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Serena*Mのあたまのなかみ。
Xにて書き散らかしたSSまとめ⑥(2024.04~08)
※各種パロ(現パロ)、ワードパレット
 普段通りの闇鍋です

私の名前で私を呼んで

飛段の話すことには必ず“角都”の言葉が入る。

「角都がよぉ」
「角都がさァ」
「角都の…」

一言毎に告げられる相棒の名に、とうとう痺れを切らせたデイダラが尋ねる。

「角都の旦那以外の話って無いのかよ、うん」

細いプレッツェル菓子を齧っていた飛段はデイダラの方を向くと、紫の瞳を丸くさせた。

「…え? だって角都だろ??」
「いや、だから答えになってないっての、うん」

面倒そうにデイダラは返すと作りかけの粘土を整える。
ぼんやりと眺めていた飛段はポリポリとプレッツェル菓子を胃に収めると、もう1本を口に含む前にデイダラの口に突っ込み、自分も更に咥えた。

「好きな奴のことはよぉ~聞いて欲しーだろ?」

呟いた飛段の本音にデイダラが硬直し、その向かいでチャクラ糸の調整をしていたサソリが顔を上げる。

「乙女ね」

飛段の持つ袋から菓子を1本取った小南が微笑むと

「おとめぇ?」

飛段は首を捻った。

――突っ込んだら負けだ。

その場にいる全員が口を噤んだが、当の本人だけは「乙女ってぇ女のことだろ~?それって小南のコトじゃねぇのか?」なんて続け、言われた小南は口角を上げる。

その日の晩。
夕食の支度をする鬼鮫の元に「これで美味いモノでも作ってくれ」角都が高級な霜降り肉を持って台所を訪れたと言う――
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恋に火ともし
「拗ねたように」「真っ赤」「耳元に心臓」

紅葉の葉が真っ赤に色付いた秋の盛り。
やっとのことで長期の任務を終えた角都と飛段の2人がアジトに戻ると「申し訳ないのだけど」休む暇もなく小南から次の任務を言い渡される。内容は2人の苦手とする潜入調査で、ゼツが間に入り調整をすると言うが角都には気が重かった。
――最近の暁は忙しい。
尾獣を追うのが先決ではあるが、傭兵組織としての体面を保つ程度の危険な仕事を請け負うことも必要だった。

「休みなんてね~~んでないの」

刃先が少しだけこぼれた鎌を担ぎ直して飛段は拗ねたように口を尖らせる。

アジトに戻る前、肉が食いてぇ、報酬を要求した飛段に「帰ったら美味い肉をたらふく食わせてやる」角都は約束したのだ。反古にされたと彼は不機嫌らしい。

「肉なら食わせてやる」

角都は仕方なしに返す。
言い渡された任務地は上質の牛肉を搬出するので有名な町だ。地元の名物なのだから、その肉を売りにした店も多いだろう。商店街に並ぶ肉屋を想像して角都は首を振る。――今宵の鮮魚は望めなさそうだ。酒があればそれでいい、そうしよう。

角都が溜め息を吐いた刹那、後方の空気が動く。
忍び寄る相手は、繁る森に気配を隠せると思ったのか。けれどこちらも、上忍。

「…飛段」

低く角都は呟くと身を屈めた相棒を抱き寄せ、そのまま背中越しに地怨虞を素早く伸ばす。

――彼ら2人が賞金首を狙うように、ビンゴブックに載っている2人も他者から狙われることも多かった。

大概は三下の命知らずな忍ばかりで、返り討ちにしたところで二束三文にもならないのだが、こうも殺気立って尾行されるのは本来の任務の邪魔にもなるので始末するのが手っ取り早い。

「ぅぉう…!」

森にこだまする断末魔に角都が眉を寄せると、引き寄せられた飛段は固まったまま動かない。
耳元に心臓を押し付けられた彼は目を瞬かせるだけで無言のまま角都を見上げたから「なんだ」角都はもっと顔を険しくさせると唇を塞いだ。

上顎の粘膜を擦って、舌を絡めて唇を食み、いつもよりかは幾分手短にした行いに、唇を離した飛段は「意ッ味分かんねぇ!!」そう相棒を突き飛ばす。

赤い舌を覗かせながら、口布を戻した角都は飄々と「なに、強請られているのかと」そう目を細め、そして彼を睨んだ。
「小物だろうが換金する。拾って来い」

くい、と顎を動かした相棒に

「だから意味分かんねぇって!!」

飛段はもう1度怒声を浴びせると、それでも素直に森の中へ死体を漁りに駆け出すのだった。

――まぁ、今日の肉代の足しにはなるだろう。

麗らかな昼下がりの出来事。
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花の額縁
「潤んだ瞳」「吐息に震える」「いっぱい」

めいっぱい伸びた其処に角都は大きく息を吐いて呼吸を整えると、眼下の相棒を見下ろす。
潤んだ瞳を向けた飛段は吐息を震わしていたから、安堵させるように唇を塞いでやった。

――彼が花開くまで、あと少し。
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触れた温度
「うっとり」「合図」「瞳を閉じたら」

「は~…」

昼食を終えた飛段がうっとりと大きくなった腹を撫でながら幸せそうな溜め息を吐く。

「…気に入ったのか」

侍した仲居に合図を送りながら角都は言うと、気付いた仲居は積み重なった食器を下げる。甘味をお持ちしますね、続けた仲居に角都が頷くと「やりぃ~」飛段は破顔した。

今日は角都の機嫌がいい。
面倒そうだと下準備していた任務は杞憂に終わり、ついでに差し出した賞金首が思いの外高額で、単純に彼の財布は潤っていたからだ。
祈りを捧げる飛段を待つも文句を言う事もなく、更には「この辺りは和牛が有名らしい。牛鍋でも食うか」なんて門構えの立派な店に連れて来たのだ。

「こちら、葛饅頭です。
 当店自慢のくるみ餡を是非ご賞味ください」

角都と飛段の前に置かれた涼やかな菓子に飛段が口笛を吹くと、少しだけ微笑んで仲居は襖を閉める。

「んーんめぇ」

ぱくりと葛饅頭を口に運んだ飛段に、角都は自分の前に置かれた皿を相棒に押しやった。

「角都? 食わんの?」

尋ねた飛段に角都は「甘味は好かん」角都は言い、和菓子と共に出された濃茶を啜る。

「あ、俺にげ~の嫌いだしこっちやる」

大振りの器に丁寧に点てられた其れを飛段は相棒へ突き出すと、渡された葛饅頭をまた頬張った。

「ん~」

甘さを堪能するように瞳を閉じた飛段に「美味いのか」角都が訊く。

「だから美味ぇって言って――」

そう飛段は睨んだが、言葉の最後は相棒からの口付けに掻き消された。
素早く口内を弄られ、上顎を撫でられる。

「…ン」

固まった飛段を尻目に、ぺろりと口の端を舐め上げた角都は

「葛饅頭と言えば餡子が定番だが…こうした変わり餡も悪くないな」

そう言ってまた茶を啜った。

「…ったく。
 茶の良さも分からんガキが」

いつもと変わらぬ態度で罵った角都に、飛段は「こンのスケベジジイが!」全力で悪態をつき、角都も大人げなく応戦するものだから、間もなくして2人は店を追い出されてしまったのだった。

勿論、店を追い出されても2人の口論が続いたことは言うまでもない。
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王子の資格
「たまらない」「緊張」「引き結ばれた唇」

引き結ばれた唇を離して「どうした」角都が尋ねると「い、いや…」飛段が視線を逸らす。
彼の頭には隈取された兎の面が引っ掻けられていて、茂みの遠くからは笛の音も聞こえた。

――今宵は祭り。

任務途中に立ち寄った集落で、軒先に宿泊所を掲げた家の女将が引き留めたのだ。

『こんな辺鄙な村だけどサ。
 この時間からの山越えは野営になる。それに、今日は祭りで山からオオゴケ様が下ってらっしゃるから、ここに留まった方が良いヨ』

なんて上手く丸め込まれたのだ。

確かに、こんな村の中心から離れた小さな集落では“宿”と言っても相場は安い。少しイロを付ければ夕食や朝食、果ては昼の握り飯まで用意してくれるから、下手に節約して野営をするよりかは身体を休められて悪い判断ではなかった。

『…そうか』

角都が女将の助言に従うと『まいどネ』彼女は口角を上げる。

『そんな祭りの時に悪いな』

角都は続けると女将は大袈裟な身振りで手を振る。

『こっちとしては祭りだからって人も来ない場所だからサ。
 お客さんが入って有難いってもんサ。ウチんじゃぁご馳走は用意出来ないけども、神社からのお振舞いがあるからネ。ここの名前を出して貰えりゃぁ、精進料理だけど美味いもんが食えるヨ』

そうか、角都はまた呟いて女将に纏まった金を渡すと背後の飛段に声を掛けた。

『今日は此処に泊まる』

短く告げた相棒に『お~』飛段は伸びをする。

『晩餉はあの山の中腹にある神社だそうだ。
 今日は祭りで振舞いがあるらしい。行くぞ』

手短に角都は説明すると、荷物を部屋に置き、宿泊所を後にする。

少しだけ都会と切り離された、古い時代にも似た“田舎”の情景に昔はこんな世界だったな、角都はあぜ道を歩き、飛段は黙々と其れを追う。
神社に近付くにつれ大きくなる囃子の音、参道の出店、境内に設えられた宴会場に並ぶ郷土料理の数々。
隣で話す少女から「あげる」渡された兎の面を受け取った飛段もそれなりにこの祭りを楽しんでいるようで、角都も珍しい濁酒(どぶろく)を注がれて気分は悪くなかった。

『今日はオオゴケ様の祭りじゃ。好いた者と過ごさにゃぁ、命取られるぞ』

角都の向かいで顔を真っ赤にした上役に

『オオゴケ様?』

首を傾げた飛段に少女が説明する。

『この集落の守り神様でね、年に1度だけ山から下りていらっしゃるの。
 オオゴケ様はごごくほーじょー?の神様で、神様にお祈りすると子宝に恵まれるんだってサ』

集落の外から来た人間に興味津々の彼女は胸を張る。

『へぇ~
 で、なんでそのごごくほーじょーの神サンが命を取るんだぁ?』

餅に青菜が巻かれた串を齧りながら続けた飛段に、今度説明するのは上役の爺だった。

『オオゴケ様は繁栄をしない人間には厳しいんじゃ。
 だからこの祭りではどの[男(おのこ)も女(めのこ)も共に外に出る。子供は例外じゃかの。そして夜も更けた頃に…』

意味深に顔を歪ませた上役に、何処にでもある話だ、角都は腰を上げる。

――まだ、人の往来が乏しかった頃。

村の集落だけで婚姻を繰り返せばその血は濃くなり過ぎてしまう。故に、こうした祭りで近隣の男女を集め、自由に番わせて血を混ぜ合うのだ。
生まれるのは村の子、集落の宝。誰が父親か、なんて重要ではない。

けれど、そんな話は角都がまだ若かった頃の話だ。
未だにそんな伝統を継承する集落があったとは――

『だからな、旅の方。
 夜中はオオゴケ様の時間じゃ。悪い事は言わん、今日は早く帰った方がいい』

急に生真面目な顔を作った上役の態度に、この伝統が未だ続いていることを角都は悟る。だから、大人しくその言葉に従った。

『そうだな。…そうしよう』

言って、傍らで料理を平らげる飛段の首根っこを掴み、連れ出したのは拝殿の奥。

『あ? 帰んじゃね~のかよ』

顔を顰めた飛段の口を塞いだのが、話の始まり。

「…な、ンだよ、急に」

逸らせた視線を戻して飛段は相棒を睨むが、その顔は緊張に強張っていた。

「いや、なに。
 この村の神に喧嘩を売ろうと思ってな」

――何が子孫繁栄、五穀豊穣だ。

もう一度飛段に口付けた角都はたまらないと言った風で、強い酒に酔っているようにも見える。

そう、ほんの少し時代を遡ればこうして“野外”なのも当たり前だったのだ。

よく手入れされた杉の木に抵抗する飛段を押し付け、太腿を割りながら、少し昔の作法を角都は思い出すのだった。
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冥婚

任務の途中で通った小さな集落。
山端に張り付くように建つ数件の家屋、山奥にしては数が多く栄えているように見えたが、よく見ると数件の母屋に並ぶのは作業小屋で住む人の数は多くなさそうだった。
只の街道の通り道、こんな場所に宿などはないし軒下を貸してくれと交渉するのも面倒だし、忍に対して良い印象があるとも限らないからこうした小さな集落は通り過ぎるに限る。歩調を早めた角都に飛段は、

「おっ?」

道の先に何かを見付けてぱたぱたと掛け寄った。
“其れ”を拾おうと屈んだ飛段に

「待て!!!!」

角都が地怨虞を伸ばすが、既に遅い。

赤い封筒を「なんだぁ、コレ?」振り向いて見せた相棒に、特大の溜息を角都は吐くのだった。



その風習は角都には覚えがあった――冥婚。

死んだ息子や娘と婚姻関係を結ぶ制度だ。
“制度”と言っても其れは正式なものではなく、あくまで風習として残る程度のもの。
――其れが、未だ“生きて”いたとは。

大戦の時代、若い忍の幾多と散った。
其れを憐れんだ両親が互いに死んだ子供たちを番わせたのが風習の始まり。結婚とは家同士の繋がり、死した者たちに拒否権はないし生きた両親の勝手でしかないのだ。

けれど角都の知る限り、其れは死した者のみを結び、互いに知っている家で成立していた。死人に口なしとは言ったが、完全に“他人”とは婚姻関係を作らなかったのだ。
家が隣だったもの、同じ学校(アカデミー)に通っていたもの――

けれど、この集落の風習は違っていた。

『死んだ娘と結婚して欲しい』

――生きている者が死者と婚姻を結ぶのだ。

田舎の集落にしてはやけに派手な宴の席で、その封筒を作った人物は飛段に土下座する。
共にと迎えられた角都は部屋の下座で、彼が不本意な客人であることを主は隠さなかった。

こんな行きずりの忍を捕まえて何の得があるのか。
角都には分からない。

角都は上座に構えて酒を注がれる飛段に合図を送ると忍者よろしく矢羽音で話を進めた。

『お前は今の状況を分かっているのか?』
『ぁ? わ~ってるよ。死んだ娘と結婚しろって言ってんだろ?
 別に死んだヤツとなら、関係なくねぇ?』

山の幸に文句を言う飛段が、今は上機嫌なのは肉鍋が振舞われているからか。
心配する角都を余所に彼はあっけらかんとしたものだ。

『冥婚とは言え、お前のジャシン(神)様は其れを許すのか?』
『メーコン?』
『……死者と結婚する行為だ』

冥婚、続けた角都に飛段は肉を貪りながら首を振る。
どうやら、死者との婚姻はあまり教義的には問題ないらしい。

『…俺は先に行く。
 先の里の換金所で時間を潰すから終わったら来い』

冥婚の詳しい進め方は昔も今も変わらないだろうが、少なくとも“2人”が結ばれる儀は執り行われるだろう。少なくとも明日は祝言、この集落を出られるのは明後日かその次の日か。角都は考える。

2日もあれば適当な賞金首も換金出来るし、宿で休める。
無駄を嫌う角都ではあったが、事情があってのこと。この分は飛段の小遣いを減らせばいいし、リーダーには別の請求をすれば良いだけの話だ。任務の延長なんて、よくあること。

『毎日こんな肉食わせて貰えるんなら、俺、このままこの家から出ね~かもよ?』

ニタリと笑った相棒に『たわけ』角都は唇で罵るのだった。



換金所で道すがら見付けた賞金首を差し出し、少しだけ財布を潤わせた角都に飛段がやってきたのは翌日のこと。思いの外早い相棒の登場に、

「早いな」

角都は呟く。
里の定食屋で徳利を傾けた角都に飛段は唇を尖らせた。

「最初の話とちげ~こと言ってくるし、別の神さんを拝めとか言ってきやがるから」

――殺した。

言葉にするまでもなく、角都は諒解する。

集落の規模の割に豪奢な大広間、大きな宴。用意された料理は田舎料理ではあったが趣を凝らしたものも多く、其の場所が“貧しい”場所ではないのは確かだった。
広間の奥に、設えられた祭壇があったのを角都は見逃していない。勿論、封筒に描かれた文様の意味も。

差し出された娘(死者)はこの集落の巫女であり、彼女は戦や病気で亡くなったのではない。——信仰する神へ屠られたのだ。

神と神が引き合うのは不思議な偶然か。

封筒を拾った“運命”は別の神(ジャシン)を狂信する男で、その婚礼は神と神とのぶつかり合い。

「土ン中に埋められて半日、寝てるのを起こされて気分も悪かったし全員殺してやった」
「…そうか」

破顔した飛段に、入口で掴んだ新聞を広げて角都は頷く。
ページを捲った3面、地方欄にその事件は短く伝えられていた。

『△×集落 婚礼の儀で術の暴走か』

――矢張り、埋めて殺すのか。

不死の飛段を半日埋めた所で彼は死なない。
土を掘り返し、息を吹き返した彼に、集落の重役は肝を抜いただろう。いや、実際抜かれたのだが。

当の飛段はと言うと「ジャシン様にいっぱい贄を捧げられた」と喜んでいるのだから“偶然”とは面白いものだ。

「オバちゃ~~~ん!
 俺、唐揚げ定食ね!! ご飯も唐揚げも大盛り!」

厨房に向かって叫ぶ飛段に角都は薄く笑うと、

「…食い終わったら任務先に向かうぞ」
「えぇ~~~!? 今日はこのまま泊まるんじゃねぇのォ?!」
「……馬鹿め。昨日一昨日と無駄にしたんだ、これ以上無駄金を使わせるな」

相棒に言うと、これ以上の話題は不要とばかりに広げた新聞に目を落とすのだった。
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小生意気な口の端
「わがまま」「からかうように」「口をふさぐ」

「貴様の儀式(わがまま)付き合ってやってるんだ、これくらい我慢しろ」

不手際で爆散させてしまった賞金首の肉体パズルを行いながら顰め面を作った相棒に角都は眉を寄せる。
タイミングを見誤ったのは珍しく角都の方、飛段は言われた通りに動いたのだ。なのにこう注意されてしまっては流石の飛段も唇を尖らせる。

「なぁ~んで俺ばっかり責めるンだよぉ?!」

拾ってきた肉片を並べて人型を作る飛段に、角都は一睨みをすると地怨虞を使って肉体を縫い留める。

「角都~ 角都~~ 角都ちゃぁん?」

無言で作業を進める相棒に飛段は揶揄うように言うと、それでも言われた通りに肉片を拾い集めた。

粗方の人型が出来上がると、

「出来たァ~!」

飛段が両手を天に掲げる。角都も一仕事終えたとばかりに肩を回したが、見下ろした賞金首(フランケンシュタイン)の飛び出た舌が邪魔だと布を裂いて口をふさぐ。ついでに崩れた顔も整えると、最低限の金額では買い取って貰えそうだ。
外套から出された布切れに「なんだそれぇ?」飛段は尋ねる。換金所までの道のりを考える角都の答えはつれなかった。

「ただの布切れだ」

質素倹約、無駄金を遣うことを嫌う角都は簡単な止血にもこうして使い古した布を使う。
血止めを塗っておきゃぁい~んじゃねーの、言う飛段に、薬の効果を高めるのと衣類が汚れるのが嫌で保護するのだと角都は説明した。

「ふぅん…… ん…?」

角都が懐に仕舞った布の模様に飛段は見覚えがある。

――それは確か、先日もう古いからと捨てた筈の自身(飛段)の下着。白地に紫の茄子模様が描かれた下品な柄のものだ。

「おっわ、ソレ…!」

幾ら不要な布切れとは言え、普通、恋人の下着を賞金首の口に含ませるか!?

気を動転させた飛段だが、対応する相棒は冷静そのものだ。

「…捨てたものだろう。
 それを拾ったのは俺だ」

なんて尤もらしいことを言っても「いやいやいやいや」飛段は首を振る。

そんな相棒の姿に、角都は大袈裟に舌打ちをすると手早く口布を下ろして恋人(飛段)の唇を塞いだ。

――こうしてお前の口は塞いでやる。

耳元で囁いた甘い低音に、

「だから違うってのォ!」

飛段の声が森にこだましたのだった。
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花冠 角都ver.

その宿の主人は、いたく飛段を気に入ったようだった。

夕食で白米を3膳平らげ、川魚を綺麗に食べきり、大根の煮物を「美味ぇ!」お替りを要求したからか、朝食でも胡瓜の漬物で茶碗半分の米を胃に収めたからか。
彼の勢いのある食べっぷりに(単純に野営続きで“マトモ”な飯にありつけていなかったのが真実なのではあるが)

「昼まで腹が減るだろう? 食べなさい」

宿賃を払う際に竹の皮に包んだ大きなお握りを持たせてくれたのだ。

「…主人」

追加で財布から札を取り出した角都に宿の主人は首を振る。

「釜の飯は空っぽだけどよ、良い食いっぷりに母ちゃんと喜んでたんだ。こんな山奥だ、若い人なんて来ないだろ?
 また来てくれ、ってのは難しいと思うけどよ。たらふく食って良い思い出にしてくれ」

歯を見せられて破顔されては角都も出した札を仕舞わざるを得ない。

「おっちゃんあんがとな~!!」

玄関の外まで来て見送る主人に振り返って元気に手を振る飛段に、小さく頭を下げた角都は昼飯代が浮いたな、と心の中で算盤を弾く。

任務は昨日で終わった。
思ったより日暮れが早く入ったのが今日の宿。あとはアジトに帰るだけ、だが――

「な~角都ぅ。
 弁当、何処で食う?」

得物である鎌を背負い直して先行する飛段は相棒を振り向く。

この集落からアジトまでは忍の足で半日と言ったところ。
急げば昼過ぎには帰れるし、チャクラを温存して歩いたって夕方までには帰れるだろう。
何も無ければ最速でアジトまで戻るところだが、今日は生憎宿からの“好意”がある。

「……む」

口布の中で口を真一文字に結んだ角都に

「遠回りだけどよぉ、麓の里の前のあの…ショクリン?って言うの?
 あそこの、ほら…」

手付かずの自然が残る里と言えど、こうして集落があって麓に村があるのだ、山には人の手が入る。
景色の良い場所に開けたところが必ずあり、不思議と其処には形の良い石が置いてあったりして休むのに打って付けの場所になっていた。——何度も通るこの山、そんな地点ならいくつか頭には入っている。

「…東の広場か」
「そ!」

呟いた角都の言葉に飛段は頷く。

「下の川で水汲んでさァ、食ってから帰ろうぜぇ~」

腰に下げた竹筒を見せた相棒に「仕方ない」角都は頭を振って彼の我儘に付き合うことにするのだった。



「気持ちぃなぁ」

柔らかな緑の生える広場で四肢を伸ばす飛段に、角都は竹の包みを小さく畳みながら外套に仕舞う。ついでに古書を取り出したので、腹ごしらえついでに少し休むつもりなのだろう。
空気に湿度は感じられず、急な雨の不安も無さそうだ。吹き抜ける風は爽やかで、真夏ほど強くない日差しのこの季節、飛段ではなくとも“良い”と思う。

相棒の隣でころころと転がる飛段だったが、急に「お」動きを止めると目に入った小さな白い花を摘むと角都に駆け寄った。

「角都ぅ~ これって食える?」

昔、ツツジの蜜が吸えると教えてから飛段はこうして花を摘むようになった。
いつだったか、「それは毒だ」角都が言う前に紫陽花を口に含んで、喉を掻き切ってからは“待て”も出来るようになったのだ。

相棒から差し出された鞠のような花を一瞥すると角都は呟く。

「白詰草(シロツメクサ)か。
 吸っても甘くはないぞ」

蜜蜂のような小ささであれば話は別だが。心の中で角都は付け加える。
彼は読んでいた本を閉じると「何処に生えてた」飛段に尋ねた。

「ん、あっちの方」

飛段が指差す先はこんもりと茂る緑のクローバーに混じってその花が咲いている。

「……懐かしいな」

角都は呟くと滅多に上げない腰を上げる。

「んぉ? 角都? もう行くのか??」

慌てて立ち上がった飛段に「いや」角都は首を振ると柔らかなクローバーの上に座りこむ。

「…こうして、花輪を作れる花だと思ってな」

ぷち、ぷちと茎を伸ばしながら千切る角都は何本か花を集めると、手早く其れを編み始めた。
交差した花を手早く茎に巻き付けてゆくとみるみるうちに花の束が伸びる。

「ん? おぉ? おぉ~!!」

編み込みを作りながら花を摘み、茎の処理も丁寧に花冠を作ると飛段に差し出した。

「…この花はこうして遊ぶものだ」
「へぇ~…」

差し出された花輪を受け取ってまじまじと飛段は其れを観察する。

ジャシン教と言う教団の施設で育った飛段はあまりこう言った野山の遊びには疎い。
さっきもじっと相棒の指先を見つめて観察はしたが、魔法のように花束は伸びるだけで原理はよく分からなかった。

「すげ~な」

飛段は素直に感嘆すると、よく覚えてんな、そう続けた。

この気難しい相棒が花輪を編むだなんて、意外が過ぎる。——子供の頃にこうして遊んだのだろうか。まだ禁術も宿さない、里に対して理想を抱いていた小さな忍の卵だった角都が。

そんな彼にこうした遊びを教えたのは、母や姉か――それとも、幼馴染の少女か。

自分の知らない角都の姿を夢想し、飛段の心の奥がチクリと痛む。

物知りで年長者の相棒に、自分は余りに若造で無学で。

「……帰ろ」

唇を尖らせて俯いて立ち上がった飛段に角都は眉を寄せたが、別に相棒の心の動きなど角都の知った事ではない。彼の不機嫌を気にする風でもなく、角都も外套の土を払って立ち上がるのだった。
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花冠 飛段ver.

「おっ!
 シロツメクサじゃん」

換金所帰り、通り掛かった空き地に茂る緑を見て飛段が呟く。
辺りの気配も探らずに駆け出す彼の不用心さに角都は舌打ちをするものの、未だ大戦の癖が抜けない自分の柔軟性の無さにも落胆を覚えた。

「な~角都知ってっかぁ? この花、編めるんだぜ~」

無防備に緑の上に座り、生える花を千切る相棒に仕方なしに角都は付き合う。

「編む?」

飛段の言葉を繰り返した角都に「見てろって」ぽんと地面を叩いて座ることを強要した。

――男2人、こんな日の高いうちにこんな空き地で肩を並べて何が楽しいのだろうか。

角都は血圧が上がるのを感じたが、こうして相棒に付き合ううちにその下げ方も心得るようになっていた。——気にしない。相棒の言葉を聞き流すのが一番有効なのだ。

飛段の向かいで胡坐になった角都は、ぽつぽつと咲いた花を観察する。
鞠のような丸い花は何処の里でも見かける雑草の類で、別に可憐でも目を引くような造形でもなかった。確かこの雑草の葉は三つ葉で、四つ葉のものは珍しいと言われていた筈だ。見付けると幸せになれると随分と遠い昔にくノ一たちが騒いでいた記憶がある。けれど物知りな角都に言わせれば、この四つ葉は単純な遺伝子異常の結果なのだ。四つ葉の株を見付けて育てれば、自然と四つ葉だけが育つ。

難しい顔を作った角都に構わず、飛段は花を編んでいた。
茎を長く残して千切り、長さを見ながら手編みする様子は随分とこなれていて「これが大戦後の平和な世の忍びか」人を殺める方法ばかり教え込まれた幼少期が脳裏を過る。
気配の消し方、即座にチャクラを練る方法、咄嗟に組める簡単な印——
少なくとも、こうした花の編み方などは教えられなかった筈だ。

「これを、こうして…こう、やってぇ……」

茎をくるりと輪を描きながら巻き付け、少しずつその花束の長さを伸ばしていくと

「…まぁ、こんなもんかなァ」

飛段は1人呟いて編んだ花を輪に纏め、丁寧に茎の処理をして冠の形に整える。
そうして

「出来た!!」

冠と同じ白い歯を見せて飛段は花輪を角都に差し出した。
眉間の皺を一層深くした角都に構わず、そのままニコニコと花輪を掲げる相棒に

「…似合うわけあるか」

角都は冷静に言い放って花冠を手で払う。

「無駄な道草を食ってないで行くぞ」

不機嫌な低い声にも飛段は屈せず「つまんねーの」頬を膨らませて作った花輪を見つめた。

「大人になっても遊び心を忘れないって大切だぜぇ?」

何処かで聞いたような台詞を吐いて「ケッコー上手く出来たと思うんだけどなァ」出来上がった花冠を頭に乗せる。そんな相棒の姿に

「……花嫁のつもりか」

角都にしては珍しく冗談を言うと、そのまま口布を下げて飛段に口付けた。

「!!」
「娶ってやろう」

驚いて固まる飛段に、下げた布を戻して角都は目を細める。

「ば、バッカじゃねーの!!」

――こ、こんな人の往来のある場所で!

羞恥と驚きで耳まで真っ赤にして飛段は返すと、頭上の花冠を投げ捨てるのだった。
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清い同衾

“だから何”と言う話ではない。
最初は単に暖を取る為だけに相棒の布団を捲っていた。なんせ相棒は老齢な91歳(言ったら殺されるけど)で飛段よりも床に就くのはずっと早い。冷たい布団に潜るより、暖かい布団に入った方が100倍早く眠れるのだ。
それで迷惑を被ったのは角都の方。睡眠が邪魔されるのは別にいい。彼も忍で人の気配には敏感だから、廊下から軋む床の音でも意識が浅くなるのだ。と、今回の論点は其処ではない。
単純に。
本当に単純に。
自己領域(パーソナルスペース)を侵す飛段を“当たり前”と認識してしまったのだ。
「角都ぅ」
冷たい足先を暖かな布団に滑り込ませ、ものの5分もしないうちに眠りこける相棒に。
1人寝が寂しい、なんてこの素直じゃない角都が言える筈もなく、今宵も彼は無言で部屋の錠を開けて床に就くのだった。
----------------------------
角都が凹むとき
※鬼鮫さんはイタチさん以外の人は呼び捨てにするタイプなんですが、お母さんで紳士なので今回は敬称をつけてもらいました。ご了承ください。

その日、買い物から戻った角都は酷く陰鬱な雰囲気を漂わせていた。
いの一番に迎えたゼツが「なになに? ウンコ出てないの??」絡んだのを見て、デイダラが「触らぬ神に祟りなしだな、うん」広げていた芸術作品を片付け、サソリと目配せして自室に戻る。

「…はぁ」

普段、不機嫌なのを隠さない角都がこうして凹んでるのは珍しい。
彼は荷物を食堂のテーブルに置くと、相変わらず「ウンコ? ウンコ???」絡むゼツを面倒そうに追い払い、

「卵が特売だったから買ってきた」

台所の片付けをしている鬼鮫と小南に卵のパックを差し出した。

「あら、ありがとう…」
「…ありがとうございます」

小さく頭を下げた2人に、相変わらず角都の表情は暗い。
どうかしたものかと顔を見合わせた鬼鮫と小南に、タイミング良く現れたのは角都の相棒・飛段だった。

「あぢ~~アイス食いてぇ」

そう台所の暖簾を開けた飛段に、ソーダ味の氷菓を渡しながらこれ幸いにとばかりに鬼鮫が頼む。

「…なんだか角都さんの調子が良くないようで…
 少し伺ってきて貰えませんか。必要ならお昼も別に用意しますし」

鬼鮫だけでは飛段も面倒だ、そう断ったかもしれない。けれど、後ろで頷く小南の圧に思わず飛段は「おう」安請け合いをしてしまった。

「なぁ~角都ゥ。角都さんよぉ」

青い氷菓を咥えながら、購入物の仕分けをする角都の前で飛段は椅子を引く。
積み上がったのはトイレットペーパー、頼まれた洗剤の類、安売りしていた大袋のスナック菓子――
買って来たものとレシートを見比べて検品する律義な彼は、相棒の声にじろりと視線だけを上げた。

「…なんだ。俺は忙しい」

また買い物袋に顔を落とした角都に「なー」飛段は続ける。

「そんな凹んじゃってさぁ…
 気味ワリーんだよ」

――歯に物を着せぬ物言い。
そんな飛段はいつも要らぬ一言、余計なことを言って角都に鉄槌を落とされていた。

今の彼だって、普段の角都だったら怒髪天の発言だ。けれど今日の彼は妙にしおらしかったから、飛段の首が飛ぶことは無かった。

「……が」
「が?」

呟いた相棒の言葉を飛段は拾う。

「ティッシュを、先週買い溜めした」
「おう、それなら俺も手伝ったから知ってるぜ。20パックだっけか」
「そうだ。
 …さっき、里のスーパーで其れよりも安く売っていた…」
「……お、おう…」
「1パックで2両、20パックなら40両だ…!! しかもこっちのスーパーの方が近い。
 それなのに……40両も、俺は無駄を…!」

わなわなと震えてテーブルを叩いた角都に、心配そうに見守っていた鬼鮫と小南は胸を撫で下ろし、ゼツは「なんだぁ~ウンコじゃないの」つまらなさそうに呟いて地面に溶ける。
飛段は

「まーそんなコトもあるんじゃねぇの~
 ケチんぼなのにな! ゲハハハハ」

なんて食べ終わったアイスの棒を振って能天気笑ったものだから、今度こそ角都の逆鱗に触れて穏やかな昼の食堂がスプラッタ会場になるのだった。
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社交ダンス
※フォロワーさんのイラストから浮かんだ一篇です

「「!!」」

珍しく早起きした飛段と寝ずに芸術と向き合っていたデイダラが暁の共同のリビングで顔を合わせる。

「ひっでぇクマ!」

指を差してゲラゲラと笑い転げる飛段に「うるせぇ、うん」デイダラは低く唸るとどっかりとソファに座ってテレビのチャンネルを回した。
パチパチと画面が替わるものの、朝が早過ぎてどのチャンネルも天気予報か局の選んだ音楽、それか古い時代の漫才番組などが流れる。そんな中、『おはようダンシン』初心者向けに編成されたダンス番組の再放送にデイダラはボタンを押す手を止めた。

ダンスだって、芸術の一部。
“芸術家”のデイダラが見逃すはずもない。

「——では、ポジショニングは覚えましたね。
 次は足の動きを練習しましょう」

背筋の伸びた老齢の紳士が華やかなドレスの女性と向き合い、ワルツの足さばきを説明する。
少しヒールのある男性の足元のアップと、ワイプに表示された動かす順番の数字。思わずデイダラの足も自然と床を動く。と、隣で其れを見ていた飛段が

「あっ俺コレ出来るぜぇ!」

急にぴょんと立ち上がった。

「…はぁ?
 冗談は休み休み言え、うん」

――飛段が、社交ダンスだと?
マグカップに淹れたコーヒーを吐息で冷ましているデイダラは眉を顰める。

「前にさぁ、角都に習ったんだぁ」

デイダラの返事を待たずに飛段は続ける。
彼はテレビの前に立つと説明を続ける講師と同じく背筋を伸ばした。

「ワルツ、っつ~の?
 こっちの手はこうして…こっちはこう……」

――右手と左手と言えないあたりが飛段か。

ぶつぶつと呟きながら基本の構えを作る飛段と、チラチラと映る奥のテレビの講師をデイダラは眺める。「足の動きはぁ…」説明を続けた飛段に、講師と見比べたデイダラは待ったをかけた。

「…ん?
 その動きって…こっちの女性側の方じゃないか? うん」

華やかな女性を指差したデイダラに飛段も視線を向ける。

右手を差し出して左手を肩の位置に置いた飛段のポジションは確かにドレスを着た女性のものだ。

「…は?」

テレビの中の女性はゆっくりとステップの見本を見せるが、それは以前飛段が角都から教わったものと同じものだった。

「…はぁ…!?」

飛段はテレビに齧り付く。

「アイツってば、俺に嘘を教えたのか!?」

振り向いた飛段に、デイダラは首を振る。

「嘘じゃねーだろ、うん。
 ただ、女性側の動きってだけだ」

うん、頷いたデイダラに飛段は頬を膨らませる。

「んだよぉ!
 そしたら角都としか踊れねぇしデイダラちゃんにも教えられねぇだろー?」

俺だって先輩面したいっての!そのまま口を尖らせた飛段に

「…惚気なら余所でやってくれ、うん」

デイダラは呟く。

――なんで同僚の恋人の話なんて聞かなきゃなんねーんだ、うん。
勝手に社交ダンスでも夜の運動会でもやってくれ。

寝不足に沸点の低くなったデイダラはなんとか罵倒の言葉を呑み込むと

「寝る!!!!」

テレビを消すと怒る飛段を置いて足音もうるさく自室に戻るのだった。

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