milky baby

お題箱より
【ペコの練乳をこっそり吸っちゃうスマイルなスマペコを...！お願いします|ω・`)】

今日のペコも、相変わらず体育館の床にだらしなく寝そべって部長の大田から「おらー星野～邪魔するなーー」そうドヤされていた。
全開にした窓からは、気持ちのよい五月の風が舞い込み、それに乗せてグラウンドの陸上部の声が届く。

「うぃーっすうぃーーーっす」

ペコも返すけれど、姿勢は変わらず、そのままぽてんとへばったままだ。

「ほら、邪魔だよ。ペコ。ちょっと向こうに行こう」

スマイルがしゃがみこむとペコは食べていた串カツ君を差し出す。

「…食う？」

「食べるときじゃないでしょ、それ」

小さく溜息を吐くとスマイルはペコを起こして壁際に座らせた。

体育館の一角は、いつの間にかペコのお菓子スペースが出来上がっており駄菓子と、卓球雑誌が無造作に置かれている。

「もう、また…」

スマイルが、乱雑に置かれた駄菓子を小さな【お菓子箱】と名づけたダンボールに仕舞ってゆく。
――『オイラのうまい棒踏んだの誰だ！』踏まれて文句を言うのに、片付けようとしないんだから。
つい先日の出来事を彼は思い出す。

そんな彼を見つめて、「スマイル、おかーちゃんみてぇ」ペコが笑った。

「好きでこんな世話、焼かないよ」

眉間に皺を寄せたスマイルに、彼は首を傾げる。

「およ？
　オイラ、スマイルがオイラん事だーーい好きだと思ってたんは、思い違い？」

彼の目に写るのは、いつの間にか練乳のキャップを開けて吸い始めたペコの、口の端に残る白い液体。

「……普通じゃないかな、普通」

心臓が高鳴るのを押さえて、平静を装ってスマイルは返す。
2回繰り返したのは、自分に言い聞かせるため。

その時だった。

「おぉーい、星野～ちょっと手伝ってくれーー」

卓球台の向こうで、大田がペコを呼ぶ。
部長からの呼び出しに、ペコは「へいへぃ」スマイルを置いて行ってしまった。
行きがけに、

「持っててケロ」

そう言って練乳をスマイルに握らす。

「…　…」

渡された練乳を見て、じっとそれを凝視してしまう。
ペコの好きな、練乳。
砂糖の塊だと思うし、美味しくもないと思うけど…

チューブをちょっとだけ押して、その白い液体を掌に広げる。
そのままそっとぺろりと舐めて、彼は顔を顰めた。

――甘すぎる。
よくまぁ、これを直に飲めるものだ……

しかめっ面のまま、きゅっとキャップを締めて、お菓子箱へ転がす。

大田とラリーするペコの背中を見て、ふと、スマイルは思った。

ペコとキスしたら、甘いのかな――




それはまだ、二人が部活に入ったばかりの話。




最初にバリバリのR18（練乳＝アレ）を想像して「や、これはマズいだろう（何が？）」となった結果、n番煎じなお話になりました。
しかも吸ってない（真顔）あんな砂糖の塊吸わせたらスマイル死んじゃう。
R18ご希望だったらごめんなさい。言ってくれたら書きます（）

リクエスト有難うございました。