた角都が明かりを灯した文机で何かを書きつけていた。

「……どうした、飛段」

声だけで角都は相棒を気遣う。“煩い”と言わなかったのは優しさか。

「か、か…かくずぅ……」

怖い夢を見たとばかりに、ぐしゃぐしゃに泣き出した飛段は「うわぁぁぁん」嗚咽を漏らしながら相棒に抱き着く。

「……夢でも見たか」

角都は首を振って筆を置くと、背中に引っ付いた飛段の頭を撫でる。

「かく、角都がやられて、俺…」

ぐすぐすと鼻を鳴らした相棒に相変わらず角都の対応は冷たい。

「俺は強い。俺は死なん」
「で、でもぉ……」

いやいやと首を振る飛段に角都は身体を向けると、「ほら」相棒の頭を掴んで胸に押し付けた。

静寂に包まれた部屋に、とくとく、角都の心臓の鼓動が飛段の耳に届く。

「……生きてる」

親が子を安心させるように背中を撫でると、あれだけ泣きじゃくっていた飛段の呼吸も穏やかなものに変わった。
角都の言葉に飛段は頷くが、そのままぴったりと抱き着いて離れる気配がない。

――子供(ガキ)か。

角都は心の内に悪態を吐いたが、もう一度相棒の頭を撫でると諦めた様に告げた。

「…一緒に寝てやるから、早く離れろ」

彼の言葉に飛段は顔を上げて破顔すると、そそくさと蹴飛ばした布団を直しに戻る。
角都も手元の明かりを消すと、暖かい飛段の布団に潜りこんだ。

まだ心配そうに心臓に聞き耳を立てる飛段に角都は溜め息を吐くが、無理に引き剥がそうとはせずそのまま赤子をあやすように背中を叩いて睡眠を促す。読み通りに直ぐに寝落ちた飛段から角都は腕を引き抜くと、天井を見上げて瞼を閉じた。

――夢は思考の具現化、脳の処理で現れるのだと言う。
良い事も、悪い事も。全ては本人の想像、只の幻。

俺を殺したという忍、どんな方法で命を奪ったのか。
起きたら飛段に尋ねてみようと、そう思いながら角都は眠りにつくのだった。

= = = = =

小遣い
※とても平和な暁

上忍以上の力を持つ優れた忍で構成される暁だったが、月末になると“年相応”の青年が顔を覗かせる。

「…鬼鮫」
「……そんな顔したってダメです。先月もそう言ってみたらし団子食べ過ぎて大変だったの、忘れたんですか」

部屋の隅でイタチが相棒の外套の裾を引っ張れば、向こう側でデイダラが頭を下げる。

「旦那ァ~~すぐに!すぐに返すからぁ!
 粘土が足りないんだよ、うん!!」

頭を下げた相棒に、サソリの視線は冷たい。

「永遠の美を理解してからオレに頼むんだな」

そうそっぽを向く傀儡師と、暁の食堂は別の意味で賑わっていた。

「なんでみんな金ねぇ~の」

ただいま、帰り道で買った焼き鳥を頬張って首を傾げた飛段に、相方から借金を断られた哀れな忍たちが彼を取り囲む。

「まぁ…お前に言ってもしゃーないけどな、うん。一応訊く」
「…少し、用立ててくれないか?」

オブラートに包んだイタチの表現に飛段が頭に疑問符を浮かべると、答えたのは隣に立つ彼の相棒だった。

「金の相談か。
 トイチで貸すぞ」

――暁の財務管理は角都が行っている。
任務で使う必要経費の他に、メンバーへも公平に、自由に使える金を渡していた。“貯める”なんて真面目な者は居なかったが、ペインはその金で時々本物の花を買って小南に渡していたし、小南も良い香りのする香水を買ったり、サソリは傀儡用の材料を買うこともあった。勿論、戦闘に必要なメンテナンスは行っているし、その辺は角都に申請すればきちんと金は出してくれる。けれど試したい事や新しく傀儡を作る時は自己の金で始めるのが常だった。
角都に申請しなくても貰える金――それが月々の小遣いなのである。

「角都の旦那に借りたらトイチどころか1刻で増えるだろう、うん!」

慌てて首を振るデイダラに、飛段は食べ終えた串を咥えながら答える。

「金ぇ? 俺は持ってないぜぇ。全部、角都がやってくれるからなァ」

笑い声を立てた彼に「だろうな」デイダラとイタチは顔を見合わせ、飛段に金の工面を頼むことを諦める。けれど、彼の食べていた串を見てイタチは尋ねた。

「…そう言った食べ物は……自分の金で買うのではないか…?」
「あーー? これ? 俺の小遣い?」

傍らの相棒を見上げた飛段に、角都は小さく頷く。

「だってぇ、ゲハハハ。
 だから俺から金借りたかったら角都をどーにかするしかないぜ~~」

破顔した飛段に頼むのも無駄だと肩を落としてデイダラとイタチは踵を返す。

――一応、渡される小遣いでやりくりをしているつもりなのだ。
けれど、甘味処があれば寄りたいし、自身の芸術作品を生み出したい。

買い食いにしか使わない飛段だって外の任務が続けば月末に足りないことだって――

「……なぁ、イタチの旦那ぁ」

小声でイタチを引き留めたデイダラに、イタチは足を止める。

「…? どうした?」
「アイツ、いっつも何か食ってるだろ、うん」
「そうだな」
「同じ買い食いなのに、どうしてアイツの小遣いは減らないんだ?」
「…甘味と違って焼き鳥は少し安いんじゃないか?」
「……食う量が違うだろ。ちょっと跡を付けてみないか、うん」
「…相手は忍だぞ…?」
「こっちだって忍だ!」

難しい顔をして飛段の角都の背中を睨んだデイダラの表情に、イタチも面白そうだと珍しく興味を惹かれる。
運の良い事に明日も任務の予定は無かったから、デイダラとイタチの2人は飛段を観察することにしたのだった。



――翌日。

昼過ぎに起きてきた飛段は鬼鮫の用意した昼食を平らげると「甘いモン食いてぇ」新聞を広げる角都を誘う。

「出掛けるならついでにお願いしてもいいですか」

なんて鬼鮫に渡されたメモを持った角都がいつキレるかと物陰に隠れたデイダラは汗を垂らしたが、角都の表情は変わらず「なるべく底値を狙う」なんて言って飛段とアジトを後にした。

アジトから1番近い里の商店街、魚屋の前で立ち止まり、八百屋では交渉し、肉屋では飛段が必要以上に買い込もうとするのを抑え…角都と飛段はごくごく普通の買い物の姿だ。

「甘いモンは買わね~のかよ、うん」

最初の目的を果たそうとしない飛段にデイダラは舌打ちをしたが、その後ろでイタチはぼんやりと3色団子を食んでいる。

「あっ、いつの間に…うん」
「店先に半額で置かれていたから買った」

表情を変えないまま口を動かすイタチに「…うん」デイダラは頷くとまた視線を飛段に合わせる。

「なぁ~角都ゥ。
 さっきのたぴおか?っての食ってみようぜ~」

飛段は相棒の腕を引っ張り、タピオカを楽しんだかと思えば「あっちのカステラも食ってみてぇ!」

『台湾カステラ』

立てた暖簾の店で立ち止まる。
その後も商店街を荷物を抱えながらあっちこっちと歩き回り、とうとうデイダラは使った金額を数えるのを止めた。

「どう計算しても1ヶ月持つような金の使い方じゃないよな、うん!?」

今度は小さな芋羊羹を頬張るイタチにデイダラが振り向くと、慌てた彼が急に咽たので背中を擦った。

――取り敢えず半日観察して分かったのは、飛段の底無しの胃袋と、“角都が管理している”と言う飛段の小遣いが随分と多いこと。…それか、もしくは角都のポケットマネーか。“そう”だとしたら、あの爺さんは相棒に甘すぎる。

こりゃぁ、リーダーに言って改善して貰わないとな…なんてデイダラが深く頷いた時、イタチが彼の肩を叩いて飛段を指差した。

「あっ、ココ前にラジオで言ってた新しいケーキ屋じゃん。
 すっげ~キレーーーーーーー。こーゆーのってデイダラちゃん好きかな? ほら、ゲージツってやつ??」
「芸術なぞ知らん」
「こっちはバラだぁ。確かクソリーダーはバラの花買ってだけど喜ぶかぁ?」

それは小南に渡すからだっつの、うん。
突っ込みたいのを抑えて見ていると、どうやら飛段は土産にそのケーキを買うことにしたようだ。

「なぁ、角都ぅ。お土産に買ってっていいか?」
「貴様の金だ、好きにしろ」
「足りるゥ?」
「…足りない分は来月から差し引く」
「んじゃいーってコトね。
 お姉さん~! このケーキとこれと、あれと…」

迷うことなく自分たちへの土産を選び始めた飛段に、「…!」思わずデイダラは目頭を押さえる。後ろではイタチが「鬼鮫が食べないと言ったらオレが食べよう」なんて呟いて「バレる前に帰ろう、うん」デイダラはイタチの腕を掴んだのだった。



分かったことは。
随分と角都が相棒を甘やかしてる、と言う点だったが、デイダラもそれなりにサソリに甘やかして貰ってるし、イタチも鬼鮫から随分と甘やかされているのを見て分かっていたので、

「年長者は若者が可愛いんだな、うん」

なんてデイダラは結論付けて、リーダーは誰に甘やかされてるんだろうな、うん。なんて考えるのだった。

= = = = =

人助け

“宗教”と言うのはどこだって“人を助けたい”と言う気持ちから始まるものです。
貴方を救いたい。罪から救いたい。

飛段の信じる“ジャシン教”も『隣人を殺戮せよ』と云う妙な教義ではありましたが、それでも根底にあるのは“救い”の精神です。なので、“人を助けること”は教義に反することでありませんでしたから、飛段も角都の賞金首を狩るのを手伝えるのでした。

時折、彼は角都に相談します。

「人助けがしたい」

相棒の言葉に角都はいつも「好きにしろ」彼を貧しい村に置いていきますから、「夕方には外れの墓場まで迎えに来てくれ」なんて言ってフラフラと村を回るのでした。

「今年の夏は寒くて米があまり採れなかった。明日食べる米も無い」

そう肩を落とす老人に、

「父ちゃんが病気になって働けない。母ちゃんも倒れてしまった」

涙を堪える子供。

大きなお腹を抱えた“母”になる人はもう体力もないのでしょう、軒先でうずくまったまま動きません。

飛段は彼らに差し出します。

「向こうの町で内臓を売ってきた。使ってくれ」

100両と書かれたお札を何枚か渡すと、彼らの顔は輝きます。

「ありがとう、貴方は神様の使いだ」

――そう、飛段はジャシン様の使いなのです。

彼らに渡したお金は、山1つ向こうの大きな町で臓物を売ったお金でした。
なに、飛段は不死(しなず)ですから臓器を売ったところで問題はありません。それに、不死の臓器は不思議なもので暫くは“普通の”臓器のように動くのに少し経つとぱったりと動かなくなるのです。
飛段の臓物に『これで治る』喜んだ金持ちは、運が無かっただけなのでしょう。どうせいつか潰える命ですし、悪魔に出会ってしまっただけのこと。誰も悪くありません。

そんな神――いや、悪魔の使いのような飛段の振舞いに、面白くないのは村のゴロツキたちで、いともたやすく飛段は囲まれてしまいます。
けれどそれでいいのです。角都が迎えに来ますから。

「綺麗な瞳(め)の色だな。高く売れそうだ。繰り抜いてしまえ!」

飛段は目が見えなくなります。

「美味そうな肉付きだ。煮て食べよう」

次は足を捥がれてしまいました。

遂には「銀糸に似て売れそうだ」と髪の毛まで短く切られてしまいましたが、それでも飛段は気にしません。
今日の飛段は“人助け”。こうして酷い扱いをした奴らには後で直々の救いを与えてやればいいのです。

予想通り、ボロ雑巾のようにされた飛段は村外れの墓地に投げ捨てられました。目が見えませんからどんな場所は分かりませんが、漂う腐臭に其処は墓地だと察します。そんなところに、幼い声が聴こえました。

「…おにいちゃん。おにいちゃんのそのペンダントはなぁに?」
「ペンダント? あぁ、それはジャシン教のマークさ。俺はジャシン様を信じているんだ」
「ぼくはジャシン教を知らないけれど、その神様は強い?」
「あぁ、強いぜ」
「ねぇ、おにいちゃん。おにいちゃんのそのペンダントをもらってもいいかな?
 だって…きっとおにいちゃんはあしたにはしんでしまうでしょう?」

――死が余りも近いこの貧乏な村は、旅客が死ぬことなど日常茶飯事なのでしょう。

「さぁ、どうだろうな。
 でもどうしてコレが欲しいんだ?」
「ぼくね、つよくなりたいの。このむらのおとなたちはみんないじわるだから。だからぼくはつよくなりたい」

子供の言葉に、飛段は「いいぜぇ」言うとその子は「ありがとう」飛段の首からペンダントを外しました。

「いいか、ジャシン様のお言葉は“汝 隣人を殺戮せよ”だ。今は意味が分からなくたっていい。覚えておけ」
「なんじ りんじんをさつりくせよ…」

子供の足音が遠ざかると、聞き慣れた声が注ぎました。

「酷いザマだな、飛段」

角都はいつだって几帳面に飛段を迎えに来てくれます。
両腕も変な方向にひん曲がった彼をひょいと抱えると、「どうする」まだ視神経の復活していない相棒に尋ねました。

「今日は新しくジャシン様を信じてくれる奴が出来たからな。
 ゴロツキだけにしとこう」

くつくつと人の悪い笑い声を上げた飛段に「無駄な時間を」角都は舌打ちします。
けれど今日は飛段の臓物を金持ちに売りつけて少し財布は潤ってましたから、角都も飛段の言葉に従いました。

「人数は」
「ざっと6,7人。俺の足を持ってったから、きっと煙が出てる家だぜぇ」
「…悪趣味な」

角都はもう1度舌打ちをすると、飛段を抱えたまま、日の暮れた村を疾走しました。

――一流の忍が、こんな辺鄙な村のゴロツキを殺めるなど、赤子の手を捻るようなもの。

村の厄介者が一網打尽にされたと朝になる前に村中に広まり、
そして、あの子供は「ジャシンさまのおかげだ…!! あのおにいちゃんはジャシンさまのつかいだったんだ……!!」そう、あの宗教を触れ回ったのでした。

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