responsible gentleman

NARUTO/鮫イタ

なんかイタチ兄さんって便秘体質っぽくない？

男性にしては珍しく、イタチは便秘体質だった。
もともと、食の細い人間だ。食事を摂らなくても兵糧丸があり、人体への影響はない。小南から紹介されて煎じ薬なども試してみるが、どうも効き目は占いと同じ。
週に1度は唸りながらトイレに籠る姿に鬼鮫は心配するものの、組む時間も長くなるとそうして籠る時間を計算して出掛けるのが当たり前になっていた。

「いいぞ、鬼鮫」

手洗い所から戻ったイタチが、苦無の手入れをしていた鬼鮫に声を掛ける。

「はい、では行きましょうか」

鬼鮫は頷くと広げた苦無を仕舞い、鮫肌を担ぐ。

「すっかり健康的になりましたね」

含み笑いを浮かべた相方をイタチは睨んだ。

「…誰の所為だ」

長身で体格に恵まれた鬼鮫の男としての象徴は、例に漏れず平均以上の大きさである。
それに付き合うイタチは――自然と便秘も解消されるのも当たり前の話。

「あらあら」

きゃらきゃらと笑い声を上げる鬼鮫は、昨晩もイタチと熱を鎮めたばかり。

「里を出る前にお団子でも食べてから行きましょうか」

続けた相方にイタチは渋い顔を作りつつ、小さく頷いた。

「…時間を無駄にせずに済むことに関しては……お前に、感謝しなければならないのかもな」

生真面目な感想に、鬼鮫は「どう反応して良いのかわかりませんねェ」なんて、似合わない苦笑いを浮かべるのだった。

＊おしまい＊