Serena*Mのあたまのなかみ。
NARUTO/ガイカカ
何も言わないで。
生産脳はカカイルなんで…!!!!!!(何に対する言い訳)
何も言わないで。
生産脳はカカイルなんで…!!!!!!(何に対する言い訳)
忍たるもの、気配を消すのは呼吸をするのと同じで当たり前のこと。無意識に気配を消してしまうカカシに対して、真逆なのは恋人・ガイだった。
寮で独り、愛読書のイチャイチャパラダイスを捲っていたカカシは不意に顔を上げる。
共同の廊下の先、外階段からの気配。
カカシが玄関扉を開けるのと恋人が立ち止まるのとはほぼ同時だった。
「…オカエリ」
上忍として任務に赴いていたガイの外套姿は珍しい。
目深に被ったフードから覗く表情は重く、疲れて見えた。普段は見ることのない無精髭が余計に疲弊感を増しているのかもしれない。
「……報告書が、ある。
ただ顔が見たかっただけだ」
俯いたガイにカカシは両手を広げる。
「その様子(ヒゲ)だと、三徹?」
「…ダメだ、汚い」
「いいの、俺がこうしたいだけだから」
顔を背けた恋人に構わず、カカシは恋人を抱きしめる。
任務の詳しい話は聞いていないし、訊くこともしなかった。
当たり前だ、守秘義務が在る。
けれど。
彼が砂の里の国境警備として駆り出されたこと。新しい影に反対する勢力が派手に国境近くで自爆テロを起こしたこと。
それくらいの情報は掴んでいた。
太陽を具現化したような男だ、いくら割り切った任務とは言え命を散ることを良しとはしないだろう。頭では理解していても、心が追いつかないのは分かっているつもりだ。
『忍に向いてないんじゃナイ?』
カカシはよく恋人を揶揄うが、その暖かさが彼にとっての救いでもあった。欠けたピースを補うのが“恋人”なのだから。
ガイの体臭に混ざる血の匂い。
恋人自身の怪我ではないのは、幸か不幸か。
きっと心優しい恋人なら、”自分が傷ついた方がいい”そう零すだろう。
抱きしめられたガイは暫くそのまま固まっていたが、遠慮がちにカカシの背中に手を回すと彼以上の強さで抱擁する。
「…元気、出た?」
そっと身体を離したカカシにガイは白い歯を見せる。
「火影様のところへ急ぎ報告してくる!」
「良かった。……俺もガイと会えなくて寂しかったよ」
珍しく素直に告げたカカシの本心に
「流石 髭だけで分かる男は違うな!!」
ガイも親指を立てると「行ってくる!」それはもう旋風のように姿を消した。
「元気だぁね」
足元で舞った木の葉にカカシも口布の中で口角を上げると玄関を閉めて台所に向かう。
ガイと同じく、任務ばかり続くカカシの部屋の台所は殺風景ではあったが必要最低限の家電は揃っていた。
白米は早炊きにして、あ、いや米ってあったっけ?
「カレー…は買い置きのレトルトがあったかな」
思わず口をついた恋人の好物に、カカシは苦笑する。
「早く帰っておーいで」
台所の窓から覗く丸い月に、カカシの声が吸い込まれていった。
*了*
寮で独り、愛読書のイチャイチャパラダイスを捲っていたカカシは不意に顔を上げる。
共同の廊下の先、外階段からの気配。
カカシが玄関扉を開けるのと恋人が立ち止まるのとはほぼ同時だった。
「…オカエリ」
上忍として任務に赴いていたガイの外套姿は珍しい。
目深に被ったフードから覗く表情は重く、疲れて見えた。普段は見ることのない無精髭が余計に疲弊感を増しているのかもしれない。
「……報告書が、ある。
ただ顔が見たかっただけだ」
俯いたガイにカカシは両手を広げる。
「その様子(ヒゲ)だと、三徹?」
「…ダメだ、汚い」
「いいの、俺がこうしたいだけだから」
顔を背けた恋人に構わず、カカシは恋人を抱きしめる。
任務の詳しい話は聞いていないし、訊くこともしなかった。
当たり前だ、守秘義務が在る。
けれど。
彼が砂の里の国境警備として駆り出されたこと。新しい影に反対する勢力が派手に国境近くで自爆テロを起こしたこと。
それくらいの情報は掴んでいた。
太陽を具現化したような男だ、いくら割り切った任務とは言え命を散ることを良しとはしないだろう。頭では理解していても、心が追いつかないのは分かっているつもりだ。
『忍に向いてないんじゃナイ?』
カカシはよく恋人を揶揄うが、その暖かさが彼にとっての救いでもあった。欠けたピースを補うのが“恋人”なのだから。
ガイの体臭に混ざる血の匂い。
恋人自身の怪我ではないのは、幸か不幸か。
きっと心優しい恋人なら、”自分が傷ついた方がいい”そう零すだろう。
抱きしめられたガイは暫くそのまま固まっていたが、遠慮がちにカカシの背中に手を回すと彼以上の強さで抱擁する。
「…元気、出た?」
そっと身体を離したカカシにガイは白い歯を見せる。
「火影様のところへ急ぎ報告してくる!」
「良かった。……俺もガイと会えなくて寂しかったよ」
珍しく素直に告げたカカシの本心に
「流石 髭だけで分かる男は違うな!!」
ガイも親指を立てると「行ってくる!」それはもう旋風のように姿を消した。
「元気だぁね」
足元で舞った木の葉にカカシも口布の中で口角を上げると玄関を閉めて台所に向かう。
ガイと同じく、任務ばかり続くカカシの部屋の台所は殺風景ではあったが必要最低限の家電は揃っていた。
白米は早炊きにして、あ、いや米ってあったっけ?
「カレー…は買い置きのレトルトがあったかな」
思わず口をついた恋人の好物に、カカシは苦笑する。
「早く帰っておーいで」
台所の窓から覗く丸い月に、カカシの声が吸い込まれていった。
*了*
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